夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「あさがくるまえに」:心臓移植を通して一つの喪失が再生に連鎖する様を美しく繊細に力強く描いた、女性監督ならではのフランスの群像劇

あさがくるまえに」(原題:Réparer les vivants、英題:Heal the Living)は、2016年公開のフランス・ベルギー合作のヒューマン・ドラマ映画です。数々の文学賞を受賞したメイリス・ド・ケランガルのベストセラー小説「Réparer les vivants」を原作に、カテル・キレヴェレ監督・共同脚本、タハール・ラヒム、エマニュエル・セニエ、アンヌ・ドルヴァルら出演で、脳死状態になったドナー、レシピエント、医師たちとそれぞれの家族や愛する人の一日が、心臓移植を通して繋がる様を美しく繊細なタッチで描いています。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:カテル・キレヴェレ
脚本:カテル・キレヴェレ/ジル・トーラン
原作:メイリス・ド・ケランガル著「Réparer les vivants」
撮影:トム・ハラリ
出演:タハール・ラヒム(トマ、臓器移植コーディネーター)
   エマニュエル・セニエ(マリアンヌ、シモンの母)
   アンヌ・ドルヴァル(クレール、重度の心臓病、移植待機中)
   ギャバン・ヴァルデ(シモン、サーファー、交通事故で脳死状態になる)
   ドミニク・ブラン(リュシ、クレールの主治医)
   ブーリ・ランネール(ピエール、シモンの主治医)
   クール・シェン(ヴァンサン、マリアンヌの元夫、シモンの父)
   モニア・ショクリ(ジャンヌ、シモンの担当看護師)
   アリス・タグリオーニ(アンヌ・ゲランド、ピアニスト、クレールの昔の恋人)
   カリム・ルクルー(ヴィルジーリオ・ブレヴァ、リュシの医療チーム員)
   アリス・ドゥ・ランクザン(アリス・ハーファング、リュシの医療チーム員)
   フィネガン・オールドフィールド(マキシム、クレールの長男)
   テオ・ショルビ(サム、クレールの次男)
   ガラテア・ベルージ(ジュリエット、シモンのガールフレンド)
   ティトゥアン・アルダ(ヨハン、シモンの友人、サーファー)
   アンドラニク・マネ(クリス、シモンの友人、サーファー)
   イリナ・ムルール(ジゼル、ジャンヌの同僚看護師)
   スティーブ・ティエントチュー(ハメ・ゲイ、臓器移植仲介人)
   ダニエル・アービッド(エルサ、ピエールの元妻)
   ほか

あらすじ

  • 大西洋に面したフランス北西部の都市、ル・アーヴル。夜明け前、ガールフレンドのジュリエット(ガラテア・ベルージ)がまだ微睡みの中にいる間、シモン(ギャバン・ヴァルデ)はベッドを抜け出し、友人たちとサーフィンに出かけます。しかし、海からの帰路、交通事故に遭った彼は、ジュリエットの元に戻ってくることはありませんでした。
  • 連絡を受けたシモンの母マリアンヌ(エマニュエル・セニエ)は、急いでシモンが運び込まれた病院に駆けつけます。シモンの父である別れた夫ヴァンサン(クール・シェン)も遅れて駆けつけます。医師のピエール(ブーリ・ランネール)は、シモンは蘇生する可能性がない脳死状態であることを両親に告げ、臓器移植コーディネーターのトマ(タハール・ラヒム)が移植を待つ患者の為の臓器提供を切り出します。息子の死を受け入れることができない両親は即答できませんが、臓器提供の為に残されている時間に猶予はありません。
  • パリに住む音楽家のクレール(アンヌ・ドルヴァル)は、自分の心臓が末期的症状にあることを自覚しています。生き延びるには心臓を移植するしかありませんが、もはや若くはない自分が他人の心臓を引き継いでまで生き長らえることの意味を自問しています。そんな折、担当医のリュシ(ドミニク・ブラン)からドナーが見つかったという連絡が入ります・・・。

レビュー・解説

ドナー、医師、コーディネーター、レシピエントと彼らの家族や愛する人、普段は交差することのない人々がひとつの心臓によって連鎖し、ひとつの喪失が様々な形の再生に繋がっていく様を美しく繊細にかつ力強く描いた、女性監督によるフランス映画ならではの群像劇です。

