夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

アルゼンチン映画

「しあわせな人生の選択」:良質の脚本と演技、悲しさとおかしさの均衡、忍耐強く演出された末期がんの男と旧友の慎ましやかな友情の物語

「しあわせな人生の選択」(原題:Truman)は、2015年公開のスペイン・アルゼンチン合作のコメディ&ドラマ映画です。セスク・ゲイ監督・脚本、リカルド・ダリン、ハビエル・カマラら出演で、末期がんに侵され余命短いスペイン男性をカナダの旧友が訪ね、男…

「エル・クラン」:軍事政権崩壊後のアルゼンチン、家族ぐるみの誘拐ビジネスの悲劇を描いた、実話に基づく犯罪サスペンス&ドラマ映画

「エル・クラン」 (原題:El Clan)は、2015年公開のアルゼンチンのクライム・サスペンス&ドラマ映画です。1980年代初頭に4人を誘拐、3人を殺害したプッチオ家の実話を題材に、パブロ・トラペロ監督・脚本、ギレルモ・フランチェラら出演で、近隣の人々か…

「瞳の奥の秘密」:軍事政権下のアルゼンチンで殺人犯を追った主人公と女性上司、被害者の夫の25年を過去と現在を交錯させて描く

「瞳の奥の秘密」(西題: El secreto de sus ojos、英題:The Secret in Their Eyes)は、2009年公開のアルゼンチンのサスペンス&ドラマ映画です。フアン・ホセ・カンパネラ監督、エドゥアルド・サチェリ/フアン・ホセ・カンパネラ共同脚本、リカルド・ダ…

「人生スイッチ」:ちょっとしたきかっけで暴走する感情とそれがもたらす様々な結果を、風刺を効かせユーモラスに描いたアンソロジー

「人生スイッチ」(原題:Relatos salvajes(西), 英題: Wild Tales)は、2014年公開のアルゼンチン・スペイン合作のブラック・コメディ映画です。アルゼンチンのダミアン・ジフロン脚本・監督により、不運の連鎖や暴力と復讐によって思いも寄らぬ運命をた…