読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「エリックを探して」:マンチェスターを舞台に、人生どん底の中年郵便配達員がサッカーのカリスマに導かれて立ち直る姿をコミカルに描く

「エリックを探して」(原題: Looking for Eric)は、2009年公開のイギリス・フランス合作のコメディ&ドラマ映画です。元サッカー選手のエリック・カントナが企画を持ち込み、ケン・ローチ監督、ポール・ラヴァーティ脚本、エリック・カントナ製作総指揮、…

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」:失業や冷酷な企業システムが日常にもたらす非人間的側面をリアルに描き、人間としての怒りを問う

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」(原題: La Loi du marché、英題: The Measure of a Man)は、2015年公開のフランスのドラマ映画です。ステファヌ・ブリゼ監督・共同脚本、ヴァンサン・ランドンら出演で、勤務先をリストラされ、やっとの思いで再就職にこ…

「人生は小説よりも奇なり」:ニューヨークを舞台に、成熟したゲイ・カップルと家族、友人の世代を超えた悲喜こもごもを散文詩的に描く

「人生は小説よりも奇なり」(原題:Love is Strange)は、2014年公開のフランス・アメリカ合作のドラマ映画です。アイラ・サックス監督、ジョン・リスゴー、アルフレッド・モリーナ、マリサ・トメイら出演で、念願の同性婚を果たしたカップルの悲喜こもごも…

「クスクス粒の秘密」:チュニジア系フランス人大家族の日常と、世代を超えて受け継がれる移民のエネルギーをスリリングな展開で描く

「クスクス粒の秘密」(原題:La graine et le mulet、別題:Couscous、英題:The Secret of the Grain)は2007年公開の、フランス・チュニジア合作のドラマ映画です。アブデラティフ・ケシシュ監督・脚本、アビブ・ブファーレ、アフシア・エルジら出演で、…

「裸足の季節」:黒海沿岸に住む5人姉妹の思春期の喜びと憂い、秘めた力と性差別への抵抗を美しい映像で描いた、女性監督ならではの作品

「裸足の季節」(原題:Mustang)は、2015年公開のトルコ・フランス・ドイツ合作のドラマ映画です。デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督・共同脚本、ギュネシ・シェンソイらの出演で、トルコの小さな村に舞台に、古い慣習と封建的思想のもと一切の外出を禁じ…

「母よ、」:常に自分自身に満足できない女性監督が母の衰えに直面する姿を、コメディとペーソスを織り交ぜた絶妙なタッチで描くドラマ

「母よ、」は、2015年公開のイタリア・フランス合作のヒューマン・ドラマ映画です。ナンニ・モレッティ監督、マルゲリータ・ブイ、ジョン・タトゥーロら出演で、仕事も家族との関係もうまくいかず悶々とする一人の女性映画監督が、母の喪失に直面する姿をユ…

「トリコロール/赤の愛」:芸術的な二重構造で博愛を描き、群像劇の様に三部作を締めくくる、キェシロフスキ監督の遺作となった完結編

「トリコロール/赤の愛」(原題:Trois Couleurs: Rouge)は1994年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の3作目で、クシシュトフ・キェシロフスキ監督・共同脚本…

「トリコロール/白の愛」:国境や言葉を超える愛の平等について、男性を主人公に叙事的悲喜劇のスケール感で大胆かつ象徴的に描いた名作

「トリコロール/白の愛」(原題:Trois couleurs: Blanc、ポーランド語:Trzy kolory: Biały)は、1994年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の2作目で、クシシ…

「トリコロール/青の愛」:美しく叙情的、象徴的な演出と、主演女優の卓越した演技で、愛の喪失と再生を緻密かつダイナミックに描き出す

「トリコロール/青の愛」(原題:Trois Couleurs: Bleu)は、1993年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の1作目で、クシシュトフ・キェシロフスキ監督・共同脚…

「或る終焉」:常に患者の死と向き合う終末医療の看護師を描き、ティム・ロスのイメージを変えるサスペンスフルなヒューマン・ドラマ

「或る終焉」(原題:Chronic)は、2015年公開のメキシコ・フランス合作のドラマ映画です。ミシェル・フランコ監督・脚本、ティム・ロスら出演で、終末期の患者をケアする看護師の葛藤をサスペンスフルに描いています。第68回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞…