女性監督による美しく繊細なフランス映画

早朝、ひとりの青年がガールフレンドの部屋を抜け出し、まだ暗い街を自転車で駆け抜け、仲間と落ち合って車でサーフポイントに向かいます。仲間たちと幻想的なチューブ・ライディングを楽しんだ後の帰路、平坦な一本道に穏やかな海がオーバーラップします。未だ海にいるかの様な感覚に襲われるのも束の間、大きな波が押し寄せ、衝撃音とともにブラックアウトします。この間、約12分、サーフィンの恍惚感と悲劇を象徴的に描いた、実に見事な導入です。カテル・キレヴェレ監督自身が「突然変異」と呼ぶこの導入は、サーフィンとスケートボードアメリカ映画「ロード・オブ・ドッグタウン」(2005年)に触発されたものですが、本作のオープニングは完全にヨーロピアン調になっています。突然、息子を失った母を演じるエマニュエル・セニエのリアルで心を揺さぶる秀逸なパフォーマンスを始め、続く本編も叙情的、象徴的、審美的、そしておおらかで力強い、女性監督ならでは繊細で美しいタッチで描かれています。

 

サーフィンの恍惚感と悲劇を象徴的に表現した見事な導入

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俳優たちはサーファー、撮影監督は元サーファーで、カメラに特製のハウジングを装着して危険な撮影に挑んだ。撮影に一ヶ月を費やしたが、編集された最終的なシーンはわずか数分である。

 

帰路、一本道に海原がオーバーラップする幻想的なシーン

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運転中に睡魔に襲われ、道路に海原がオーバーラップする幻想的なシーン。やがて大きな波が押し寄せ、衝撃音とともにブラック・アウトするのは、事故の見事な象徴的表現。

 

手術シーンも特徴的です。我々が日本のドラマによく目にする手術室は強烈な無影灯に照らされた、陰のない非日常的な世界ですが、心臓の摘出や移植手術をリアルに描く一方で本作は手術室を陰のある独特の世界観で描いています。

などの影響を受けたという本作の手術シーンは、先端医療を超えた一種の宗教的儀式のような雰囲気を醸し出しています。

 

シモンの心臓を摘出するシーン

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脳死状態のシモンから心臓を摘出する手術。手術のスタッフが11人いるのは、キリストの復活を目撃にした弟子が11人だったことを踏まえたものか。 

 

カラヴァッジョ「聖トマスの懐疑」

 

キリスト十二使徒の中で唯一イエスの復活を目撃せず、「主の傷痕に指を入れるまでは復活を信じない」と復活を否定する聖トマスの前にイエスが現れ、聖トマスが恐る恐る傷痕に指を入れて確かめる絵。

ひとつの心臓が辿る道を描いた群像劇

本作で描かれる心臓のレシピエントのクレールは、カテル・キレヴェレ監督が映画で追加したキャラクターで、原作には登場しません。そればかりか、彼女は当初、シモンではなくクレールにフォーカスした映画にしようと考えました。原作小説の原題であり映画の原題でもある「Réparer les vivants」は生者の修復といった意味ですが、キレヴェレ監督はレシピエントのクレールにフォーカスすることにより生者の修復をより具体的に描くことを考えたのです。が、クレール中心に描いてしまうと彼女を救う為に誰かの死を利用するような印象を与えてしまうことを危惧したカテル・キレヴェレ監督は、最終的に心臓にフォーカスし、いわば心臓移植を縦糸に、移植に関わる人々の家族や愛する人々との関係を横糸に、時系列で描くことにしました。結果、ドナー、レシピエントのふたつの独立したエピソードを、移植のエピソードが結びつける群像劇の形になったわけですが、人々の営みを俯瞰して描くことから「神の視点」とも言われる群像劇は、本作にマッチする最良の選択と思われます。ドナーの家族の苦渋の選択、数多い待機患者の中からのドナーとのマッチングを通して、

  • クレールは救われるべくして救われたのではなく、機会に恵まれたこと
  • ドナーの死という喪失が機会となり、周囲の人々に様々な修復を与えること

が、群像劇ならではの視点で描かれています。

 

心臓移植を縦糸に移植に関わる人々と愛する人との関係を横糸に綴られた群像劇

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音楽と映像の繰り返しで一貫性を演出

狭義の群像劇は、

  • 一つの大きな場所に様々な人間模様を持った人々が集まって、物語が展開する

もので、ロバート・アルトマン監督の群像劇にはこの形が多いのですが、最近では、

  • 複数の俳優が同等の重要性を持った役を演ずる

ものが広く群像劇と呼ばれています。しかし、完全に独立したエピソードを集めたものは群像劇ではなくオムニバスと呼ばれ、エピソード相互の何らかの絡みが群像劇を特徴づけることに変わりはないようです。本作同様、心臓移植を扱ったアレハンドロ・イニャリトゥ監督の群像劇「21グラム」(2003年)は、交通事故の加害者、ドナー(事故の被害者)の妻、レシピエントの独立した三つのエピソードからなりますが、終盤に三者が顔を合わせて強烈に絡み合う大団円があります。

