「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」:伝説のソプラノ歌手を明確に解釈、厳しい状況の人々への暖かな眼差しを感じるコメディ&ドラマ
「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」(原題:Florence Foster Jenkins)は、2016年公開のイギリス・フランス合作の音楽コメディ&伝記映画です。伝説のソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンスの実話に基づき、スティーヴン・フリアーズ監督、メリル・ストリープ、ヒュー・グラントら出演で、歌唱力に致命的な欠陥がありながらもソプラノ歌手になる夢を追う女性と、そんな彼女を盛り立て、音楽の殿堂カーネギーホールでのリサイタルを成功させようとする夫の愛を、笑いと涙とともに描いています。第89回アカデミー賞で、主演女優賞(メリル・ストリープ)、衣装デザイン賞にノミネートされた作品です。
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目次
スタッフ・キャスト
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:ニコラス・マーティン
出演:メリル・ストリープ(フローレンス・フォスター・ジェンキンス)
ヒュー・グラント(シンクレア・ベイフィールド)
サイモン・ヘルバーク(コズメ・マクムーン)
レベッカ・ファーガソン(キャサリン)
ニナ・アリアンダ(アグネス・スターク)
デイヴィッド・ヘイグ(カルロ・エドワード)
ほか
あらすじ
- ニューヨークの資産家で社交家のマダム・フローレンス(メリル・ストリープ)は、オペラを愛する人々の為にヴェルディ・クラブを創設します。イギリスのシェイクスピア俳優、セント・クレア・ベイフィールド(ヒュー・グラント)は、フローレンスのマネージャーで夫ですが別居しています。フローレンスは街の高級アパートに住み、ベイフィールドは未亡人のキャスリーン・ウィザリー(レベッカ・ファーガソン)と暮らしています。フローレンスは最初の夫からうつされた梅毒を患っており、水銀やヒ素の治療薬の副作用など健康上の問題を抱えています。病気をベイフィールドにうつすという懸念から、フローレンスは性交渉を控え、ベイフィールドはキャスリーンを相手に性的欲望を満たしています。
- 歌のレッスンを再開したフローレンスは、コズメ・マクムーン(サイモン・ヘルバーク)を伴奏者として雇い、メトロポリタン歌劇場副指揮者のカルロ・エドワード(デイヴィッド・ヘイグ)に紹介します。マクムーンは、フローレンスの歌唱力に欠陥に驚きますが、ベイフィールドとエドワードはあたかも彼女が素晴らしい歌手であるかのように振る舞います。ベイフィールドは、決してフローレンスを批判しないようにとマクムーンに忠告します。
- ベイフィールドはマスコミを買収、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを手配、限られた人だけにチケットを売ります。リサイタルでは、ヴェルディ・クラブの忠実なメンバーは敬意を持って聞きますが、他の人々は笑いをこらえています。リサイタルのレビューに気を良くしたフローレンスは、ヴェルディ・クラブへのクリスマスプレゼントにと、歌をレコーディングします。マクムーンにレコードを一枚プレンゼントしたフローレンスは、ベイフィールドは必ずしも成功した役者ではなく、彼が感情を害さないよう批判的なレビューを隠しているとマクムーンに打ち明けます。さらに彼女は、子供の頃に大統領の前でピアノを演奏したことがあり、ピアノ教師でもあったことをマクムーンに教えます。フローレンスに音楽の才能がないわけではないと知ったマクムーンは、友情を深めます。
- フローレンスとマクムーンはオリジナル曲を作曲、演奏します。その一曲がラジオで放送され、ベイフィールドとキャスリーンは驚き、コメディと勘違いした多くのリスナーはそれを楽しみます。人気を得たフローレンスは、音楽の殿堂「カーネギーホール」を一晩予約し、兵士達に千枚のチケットをプレゼントするとベイフィールドに伝えます。彼女を思いとどまらせようとする説得は失敗し、本番が迫りくるストレスから、ベイフィールドはバーでフローレンスとマクムーンの曲を馬鹿にした男たちと喧嘩します。自分を顧みてもらえない寂しさに耐えられなくなったキャスリーンはベイフィールドの元を去り、マクムーンはリサイタルで笑いものにされて彼のキャリアが終わってしまうのが恐いとベイフィールドに打ち明けます・・・。
レビュー・解説
伝説のソプラノ歌手、フローレンス・フォスター・ジェンキンスに関して明確な解釈を示し、厳しい状況にある人間に向けたスティーヴン・フリアーズ監督の暖かな眼差しが感じられる伝記コメディ&ドラマ映画です。