「コックと泥棒、その妻と愛人」:ビッグネームによる衣装と料理、壮大な舞台セットと芸術的演出、俳優の熱演が光る大胆でパワフルな作品

「コックと泥棒、その妻と愛人」(原題:The Cook, the Thief, His Wife & Her Lover)は、1989年公開のイギリス・フランス合作のドラマ映画です。ピーター・グリーナウェイ監督・脚本、リシャール・ボーランジェ、マイケル・ガンボン、 ヘレン・ミレンら出…

「グランドフィナーレ」:豪華なキャスト、美しいロケ地、耽美的映像、大胆な構成で、イタリア映画とベテラン俳優の新たな可能性を示す

「グランドフィナーレ」(原題:Youth – La giovinezza)は、2015年公開のイタリア・フランス・イギリス・スイス合作のドラマ映画です。エリザベス女王からの依頼を断ったという有名な指揮者の実話に着想を得て、パオロ・ソレンティーノ監督・脚本、マイケル…

「ロブスター」:極端な設定と強烈な演出で不可思議かつスリリングに展開、社会と男女関係の心理を問う野心作

「ロブスター」(原題:The Lobster)は、2015年公開のギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリス合作のSF恋愛映画です。ヨルゴス・ランティモス監督、ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ共同脚本、コリン・ファレル、レイチェル・…

「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」:真面目で可笑しくて刺激的、晩婚や離婚が多い現代のロマンティック・コメディ

「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」(原題:Man Up)は、2015年公開のイギリス・フランス合作のロマンティック・コメディ映画です。ベン・パーマー監督、テス・モリス脚本、サイモン・ペッグ、レイク・ベルら出演で、ロンドンの街を舞台に…

「ディーパンの闘い」:内戦に敗れ、フランスに逃れたスリランカの元兵士とその偽装家族の苦難を描く、リアルで見応えのあるドラマ

「ディーパンの闘い」は2015年公開のフランスのクライム・サスペンス&ドラマ映画です。ジャック・オーディアール監督・共同脚本、アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサンら出演で、内戦下のスリランカを逃れ、偽装家族としてフラ…

「独裁者と小さな孫」:民主化が常に正しいわけではない、悪しき革命は悪しき独裁者による政治となんら変わらない

「独裁者と小さな孫」(原題:The President)は、2014年公開のジョージア・イギリス・フランス・ドイツの合作の映画です。モフセン・マフマルバフ監督、ミシャ・ゴミアシュヴィリら出演で、クーデターにより幼い孫と共に逃亡を余儀なくされた老独裁者が、行…

「トスカーナの贋作」:ふとしたことから夫婦を演じる男女の虚実の交錯を、イタリアの小さな街を舞台にスリリングに描くヒューマンドラマ

「トスカーナの贋作」(原題:Copie conforme)は、2010年公開のフランス、イタリア合作のドラマ映画です。イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督・脚本、ジュリエット・ビノシュら出演で、ふとしたことから夫婦を演じることになった男女の虚実交錯する恋…

「アクトレス~女たちの舞台~」:世代交代に直面、過ぎ行く時間と対峙するスター女優の葛藤を、現実と劇中劇の間でスリリングに描く

「アクトレス~女たちの舞台~」(原題:Sils Maria)は2014年公開のフランス・スイス・ドイツ合作のヒューマン・ドラマ映画です。監督・脚本オリヴィエ・アサイヤス、ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツら出演…

「レバノン」:イスラエル軍の戦車に乗り組んだ実戦経験のない若い兵士たちが直面する最前線を、徹底した個人の視点で有無を言わさず描く

「レバノン」(原題: לבנון, 英仏題: Lebanon, 独題: Levanon)は、2010年公開のイスラエル、フランス、ドイツ合作の戦争ドラマ映画です。サミュエル・マオズ監督・脚本で、マオズ自身も兵士として参加した1982年のレバノン戦争を舞台に、戦車兵の若いイスラ…

「まぼろし」:長年連れ添った夫の喪失を受け入れることができない妻をシャーロット・ランプリングが好演する、哀しくも情感溢れる作品

「まぼろし」(原題:Sous le sable)は、2000年公開のフランスのドラマ映画です。フランソワ・オゾン監督、マリー シャーロット・ランプリングら出演で、長年連れ添った夫が夏の砂浜で行方不明になった中年女性の内面に迫り、複雑で繊細な心の変遷を透明感…

