夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」:伝統的構成に織り込まれた多層のテーマが感動を生む、歴代最高級ロマンティックコメディ

「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」(原題:The Big Sick)は、2017年公開のアメリカのロマンティック・コメディ映画です。コメディアンのクメイル・ナンジアニの経験を脚本に、ジャド・アパトー制作、マイケル・ショウォルター監督、クメイル・ナ…

「ブレードランナー 2049」:名作オリジナルと同じ題材・主題・形式ながら、圧倒的な映像美と視覚効果がより時代にマッチする画期的続編

「ブレードランナー 2049」(原題:Blade Runner 2049)は、2017年公開のアメリカのSFファンタジー&ドラマ映画です。フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を基にした1982年公開のカルト的名作映画「ブレードランナー」の続…

「エル・クラン」:軍事政権崩壊後のアルゼンチン、家族ぐるみの誘拐ビジネスの悲劇を描いた、実話に基づく犯罪サスペンス&ドラマ映画

「エル・クラン」 (原題:El Clan)は、2015年公開のアルゼンチンのクライム・サスペンス&ドラマ映画です。1980年代初頭に4人を誘拐、3人を殺害したプッチオ家の実話を題材に、パブロ・トラペロ監督・脚本、ギレルモ・フランチェラら出演で、近隣の人々か…

「RAW~少女のめざめ~」:少女に潜在する獣性の目覚めを多層構造の中で描き出した、ドラマ性が高く深みのある稀有なボディ・ホラー

「RAW~少女のめざめ~」(原題:Grave、英題:Raw)は、2016年公開のフランス・ベルギー合作のホラー&ドラマ映画です。ジュリア・デュクルノー監督・脚本、ギャランス・マリリエら出演で、獣医科大学に進学したベジタリアンの少女が肉を食べたことから、自…

「リメンバー・ミー」:メキシコの「死者の日」を題材に、伝統を汲みながら、家族、生と死をリッチに描いたディズニー王道のCGアニメ

「リメンバー・ミー」(原題:Coco)は、2017年公開のアメリカの冒険ファンタジーCGアニメ映画です。ピクサー・アニメーション・スタジオの19作目の長編作品で、メキシコの「死者の日」の祭りを題材に、骸骨となった死者達が陽気に暮らす、テーマパークの様…