映画とは言え、音程がはずれ、テンポのズレた歌を聞かされるのは大変かなと思ったのですが、実際に観てみるとそうでもありません。それどころか、メリル・ストリープ扮するフローレンスの歌が魅力的に思えてくるから不思議です。若い頃、オペラの訓練を受け、「マンマ・ミーア!」(2008年)や「イントゥ・ザ・ウッズ」(2014年)で歌唱力にも定評のあるストリープは、本作を演じるにあたりオペラのコーチのもとで2カ月にわたり正しく歌う特訓に励み、最後の2週間で音程を外す練習をしたと言います。ピアノの伴奏も、コズメ役のサイモン・ヘルバーク自身が演奏しています。歌うシーンのある映画では、最初に歌をレコーディング、撮影現場では口パクするのが一般的です。ストリープとヘルバークは本作でもそのつもりで、ロンドンのスタジオで全曲レコーディングしました。しかし、撮影が始まるや否や、フリアーズ監督が「生でやるべきだと思うよ!」と言い出し、結局、生演奏で収録しています。ストリープは即興でわざとミスしますが、ヘルバークはすぐさま反応しストリープの全てミスに即興でタイミングを合わせています。実は、ヘルバークは一時期ジャズピアニストを目指したこともあるほどの腕前で、コミカルな演技ともに彼のピアノ演奏は本作の見所のひとつです。
この映画を観た後、実際にフローレンス・フォスター・ジェンキンスが実際に録音したものを聞いてみたのですが、ストリープがその特長を良く捉えていることだけではなく、オリジナルの録音自体が魅力的であることがわかります。
私が会った音楽の学生は皆、このレコードをよく知っているわ。でも、それは通して聴くに耐えないひどい歌だからだけじゃない。ドキッとするのよ。彼女の呼吸がドキッとするくらい素晴らしくて、可笑しいの。レコードを聞けばすぐに分かるわ。彼女は息継ぎをするのがちょっと遅すぎるけれど、大きく息を吸い込んでいる。音楽への願望、音楽への愛がぐっと詰まっているのよ。
私は子どもたちを連想したわ。子どもたちはよく家で家族の為にショーを演じたけど、本当に真剣で気持ちがこもっていた。なりきることが好きで好きで仕方なくって、喜びに満ち溢れていたのよ。私たちは誰しも子どもの頃にはそういう気持ちを持っているけど、大人になると忘れてしまう。でも、フローレンスは偉大な歌手になれるという夢を捨てずに持ち続けていたの。(メリル・ストリープ)
詳細は年表*3を参照して頂くとして、音楽家になることに父が反対、駆け落ちして結婚した最初の夫から梅毒をうつされるなど、フローレンスの人生には試練がありました。父親の死後、遺産を相続して彼女の人生は好転しますが、単に金を持っているだけの病気持ちの老女と見ることもできます。また、ベイフィールドも金目当てでフローレンスに近づいたのではないかと見ることができます。しかし、ストリープは「世界の美しくて素晴らしい部分だけを見ることができる人」とフローレンスを評します。
撮影前にプロデューサーが私たちを家での夕食に招いてくれて、30年にわたってシンクレアとフローレンスが互いに書いたラブレターを見せてくれたの。シンクレアの行動は愛だったのか、それともお金が目的だったのか、疑問が持たれているのは知っていたけれど、それはこの手紙をみんな知らないからよ。そこには真の愛情があったわ。ヒューが言うには、愛というのは私利だって。それは否定できない。でも彼らの互いについての幻想は「愛」といえるんじゃないかしら。最高の部分だけを見て、残りは無視するの。(メリル・ストリープ)
お金があったから「世界の美しくて素晴らしい部分だけを見ること」ができたのかもしれませんが、人それぞれ、運もあれば性格もあります。フローレンスと同じく素晴らしい音楽の才能を持ちながらもホームレスになった実在の女性を描いた、「ミス・シェパードをお手本に」(2015年)と対比してみると興味深いです。
映画 | 「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」 | 「ミス・シェパードをお手本に」 |
人物 | フローレンス・フォスター・ジェンキンス | ミス・メアリー・シェパード (マーガレット・フェアチャイルド) |
才能 | 8歳でピアノコンサートを開く 音楽の天才としてホワイトハウスに招待 |
将来を嘱望されたコンサートピアニスト 巨匠アルフレッド・コルトーに師事 |
試練 | 音楽家になる事に父が反対、支援を止める 駆け落ちするも夫に梅毒をうつされる 腕に負傷、ピアニストとして成功が困難に 離婚するも貧困に陥り未返済で訴えられる |
師匠がナチス協力者としてバッシングされる 最愛の母を失い、ショックで放浪の旅へ 修道女を志すがピアノを禁じられ精神的に破綻 死亡事故に巻き込まれ、警察から逃亡 |
選択 | 音楽家を諦めることを条件に親元に帰る 父の死後、遺産を相続、社交界デビュー レッスンを受け、ソプラノ歌手デビュー 享年76歳 |