「唇を閉ざせ」:8年前に惨殺された妻が生きている?ハリウッドではありえないラブストーリ仕立てのフランス流クライムサスペンス

「唇を閉ざせ」(原題:Ne le dis à personne)は2006年公開のフランスのサスペンス&ドラマ映画です。アメリカの作家ハーラン・コーベンの同名小説を原作に、殺されたはずの妻から届いたメールの謎を追う男を描いています。第32回セザール賞において、作品…

「スノーピアサー」:氷河期に生き残った人々を乗せた列車を舞台に、巧みな演出、豪華なキャスト、有無を言わせぬ脚本で描く階級闘争劇

「スノーピアサー」(英題: Snowpiercer, 韓国語題: 설국열차)は、2013年の韓国・アメリカ・フランス合作のSFアクション映画です。ジャック・ロブ/バンジャマン・ルグラン/ジャン=マルク・ロシェットによるグラフィックノベル「Le Transperceneige」を原作…

「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」:ユーモア溢れるコミカルな脚本と表情豊かなキャラクターが魅力のクレイ・アニメ

「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」は、2015年公開のイギリス、フランス合作のクレイ・アニメーション映画です。イギリスの人気クレイアニメ「ウォレスとグルミット」に登場したキャラクター、ひつじのショーンを主人公に、「ウォレスとグルミッ…

「パリ警視庁:未成年保護部隊」:警察官たちの果てしない戦いを、時にシリアスに、時にユーモラスに、感情豊かに描く、フランス流群像劇

「パリ警視庁:未成年保護特別部隊」(原題:Polisse)は2011年のフランスの社会派ドラマ映画です。マイウェン監督、マイウェン/エマニュエル・ベルコ共同脚本、カリン・ヴィアールらの出演で、様々な犯罪から未成年を守るパリ警視庁未成年特別保護班の警官…

「エール!」:健聴の娘に聾啞の両親と弟という酪農一家を舞台にシャンソン、性、恋、家族愛、旅立ちを描くパワルフなフレンチ・コメディ

聾啞の両親、弟に「エール!」(原題:La Famille Bélier、英題:The Bélier Family)は、2004年公開のフランスのコメディ&ドラマ映画です。エリック・ラルティゴー監督、ヴィクトリア・ベドス/スタニスラス・カレ・ド・マルベール /エリック・ラルティゴー…

「彼は秘密の女ともだち」:女装する男性と女性との関係を描く事により、現代の性のあり方を浮かび上がらせる、寓話的ヒューマン・ドラマ

「彼は秘密の女ともだち」(原題: Une nouvelle amie、英題:The New Girlfriend)は、2014年公開のフランスのドラマ映画です。ルース・レンデルの短編小説「The New Girlfriend」(おんなともだち)を原案に、フランソワ・オゾン監督・脚本、ロマン・デュリ…

「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者」:家族を描くヒューマンな序盤からサスペンスフルな後半を、ロマン・デュリスが一気に駆け抜ける

「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者」(原題:L'homme qui voulait vivre sa vie、英題:The Big Picture)は2010年公開のフランスのサスペンス&ドラマ映画です。アメリカの作家ダグラス・ケネディの1997年の小説「ビッグ・ピクチャー」を原作とし、舞台を…

「パリ20区、僕たちのクラス」:移民の多いパリ20区の中学校を舞台に、フランス語教師と生徒達の1年をヴィヴィッドに描く

「パリ20区、僕たちのクラス」(原題:Entre les murs(壁の内側))は、2008年公開のフランスのヒューマン・ドラマ映画です。フランソワ・ベゴドーが実体験に基づいて2006年に発表した小説「教室へ」を、ローラン・カンテ監督、ベゴドー自身の脚本・主演で…

「ターナー、光に愛を求めて」:イギリスの著名な画家の後半生を、史実に基づき、ヴィヴィッドに描いた伝記映画

「ターナー、光に愛を求めて」(原題:Mr. Turner)は2014年公開のイギリス・ドイツ・フランス合作のの伝記映画です。マイク・リー監督、ティモシー・スポール主演で、18世紀の末から19世紀にかけて活躍したイギリスのロマン主義の画家、ジョゼフ・マロード…

「ディオールと私」:ディオール本社のアトリエに初めて映画カメラが入り、デザイナーとお針子がショーを完成させるまでを描く

「ディオールと私」は2015年公開のフランスのドキュメンタリー映画です。フレデリック・チェン監督が、フランスの老舗ファッション・ブランド、クリスチャン・ディオールのアーティスティック・ディレクターに就任したラフ・シモンズが、自身初となるオート…

