夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

ポーランド映画

「夜明けの祈り」:ソ連占領下のポーランドで兵士の暴行で妊娠した修道女達とフランス人女医の実話に基づく過酷で美しく感動的なドラマ

「夜明けの祈り」(原題:Les Innocentes)は、2016年公開のフランス・ポーランド合作のドラマ映画です。第2次世界大戦直後のポーランドの実話に基づき、アンヌ・フォンテーヌ監督、ルー・ドゥ・ラージュら出演で、赤十字で医療活動を行う若いフランス人の女…

「トリコロール/赤の愛」:芸術的な二重構造で博愛を描き、群像劇の様に三部作を締めくくる、キェシロフスキ監督の遺作となった完結編

「トリコロール/赤の愛」(原題:Trois Couleurs: Rouge)は1994年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の3作目で、クシシュトフ・キェシロフスキ監督・共同脚本…

「トリコロール/白の愛」:国境や言葉を超える愛の平等について、男性を主人公に叙事的悲喜劇のスケール感で大胆かつ象徴的に描いた名作

「トリコロール/白の愛」(原題:Trois couleurs: Blanc、ポーランド語:Trzy kolory: Biały)は、1994年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の2作目で、クシシ…

「トリコロール/青の愛」:美しく叙情的、象徴的な演出と、主演女優の卓越した演技で、愛の喪失と再生を緻密かつダイナミックに描き出す

「トリコロール/青の愛」(原題:Trois Couleurs: Bleu)は、1993年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の1作目で、クシシュトフ・キェシロフスキ監督・共同脚…

「おとなのけんか」:オスカーの強者4人による緊迫のリアルタイム室内劇

「おとなのけんか」(原題: Carnage)は、2011年公開のフランス・ドイツ・ポーランド・スペイン合作のコメディ映画です。皮肉で知的なブラックユーモアで国際的に高い評価を得ている劇作家ヤスミナ・レザによる戯曲「大人は、かく戦えり」(原題:Le Dieu du…