夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「パターソン」:美しく詩的な映像で綴る、繰り返す日常のリズム感とバリエーションが心地良い、市井の詩人と芸術家に捧げるオマージュ

「パターソン」(原題:Paterson)は、2016年公開のアメリカの映画です。ジム・ジャームッシュ監督・脚本、アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニら出演で、ニュージャージー州のパターソンを舞台に、街と同じ名前を持ち、日常生活からインスピレーションを得て詩を書くバス運転手パターソンの何気ない一週間を、様々な人々との交流を交えながら描いています。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:アダム・ドライバー(パターソン、バス運転手)
   ゴルシフテ・ファラハニ(ローラ、パターソンの妻)
   ネリー(マーヴィン、イングリッシュ・ブルドッグ、二人の愛犬)
   バリー・シャバカ・ヘンリー(ドク、バーのオーナー)
   ジョニー・メイ(ドクの恋人)
   トレヴァー・パラム(サム、バーの友人)
   トロイ・T・パラム(デイヴ、サムの兄弟)
   リズワン・マンジ(ドニー、バス車庫長)
   ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(エヴェレット、恋に悩む男)
   チャステン・ハーモン(マリー、エヴェレットが恋する女)
   クリフ・スミス(メソッド・マン、コインランドリーのラッパー)
   スターリング・ジェリンズ(詩を書く少女)
   ドミニク・リリアーノ、ジェイデン・マイケル(バス車中の子供たち)
   ブライアン・マッカーシー:ジミー(バス車中の二人組の一人、モテ話をする)
   フランク・ハーツ:ルイス(バス車中の二人組の一人、ジミーの友人)
   ルイス・ダ・シルヴァ・ジュニア(ブラッド、オープンカーの若者)
   カーラ・ヘイワード(アナーキストの学生、ガエタノ・ブレーシについて話す)
   ジャレッド・ギルマン(アナーキストの学生)
   永瀬正敏(日本からやって来た詩人)
   ほか

あらすじ

ニュージャージー州パターソン。街と同じ名前を持つバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)の一日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)へのキスとともに始まります。いつものように仕事に向かい、決まったルートを走り、フロントガラス越しに通りを眺め、乗客の会話に耳を澄ますパターソンは、乗務の合間に心に浮かぶ詩をノートに書きとめています。一方、ユニークな感性の持ち主である妻のローラは、料理やインテリアに日々、趣向を凝らしています。パターソンは帰宅後、妻と夕食をとり、愛犬マーヴィンと夜の散歩に出かけ、いつものバーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅、そしてローラの隣で眠りにつきます。一見変わり映えのしない日々を過ごしているようですが、パターソンにとっては美しさと愛しさに溢れた、かけがえのない日々です。そんなパターソンの、ユニークな人々との交流と思いがけない出会いを、7日間の物語として描いています。

レビュー・解説

小さな事柄を美しく詩的な映像で綴り、繰り返す日常のリズム感とバリエーションが心地良い、ジム・ジャームッシュ監督が触発され、大きく影響を受けた、大好きな詩人たちと、市井の芸術家たちに捧げるオマージュです。

パーソニズムに触発されたジャームッシュ監督

ジム・ジャームッシュ監督は、十代の頃から詩が好きで、詩作を学んだこともあります。20〜25年ほど前に、彼はウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩「パターソン」を読み、パターソンを訪れました。ウィリアムズの詩「パターソン」は本一冊の長い詩で、ジャームッシュ監督には抽象的すぎて共感できない部分もあったと言いますが、冒頭で男と街がパターソンという同じ名前で、男が街の暗喩になり、街が男の暗喩になるという、素晴らしいアイディアに触発されたと言います。名も知れぬ労働者階級の詩人について1ページのあらすじを書いたジャームッシュ監督は、それを机の引き出しの中に入れました。それをずっと覚えていた彼が、長い時を経て映画化したのが本作です。

 

ジャームッシュ監督は、パーソニズムの影響を強く受けています。詩人のフランク・オハラは「パーソニズム宣言」(1961年)で、パーソニズムについて次のように書いています。

世界に向かって詩を書いてはいけません。誰か他の一人の人に向けて書きなさい。愛する人に愛の言葉を書きなさい、或いは、知人に詩的な手紙を書きなさい。(フランク・オハラ)

​​ジャームッシュ監督が触発された「パターソン」の作者ウィリアム・カーロス・ウィリアムズは、詩作におけるパーソニズムの創始者、初めての体現者と言うべき存在です。本作に引用されている彼の詩、

This Is Just To Say

I have eaten
the plums
that were in
the icebox

and which
you were probably
saving
for breakfast

Forgive me
they were delicious
so sweet
and so cold
ひとこと言っておくね

食べちゃったんだ
冷蔵庫の中にあった
すももを

きっと
君が朝食に
とって置いたんだよね

ごめんね
美味しかったんだ
とても甘くて、冷たくて

は、パーソニズムの完璧な例と言えます。パーソニズムに強く影響されたジャームッシュ監督は、山のてっぺんから世界に向かって叫ぶのではなく、大切な人にちょっとした手紙をしたためるような気持で映画を制作します。