「真夜中のピアニスト」:リアルでスタイリッシュなハードボイルド風味のヒューマン・ドラマ

「真夜中のピアニスト」(原題: De battre mon cœur s'est arrêté、英題: The Beat That My Heart Skipped)は2005年公開のフランスのヒューマン・ドラマ映画です。1978年のアメリカ映画「マッド・フィンガーズ」のリメイクで、ジャック・オーディアール脚本…

「少年と自転車」:親に捨てられ、神経がむき出しになったように傷ついた少年の痛ましさと、母のような愛でそれを癒す女性の豊かさ

「少年と自転車」(原題:Le gamin au vélo)は2011年のベルギー・フランス・イタリア合作のヒューマン・ドラマ映画です。ダルデンヌ兄弟監督、トマ・ドレ、セシル・ドゥ・フランスらの出演で、育児放棄され、神経がむき出しになった少年が、平和と慰めを得…

「君と歩く世界」:両足を失ったシャチの調教師の女性と、朴訥な労働者階級の格闘家のハードなラブ・ストーリー

「君と歩く世界」(原題:De rouille et d'os、英題:Rust and bone)は、2012年公開のフランス・ベルギー合作の映画です。クレイグ・デイヴィッドソンによる同名の短編集を原作とし、ジャック・オーディアール監督、マリオン・コティヤール、マティアス・ス…

「サンドラの週末」:鬱病から回復するも解雇、復職の為には同僚の賞与返上が必要という過酷な状況を、マリオン・コティヤールが好演

「サンドラの週末」(原題:deux jours, une nuit)は2014年のベルギー・フランス・イタリア合作の映画です。解雇の窮地に立たされ、自分の存在価値を疑いながらも同僚たちに賞与を諦めるよう説得して回り、自身の拠り所を見つけ出していくひとりの女性を、…

「ある過去の行方」:移民、離婚、不倫・・・、複雑な環境で子供達や家族との関係を緻密かつスリリングに描く

「ある過去の行方」(原題: Le passé、英題: The Past)は、2013年公開のフランスのドラマ映画です。アスガー・ファルハディ監督・脚本、ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、アリ・モサファら出演で、協議離婚のため4年ぶりに自宅へ戻った男と元妻、その恋…

「リード・マイ・リップス」:粋な脚本と人物描写が光る、職場で蔑まれるOLと保護観察下のヤンチャな男のクライム・サスペンス&ドラマ

「リード・マイ・リップス」(原題:Sur mes lèvres)は、2001年公開のフランスのクライム・サスペンス&ドラマ映画です。難聴というハンディを抱えながら懸命に働くも職場で蔑まれている女性と、刑務所帰りのヤンチャな青年という、社会から疎外された二人…

「メルシィ!人生」:リストラ逃れにゲイと嘘をカミング・アウトした冴えない中年男のコメディを、フランスの実力派スターが競演

「メルシィ!人生」(原題:Le Placard)は2001年公開のフランスのコメディ映画です。フランシス・ベベール監督、ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー他、フランスの実力派スターが競演、リストラ対象となった冴えない中年男が、周囲を巻き込…

「ル・アーヴルの靴みがき」:フランスの港町に密航したきた少年と庶民の善意を、ユーモアを交えて、優しくノスタルジックに描く

「ル・アーヴルの靴みがき」(原題:Le Havre )は、2011年公開のヒューマン・ドラマ/コメディ映画です。アキ・カウリスマキ監督・脚本により、フランスの港町のル・アーヴルで靴磨きをする男を中心に、密航したきた移民の少年と、庶民の人情と善意がたぐり…

「預言者」:人種、言葉、宗教のハンディを超え、刑務所内で成り上がる19歳の若者のクライム・ストーリー

「預言者」(原題:Un prophète, 英題:A Prophet)は2009年公開のフランスの犯罪映画です。モザイクのように様々な民族や宗教が入り交じり対立する刑務所に放り込まれた無学で孤独なアラブ系フランス人青年が、過酷な世界で生き延び、這い上がっていく様を…