 

これに対して、本作はドナーとレシピエントの独立したエピソードの間に移植のエピソードが介在するものの、ドナーとレシピエントのエピソードが直接絡むことがありません。このように結合が弱いと散漫な印象を与えかねませんが、カテル・キレヴェレ監督はアレキサンドル・デスプラの美しいテーマ曲の繰り返しや、エピソード間に対になる映像を取り込むことにより強い結合を演出しています。

 

アレクサンドル・デスプラによる美しいテーマ曲の繰り返し

心臓移植の向けて話が動く時にこの曲が流れ、ストーリーの一貫性を演出している。アレクサンドル・デスプラのオリジナル・スコアによるサウンドトラックが素晴らしいが、販売されていないのが残念。

  • <ネタバレ>母マリアンヌの回想(シモンとジュリエットの出会い)→臓器提供を決意し、シモンが担ぎ込まれた病院に向かう道すがら
  • クレールにアンヌが添い寝→雲の流れを思わせる幻想的な映像→人混みの中から臓器提供の仲介人が現れ、シモンとクレールをマッチングするシーン
  • クレールが消毒シャワーを浴びる→シモンから摘出された心臓をクレールが待機する病院に空輸、陸送するシーン
  • エンディングのクレールの移植手術が終わり麻酔から覚めるまでの間にカットバックされる、心臓を摘出したシモンを清拭した後、トマが夜明けの海岸線の曲がりくねった道をバイクで走るシーン、娘に添い寝するマリアンヌがトマからの連絡で起き上がり、ヴァンサンとともに夜明けの空を眺めるシーン、病院を訪れたアンヌがクレールの息子たちと目を合わし微笑み合うシーン<ネタバレ終わり>

対になる映像

  • <ネタバレ>添い寝する冒頭のシモンとジュリエットvs後半のクレールとアンヌ
    冒頭、ジュリエットは目覚めたシモンに微笑み、再び眠りに落ちる。起き上がったシモンはスマホでジュリエットの写真を撮り、サーフィンに出かけます。後半、何年ぶりかにアンヌに再会したクレールは、自宅まで送ってもらいます。ベッドで微睡むクレールはアンヌに「いてね」とつぶやき、アンヌは「いるわ」と答えて添い寝します。冒頭のシモンとジュリエットの別れと対称的な展開です。
  • 寝たままシモンを送る冒頭のジュリエット vs 涙と笑顔で送る後半のジュリエット
    ジュリエットはドナー側のキャラクターで、この対比はドナーとレシピエントのエピソードの結合を演出するものではありませんが、二度と帰らぬシモンを眠ったまま送り出してしまったジュリエットの無念さと、心臓提供の為に心停止するシモンを彼の愛した波の音と笑顔で送ろうとするジュリエットの健気な心情を象徴的に表現した素晴らしいシーンです。
  • もたれ合って寝る冒頭のサーファー仲間 vs 後半のクレールの息子たち
    冒頭、シモンとサーファー仲間は持たれ合って寝たまま事故に遭い、ブラックアウトします。終盤、待合室でもたれ合って寝るクレールの息子たちはアンヌの気配に目を開け、続いて麻酔から覚めて目を開ける母のクレールにカットバックされます。冒頭とは対称的に、微睡みが生に繋がっています。
  • 冒頭の事故が起きる道 vs 後半の仲介人が現れる雑踏 vs 後半の着陸する滑走路
    冒頭、サーフィンからの帰路、シモンたちが微睡むとともに彼らの車が走る一本道に海原がオーバーラップします。大きな波が押し寄せるのに気づいたドライバーは目を閉じ、衝撃音とともにブラックアウトします。後半、クレールとアンヌの微睡みとともに雲が流れ、オーバーラップする雑踏の中から、臓器移植仲介人が現れ、事務所でシモンとクレールをマッチングします。冒頭とは対称的に、微睡みが生へと繋がっています。同じく後半、摘出されたシモンの心臓を載せた飛行機は、夜の街に浮かび上がる滑走路に着陸します。重要な使命を負う空輸担当の医療スタッフは、着地の衝撃にもしっかりと目を見開き前を見据えています。冒頭の大きな波に目を閉じたドライバーとは対称的に、生を見据える眼差しです。<ネタバレ終わり>