過去を封印し、ホームレスとして暮らす 享年78歳 |
二人とも厳しい試練に直面しますが、どちらの生き方がいいとか、悪いとかということではなく、二人の生き方がそれぞれ特徴的であることがわかります。ミス・シェパードにはさすらい人の高潔さがあったと言われますが、この映画は病気でボロボロになっても、歌唱力の欠陥をものともせず音楽を楽しむフローレンスの楽天性を描いています。
今回、私自身について学んだのは、何が間違っているのかという視点で私はものを見てしまいがちだということ。いつもどこに間違いがあるかを探してしまうの。それが私の弱いところ。間違いを無視して世界の美しくて素晴らしい部分だけを見る人々に、私は感服する。フローレンスに惹かれる理由の一つは、彼女の楽天的で嫌なものはわざと無視するところに私の母を思い出すから。そんな人たちは人生を通してとても幸せでいられる。逆に私みたいな人は、何が間違っているのかに集中するあまり自分をみじめにしてしまうのよ。(メリル・ストリープ)
メリル・ストリープ(フローレンス・フォスター・ジェンキンス)
メリル・ストリープ(1949年〜)は、ニュージャージー出身のアメリカの女優。イェール大学演劇大学院に学び、舞台俳優としてキャリアをスタートする。1976年にブロードウェイ・デビュー、トニー賞にノミネートされる。「ジュリア」(1977年)で映画デビュー、「ディア・ハンター」(1978年)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。「クレイマー、クレイマー」(1979年)で同助演女優賞、「ソフィーの選択」(1982年)で同主演女優賞、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(2011年)で同主演女優賞を受賞している。2017年現在、アカデミー賞に20回ノミネートされており、これは俳優としては最多記録。ヒュー・グラントの相手役を務めるのは年上すぎると思っていたが、彼が年を取ったので本作で初共演できたと喜んでいる。
ヒュー・グラント(シンクレア・ベイフィールド)
ヒュー・グラント(1960年〜)は、ロンドン出身のイギリスの俳優。オックスフォード大学で英文学を専攻、在学中に俳優としてのキャリアをスタートする。映画「モーリス」(1987年)がヒットし、世界的に知られるようになる。「フォー・ウェディング」(1994年)、「ノッティングヒルの恋人」(1999年)、「ブリジット・ジョーンズの日記」(2002年)と、コンスタントにヒットを飛ばし、「ロマンティック・コメディの帝王」と呼ばれ、愛すべきダメ男俳優のひとりとして親しまれた。パニック障害を患ったりで半ば休業状態だったが、メリル・ストリープと共演できると聞いて本作に出演した。
サイモン・ヘルバーク(コズメ・マクムーン)
サイモン・ヘルバーク(1980年〜)は、ロスアンジェルス出身のアメリカの俳優、コメディアン、ミュージシャン。10歳からピアノを弾き始め、一時期ジャズピアニストを目指したほどの腕前で、本作でもコミカルな演技とともに、素晴らしいピアノ演奏を披露している。
レベッカ・ファーガソン(キャサリン)
レベッカ・ファーガソン(1983年〜 )は、ストックホルム出身のスウェーデンの女優。やや遅咲きの観はあるが、2013年、テレビドラマでゴールデングローブ主演女優賞にノミネートされている。「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015年)に出演、次作への出演も期待されている。
サウンドトラック
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1. マダム・フローレンス 2. あなたのため以外には、もう歌わない 3. 華麗なるニューヨーク社交界 4. 買収工作 5. 喜歌劇≪こうもり≫より 「侯爵様、貴方のようなお方は」 6. 夢見るふたり 7. テイク・イット・イージー 8. 歌劇≪ラクメ≫より 「鐘の歌」 9. 歌劇≪ラクメ≫より 「鐘の歌」 10. コズメ・マクムーン 11. 歌ってよ、マダム・フローレンス! 12. 前奏曲 第4番 Op.28-4 13. チャーリーズ・プレリュード(前奏曲 第4番) 14. ベッドタイム |
15. マエストロ・トスカニーニ 16. 歌劇≪魔笛≫より 「夜の女王のアリア」 17. ラジオからきこえてきた歌声 18. キャサリンのもとへ 19. シンクレアのブルース 20. NYポスト 21. いざ、音楽の殿堂カーネギーホールへ 22. 手荒い聴衆たち 23. ついに知ってしまった真実 24. 鳥のように 25. 記事を目にする運命 26. 愛する音楽のために 27. 子守歌 Op.49-4 28. 甘美なワルツ |
撮影地(グーグルマップ)
設定はニューヨークだが、撮影はロンドン、リバプール、グラスゴー等で行われている。
