夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

オランダ映画

「ダンケルク」:史実に基づく大撤退の中、無名の兵士達が直面する現実を陸海空の三つの視点から緊張感たっぷりに描いた、稀有な戦争映画

「ダンケルク」 (原題:Dunkirk) は、2017年公開のイギリス・オランダ・フランス・アメリカ合作の戦争映画です。第二次世界大戦のダンケルク大撤退の史実に基づき、クリストファー・ノーラン監督・脚本、トム・ハーディ、マーク・ライランスら出演で、1940年…

「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」:80年代のインディーズ・ブームの原動力となったフランズ・アフマンの軌跡を追うドキュメンタリー

「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」は、2014年公開のオランダのドキュメンタリー映画です。新興の映画会社向けに新たな資金調達システムを編み出し、900本もの作品の製作をサポートしたオランダの銀行家フランズ・アフマンの娘、ローゼマイン・アフマンの監…

「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」:貴族の邸宅と居並ぶ名車、アクション、ロマンスを交え、尊厳死を洒脱に描くコメディ

「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」(原題:De surprise、英題:The Surprise)は、2015年公開のオランダのロマンティック・コメディ映画です。マイク・ファン・ディム監督・脚本、イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ、ジョルジナ・フェル…

「ロブスター」:極端な設定と強烈な演出で不可思議かつスリリングに展開、社会と男女関係の心理を問う野心作

「ロブスター」(原題:The Lobster)は、2015年公開のギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリス合作のSF恋愛映画です。ヨルゴス・ランティモス監督、ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ共同脚本、コリン・ファレル、レイチェル・…

「ザ・トライブ」:窃盗や売春を組織的に行う聾唖のコミュニティに巻き込まれた若者の葛藤を、全編、声・字幕なしでスリリングに描く

「ザ・トライブ」(原題:Plemya、英題:The Tirbe)は、2014年公開のウクライナ・オランダ合作のドラマ映画です。長編映画初監督とミロスラヴ・スラボシュピツキーが、主演のグレゴリー・フェセンコを含む全ての出演者にプロの俳優ではない聾唖者を起用、聾…