 

アレクサンドル・デスプラによるサウンドトラックは繰り返しを基調とした繊細で美しくリズミカルな曲です。また、対になる美しい映像もバリエーションによる繰り返しです。こうした一連の繰り返しは、寄せては返す波、生を支える心臓の鼓動、喪失と再生の連鎖といったものを象徴しています。

魅力的なキャラクター描写にイメージが膨らむ

100分の群像劇で主たるキャラクターが10人の場合、一人あたりの平均出演時間は10分になります。人物像を描ききるのに10分は短すぎますが、逆に全体を隠し、人物像の一部分だけ描くことにより、キャラクターをより魅力的に見せることができます。本作では、メインキャラクター級の

のみならず、登場する他のキャラクターもその一側面が印象的に描かれており、各々を主役した作品を観てみたくなるなど、全体像へのイメージが膨らみます。

  • 臓器移植コーディネーターのトマ(タハール・ラヒム)
    アルジェリア出身の演技派俳優タハール・ラヒムは、「預言者」(2009年)で様々な民族や宗教が対立する刑務所に放り込まれた無学で孤独なアラブ系フランス人青年が過酷な世界で這い上がっていく様を、「ある過去の行方」(2013年)で鬱病で自殺未遂、植物状態になった妻を自宅に置き、夫と別居中の人妻と同棲する悩ましいクリーニング店主を演じていますが、本作では一転、ゴシキヒワをこよなく愛し飼うことを夢見る、純朴な臓器移植コーディネーター演じています。ゴシキヒワへの愛を語るシーンが彼の人柄を強烈に印象づけ、思わず彼が扱う様々な臓器移植のケースをシリーズで観てみたくなります。
  • シモンの担当医ピエール(ブーリ・ランネール)と元妻のエルサ(ダニエル・アービッド)
    シモンに脳死判定を下す医師ピエールをブーリ・ランネール、その元妻をレバノン出身の映画監督、脚本家のダニエル・アービッドが演じています。離婚した妻から預かった愛する娘と共に週末の夜を過ごしたのでしょうか、ピエールは朝、車で出勤する途中にまだ眠っている娘を元妻が住む家に送り届けます。娘を受け取って微笑み返すそっけない元妻と、その背中をじっと見つめるピエールの表情が印象的です。ほんの一瞬ですが、このふたりの微妙なやり取りが素晴らしく、二人がどのように知り合い、結婚し、どのような経緯で離婚したのか、二人の物語を観てみたくなります。
  • シモンの担当看護師ジャンヌ(モニア・ショクリ)
    カナダの出身の女優、映画監督のモニア・ショクリが演じるシモンの担当看護師ジャンヌは、12時間連続の集中治療室勤務で疲労困憊する中、家族の前で脳死状態のシモンに話しかけて上司に怒られたり、エレベータの中で朦朧として性愛シーンを夢想したりします。首筋にキスマークがついていると同僚に指摘されたり、恋人に愛しているとメッセージを送ったりしますが、恋人が姿を見せることはありません。どんな恋人がいて、どんなラブストーリーがあるのか、観てみたくなります。
  • シモン(ギャバン・ヴァルデ)と恋人のジュリエット(ガラテア・ベルージ)
    ジュリエットが出てくるのはシモンとの出会いと別れのシーンだけで、その間の二人で過ごした時間がすこっと抜けています。ガラテア・ベルージはフランスの新進女優、サーファーのギャバン・ヴァルデは本作が映画初出演ですが、シモンとジュリエットが出会いと別れの間にどんな時間を過ごしたのか、このフレッシュな二人が演じるのを観てみたくなります。

 

タハール・ラヒム(トマ、臓器移植コーディネーター)

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タハール・ラヒム (1981年〜 ) は、アルジェリア系のフランスの俳優。学生時代に友人が監督するドキュメンタリー・ドラマで映画デビュー。その後、ジャック・オディアール監督と知り合い、厳しいオーディションを経て、「預言者」(2009年)の主役を得、第35回セザール賞主演男優賞と有望若手男優賞を受賞する。その後も「ある過去の行方」(2013年)などに出演、順調にキャリアを重ねている。

 

エマニュエル・セニエ(左、マリアンヌ、シモンの母)
クール・シェン(右、ヴァンサン、マリアンヌの元夫、シモンの父)