「ミッション:8ミニッツ」:犯人を捜す為、爆破8分前の列車の乗客の意識に入り込んだ男の試行錯誤

「ミッション:8ミニッツ」(原題: Source Code)は、2011年のアメリカ、フランス合作のSF/サスペンス&アクション映画です。爆破される8分前の列車の乗客の意識に入り込み、犯人を捜すというミッションを課せられた男が何度も同じ時を彷徨い、試行錯誤する…

「最強のふたり」:車椅子の富豪と型破りな移民の介護人、フランスの実話に基づく大ヒット・ヒューマン・コメディ

「最強のふたり」(原題: Intouchables) は、2011年公開のフランスのコメディ/ドラマ映画です。頸髄損傷の為、体が不自由で車椅子で生活する富豪と、その介護人となった貧困層の移民の黒人青年という、全く境遇の異なる2人が深い友情で結ばれていく様子を、…

「ラウンド・ミッドナイト」:老いたジャズ奏者とフランス青年の友情を描いた名作

「ラウンド・ミッドナイト」(原題:Round Midnight)は、1986年公開のアメリカ・フランス合作の音楽映画です。パリで活動していたジャズ・ピアニストのバド・パウエルと、フランス人デザイナー、フランシス・ポウドラの実話をベースにした映画で、50年代…

「グレート・ビューティー/追憶のローマ」:退廃的で儚い爛熟の美と、悠久の歴史のコントラスト

「グレート・ビューティー/追憶のローマ」(原題:La grande bellezza、英題:The Great Beauty)は、2013年公開のイタリア・フランスの合作の映画です。セレブ界の狂騒に飽き飽きした初老のジャーナリストが、初恋の女性の死をきっかけにローマの街を歩きな…

「クリスマス・ストーリー」:カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルリックら、フランスの名優が描く家族ドラマ

「クリスマス・ストーリー」(原題:Un conte de Noël)は、2008年公開のフランスの映画です。カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルリックなどフランス映画界を代表する名優たちが共演、フランス北部の町ルーベを舞台に、母の病気を機にクリスマスに久し…

「アデル、ブルーは熱い色」:同性愛に目覚めた成長過程の少女を生々しく描くフランス映画の底力

「アデル、ブルーは熱い色」(原題: La vie d'Adèle – Chapitres 1 et 2、英題: Blue Is the Warmest Colour)は、2013年公開のフランスの恋愛・ドラマ映画です。ジュリー・マロによる2010年のフランスのグラフィックノベル「ブルーは熱い色」を原作として…

「みなさん、さようなら」:家族と友人達と過ごす偏屈親父の最期のひと時

「みなさん、さようなら」(原題: Les Invasions barbares、英題: The Barbarian Invasions)は、2003年公開のカナダ・フランス合作のヒューマン・ドラマ/コメディ映画です。偏屈親父が家族や友人の愛に囲まれながら「最期のひと時」を過ごす姿を、シニカル…

「おとなのけんか」:オスカーの強者4人による緊迫のリアルタイム室内劇

「おとなのけんか」(原題: Carnage)は、2011年公開のフランス・ドイツ・ポーランド・スペイン合作のコメディ映画です。皮肉で知的なブラックユーモアで国際的に高い評価を得ている劇作家ヤスミナ・レザによる戯曲「大人は、かく戦えり」(原題:Le Dieu du…

「美女と野獣」:フランス流の映像/比喩表現にレア・セドゥが命を吹き込むVFX映画

「美女と野獣」(原題: La Belle et la Bête)は、2014年公開のフランス、ドイツ合作のファンタジー/ロマンス映画です。これまでに何度も映像化されてきたフランスの古典的物語を、最新の映像技術を駆使して映画化したものです。 「美女と野獣」のDVD(Amazo…

「愛されるために、ここにいる」:タンゴとフランス映画の魅力が融合した秀作

「愛されるために、ここにいる」(原題:Je ne suis pas là pour être aimé)は、2005年公開のフランス映画です。人生に疲れた初老の男が、タンゴ教室で若い女性と出会い、互いに秘めた感情が高まっていく姿を、美しいタンゴの調べとともに繊細に描いていま…

「潜水服は蝶の夢を見る」:肉体が閉じ込められても、魂は愛とともに舞う事ができる。

「潜水服は蝶の夢を見る」(原題:Le scaphandre et le papillon、英題:The Diving Bell and the Butterfly)は、2007年公開のフランス映画です。42歳という若さで突然の病に倒れ、身体の自由を奪われたELLEの元編集長ジャン=ドミニック・ボービーが、全身…