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関連作品
フローレンス・フォスター・ジェンキンスのレコーディング(Amazon)
The Glory (????) Of The Human Voice (Sony Classical Originals)輸入版CD
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「Florence Foster Jenkins: A World of Her Own」(2007年)Region Free 日本語なし
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ダリル・W. ブロック著「フローレンス・フォスター・ジェンキンス 騒音の歌姫」
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「堕天使のパスポート」(2002年)
「あなたを抱きしめる日まで」(2013年)
「ディア・ハンター」(1978年)
「クレイマー、クレイマー」(1979年)
「ソフィーの選択」(1982年)
「マディソン郡の橋」(1994年)
「めぐりあう時間たち」(2002年)
「アダプテーション」(2002年)
「クライシス・オブ・アメリカ」(2004年)
「今宵、フィッツジェラルド劇場で」(2006年)
「プラダを着た悪魔」(2006年)
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙}(2011年)
「フォー・ウェディング」(1994年)
「いつか晴れた日に」(1995年)
「ノッティングヒルの恋人」(1999年)
「ブリジット・ジョーンズの日記」(2002年)
「アバウト・ア・ボーイ」(2002年)
レベッカ・ファーガソン出演作品のDVD(Amazon)
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015年)
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フローレンス・フォスター・ジェンキンスの略歴
西暦 | 年齢 | 主な出来事 |
1868年 | 0歳 | ペンシルヴェニアで裕福な家庭に生まれる (父チャールズ・フォスターは、弁護士で銀行取締役もつとめる州議会議員) |
1876年 | 8歳 | ピアニストとして初のコンサートを開く 音楽の天才児とみなされ、ホワイトハウスに呼ばれなど注目を集める |
1885年 | 17歳 | 音楽家を目指すが父の猛反対にあう 年上医師のフランク・ジェンキンスと駆け落ちし、結婚 (父からの援助を絶たれる) 夫に梅毒をうつされる(当時は死に至る病気で、治療の副作用もひどかった) |
1902年 | 34歳 | フランク・ジェンキンスと離婚 音楽教師やピアノ奏者として生計を立てる 腕に負った傷の為、ピアニストとしての成功は難しかった |
1907年 | 39歳 | 貧困状態で負債未払いで訴えられる 父に探し出され、音楽家になることを諦めることを条件に親元へと帰ることに |
1909年 | 41歳 | シンクレア・ベイフィールドと出会い、数ヶ月で事実婚に至る 父チャールズ・フォスター死去 莫大な遺産を相続母と共にNYへ渡り、別々の高級ホテルに住み、社交界に参入 |
1912年 | 43歳 | 歌のレッスンを受け、初めて公の場で歌手としてデビュー |
1917年 | 48歳 | ヴェルディ・クラブを創設 元夫フランク・ジェンキンス死去 |
1922年 | 53歳 | ヴェルディ・クラブの音楽会や海軍のためのガラ・ナイトで歌う *この頃から数多くのリサイタルなどに参加。舞台で歌う。 |
1930年 | 61歳 | コズメ・マクムーンを伴奏者として雇う ホテルのスイートルームで毎週音楽の夕べを始める 母メアリー・フォスター死去、さらに莫大な遺産を相続する |
1938年 | 69歳 | NYのラジオ局で毎週日曜午後リサイタル番組を開始(5ヶ月続く) |
1944年 | 76歳 | 10月25日 76歳にして、カーネギーホールの舞台に立つ *チケットは2時間で完売。観客の中には、作詞・作曲家のコール・ポーターや ソプラノ歌手リリー・ポンス、ジプシー・ローズ・リー、作曲家のジャン= カルロ=メノッティ、女優タルラ・バンクヘッドらがいたと言われている 10月30日 音楽店来店中に心臓発作を起こす 11月26日 NYホテル・シーモアで死去 |
「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」公式サイトより
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