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エマニュエル・セニエ(1966年〜)は、パリ出身のフランスの女優。14歳からモデルとして活躍、国際的なモデルとなるが、1984年に映画女優に転向、その後、歌手としても活動する。「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年)、「危険なプロット」(2012年)、「毛皮のヴィーナス」(2013年)、「永遠の門 ゴッホの見た未来」(2018年)などに出演している。夫である映画監督のロマン・ポランスキーとの間に二人の子供がいる。

クール・シェン(1966年〜)は、フランスのラッパー、プロデューサー、ブレイクダンサー、グラフィティ・アーティスト、俳優、ポーカー・プレイヤー。「忍び寄る罠」(2013年)などに出演している。

 

アンヌ・ドルヴァル(クレール、重度の心臓病、移植待機中)

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アンヌ・ドルヴァル(1960年〜)は、ケベック州出身のフランス系のカナダの女優。グザヴィエ・ドラン監督作品の常連で、「マイ・マザー」(2009年)、「胸騒ぎの恋人」(2010年)、「わたしはロランス」(2013)、「Mommy/マミー」(2014年)などに出演、「Mommy/マミー」(2014年)では主演を務めている。

 

ギャバン・ヴァルデ(シモン、交通事故で脳死状態になる)

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フランスのサーファー、俳優。本作が俳優デビュー作。

 

ドミニク・ブラン(リュシ、クレールの主治医)

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ドミニク・ブラン(1959年〜)は、リヨン出身のフランスの女優。「主婦マリーがしたこと」(1988年)、「五月のミル」(1990年)、「王妃マルゴ」(1994年)などに出演している。「Après la vie」(2003年、ルーカス・ベルボー三部作第三話)、「Les Amitiés maléfiques」(2006年)などに出演している。

 

ブーリ・ランネール(ピエール、シモンが運び込まれた病院の医師)

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ブーリ・ランネール(1965〜)は、ベルギーの俳優、作家、映画監督。「ポーリーヌ」(2001年)、「君と歩く世界」(2012年)、「アヴリルと奇妙な世界」(2015年)、「RAW~少女のめざめ~」(2016年)などに出演している。

 

モニア・ショクリ(左、ジャンヌ、シモンが運び込まれた病院の看護師)
イリナ・ムルール(右、ジゼル、シモンが運び込まれた病院の看護師)

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モニア・ショクリ(1983年)は、ケベック出身のカナダの女優、映画監督。演劇学校で学んだ後、舞台に出演、映画にも出演するようになる。グザヴィエ・ドラン監督作品の常連女優で、「胸騒ぎの恋人」(2010年)、「わたしはロランス」(2013)に出演している。

イリナ・ムルール(1989年〜)はコンゴ共和国出身のフランスの女優。テレビドラマ・シリーズで知られており、映画は本作が初出演。

 

アリス・タグリオーニ(アンヌ・ゲランド、ピアニスト、クレールのかつての恋人)

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アリス・タグリオーニ(1976年〜)は、フランスの女優。「La dernière folie de Claire Darling」などに出演している。「グランデコール」で共演したジョスラン・キヴランとの間に一子を設けたが、誕生六ヶ月後にジョスランを交通事故で失っている。

 

ガラテア・ベルージ(ジュリエット、シモンのガールフレンド)

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ガラテア・ベルージ(1997年〜)は、パリ出身のフランス女優。父はイタリアの俳優で、姉は、大ヒットしたフランス映画「最強のふたり」(2011年)でフィリップの娘エリザ役を務めた、アルバ・ベルージ。

 

ダニエル・アービッド(右、エルサ、ピエールの元妻)

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ダニエル・アービッド(1970年〜)は、レバノン出身の映画監督。「わたしはパリジェンヌ」(2016年)等の脚本・監督を務めている。

サウンドトラック(挿入歌)

  • "Paint me colors" by Girlpool iTuneで聴く*3 Amazon MP3で聴く*4
  • "Lonely Teardrops" by Ken Boothe 
  • "Hammers" by Nils Frahm iTuneで聴く*5
  • "Don't piss me off" by Professor Green et Orelsan
  • "Hit me One Time" by Cut La Vis, feat. Mystro iTuneで聴く*6
  • "Five Years" by David Bowie(générique de fin)  iTuneで聴く*7 Amazon MP3で聴く*8

動画クリップ(YouTube

撮影地(グーグルマップ)

 

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関連作品

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