夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

韓国映画

「バーニング 劇場版」:村上春樹の短編を日常の不条理で多層化し、さらに差別への怒りで駆り立てた、見ごたえのあるミステリー&ドラマ

「バーニング 劇場版」(原題:버닝)は、2018年公開の韓国のミステリー&ドラマ映画です。村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を原作に、ユ・アイン、スティーヴン・ユァン、チョン・ジョンソら出演で、幼なじみとの再会を機に奇妙な出来事に巻き込まれていく…

「クレアのカメラ」:キム・ミニ、イザベル・ユペールを迎え、映画の即興詩人ホン・サンス監督がカンヌを舞台に繰り広げる、大人の童話劇

「クレアのカメラ」(原題:클레어의 카메라、英題:Claire's Camera)は、2017年公開の韓国のドラマ映画です。ホン・サンス監督・脚本、イザベル・ユペール、キム・ミニら出演で、女癖の悪い映画監督、監督と男女の関係にある映画会社の女社長、監督と火遊…

「夜の浜辺でひとり」:監督自身の不倫に触発され、ドイツと韓国を舞台に報われぬ不倫の恋に悩みキャリアから遁走する女優を叙情的に描く

「夜の浜辺でひとり」( 原題:밤의 해변에서 혼자、英題:On the Beach at Night Alone)は、2017年公開の韓国のドラマ映画です。ホン・サンス監督のミューズであり、プライベートで不倫関係にある女優キム・ミニとのコラボ作品で、不倫スキャンダルで異国…

「正しい日 間違えた日」:男女の出会いを二通りの展開で描き、認識と行動、人間関係の無限の可能性を示唆する異色のラブストーリー

「正しい日 間違えた日」(原題:지금은맞고그때는틀리다、英題:Right Now, Wrong Then)は、2015年公開の韓国のドラマ映画です。ホン・サンス監督、チョン・ジェヨン、キム・ミニら出演で、映画監督チュンスと女性美術家ヒジョンの運命的な出会いと二通り…

「新感染 ファイナル・エクスプレス」:ゾンビ映画に現実味のあるキャラクター設定と社会的視点が盛り込まれた無類の娯楽アクション大作

「新感染 ファイナル・エクスプレス」(原題:부산행、英題:Train to Busan)は、2016年公開の韓国のゾンビ&サバイバル・アクション映画です。ヨン・サンホ監督、コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソクら出演で、ソウルからプサンへ向けて時…

「お嬢さん」:抑圧された女性の闘いがドラマ性を醸し出す、ひねりの効いた豪華で美しく重厚感のあるエロティック・クライム・サスペンス

「お嬢さん」(原題:아가씨 、英題:Handmaiden)は、2016年公開の韓国のエロティック・クライム・サスペンス映画です。イギリスの作家サラ・ウォーターズの歴史犯罪小説「荊の城」を原作に、パク・チャヌク監督、キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チ…

「哭声/コクソン」:シャーマニズムを題材に人間を描くナ・ホンジンの演出、青龍映画賞受賞の國村準の演技が光るサスペンス&スリラー

「哭声/コクソン」(原題:곡성(哭聲)、英題:The Wailing)は2016年公開の韓国のサスペンス・スリラー映画です。ナ・ホンジン監督・脚本、クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼ら出演で、平和な田舎の村を舞台に、シャーマニズム、そしてキリス…

「スノーピアサー」:氷河期に生き残った人々を乗せた列車を舞台に、巧みな演出、豪華なキャスト、有無を言わせぬ脚本で描く階級闘争劇

「スノーピアサー」(英題: Snowpiercer, 韓国語題: 설국열차)は、2013年の韓国・アメリカ・フランス合作のSFアクション映画です。ジャック・ロブ/バンジャマン・ルグラン/ジャン=マルク・ロシェットによるグラフィックノベル「Le Transperceneige」を原作…