自分の思いを世界にぶつけるというのはひどく恥ずかしい。山のてっぺんから叫ぶというのは、心地良くないんだ。恐らくそれは、私が取るに足りない映画を作っているからだと思う。私の映画は明らかに大市場を狙ったものではない。もしそうなら、私は惨憺たる目にあっている。(ジム・ジャームッシュ監督)
http://time.com/4605637/jim-jarmusch-paterson-interview/

小さな事柄を描いた、贔屓の詩人たちに捧げるオマージュ

ジャームッシュ監督は、静かで、小さな事柄を描く映画が好きです。本作も主人公たちの一週間を淡々と追うだけの物語で、劇的な出来事はほとんどありません。日々のディテールやバリエーション、人々とのやりとりといったものに内在する詩を賛美し、それがただ過ぎ去って行くのを眺めるかのような映画です。それはあたかも、パターソンが運転するバスの車窓から見える小さな街の風景のようなものでもあります。本作でパターソンが書く詩は、ジャームッシュ監督が大好きな詩人ロン・パジェットが書いたものです。彼も大きなことよりも、些細なことについて書くことを好む詩人で、彼の作品は本作に馴染みます。パジェットの書いた詩の中からパターソンが書きそうなものをジャームッシュ監督が選んで、「これを使わせてもらうか、あるいはこんなトーンの新しい詩を書いてもらうか、どちらが良いか」とパジェットに聞いたところ、「もちろん新しいのを書くよ」と、脚本を読んで新しい詩を書き下ろしてくれたと言います(オハイオ・ブルーチップ・マッチの詩など、一部、既発表の作品も使われている)。そういう意味では、本作はジャームッシュ監督を触発したウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、フランク・オハラに並んで、彼が大好きなロン・パジェットと言った詩人たちに捧げるオマージュとも言えます。

 

日常の小さな事柄を描いた、愛する詩人たちに捧げるオマージュ

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身近なマッチを題材にした、ロン・バジェットの「愛の詩」も引用される。詩の中に出てくるオハイオ・ブルーチップ・マッチは既に生産が完了している為、美術スタッフが復刻版を作って撮影に使用した。

Love Poem – by Ron Padgett

We have plenty of matches in our house.
We keep them on hand always.
Currently our favorite brand is Ohio Blue Tip,
though we used to prefer Diamond brand.
That was before we discovered Ohio Blue Tip matches.
They are excellently packaged, sturdy
little boxes with dark and light blue and white labels
with words lettered in the shape of a megaphone,
as if to say even louder to the world,
“Here is the most beautiful match in the world,
its one and a half inch soft pine stem capped
by a grainy dark purple head, so sober and furious
and stubbornly ready to burst into flame,
lighting, perhaps, the cigarette of the woman you love,
for the first time, and it was never really the same
after that. All this will we give you.”
That is what you gave me, I
became the cigarette and you the match, or I
the match and you the cigarette, blazing
with kisses that smolder toward heaven.
愛の詩 ロン・パジェット

我が家にはたくさんのマッチがある
常に手元に置いている
今のお気に入りはオハイオ・ブルーチップ 
昔はダイアモンド印だった
オハイオ・ブルーチップを見つける前だ
素晴らしいパッケージで、頑丈な
小さな箱は、濃淡の青に白いラベル
言葉がメガホン型に書かれている
まるで世界に向かって叫んでいるようだ
「これが世界で一番美しいマッチだ
1.5インチの柔らかな松材の軸に頭に
ざらざらした暗紫色の火薬、厳粛に激しく、
頑固に備え、勢いよく燃える
恐らく、初めて愛する女性の煙草に
火を点けたなら、何かが変わる
そんなすべてを与えよう」
君は私にくれた、私は
煙草になり、君はマッチになった、或いは
私がマッチで、君は煙草、キスで
燃え上がり、天国に向かってくすぶる
繰り返す日常のリズム感とバリエーションが心地良い

ワンシーン、ワンシーンが詩的で美しいのは言うまでもありませんが、ジャームッシュ監督が「詩の形をした映画」と言う本作の最大の特徴は、繰り返す日常のリズム感とバリエーションの心地良さです。月曜日から金曜日まで、

  • パターソンのローラの朝のベッドでの寝姿
  • パターソンが時計で確かめる起床時刻
  • バスの車庫長との会話
  • バスの乗客の会話
  • 帰宅時の郵便受けのチェック
  • 毎日、異なることにチャレンジする妻
  • 愛犬マーヴィンを連れての毎晩の散歩
  • 散歩の途中に立ち寄るバーのオーナーとの会話
  • ・・・

といったことが繰り返されます。それぞれは少しずつ変化し、繰り返しに気づいた観客は、次のどのような変化が現れるのか楽しみになります。こうしたウィークデーの繰り返しを受けて、週末ににちょっとした出来事があり、翌週の月曜日に再び一週間が始まるという構成になっています。

 

繰り返す日常のリズム感とバリエーションが心地良い

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毎朝のベッドでの二人の寝姿のバリエーション。週末にかけてのちょっとしたゆらぎが二人の寝姿に反映されている。

 

また、

  • 通勤途上に見かける双子の老人
  • バーで出会う双子の青年
  • バスに乗る双子の少女
  • バスに乗る双子の女性
  • 詩を書く少女(双子のひとり)

と5組の双子が登場し、本作のアクセントになっています。 

 

随所に登場する双子がアクセント

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双子は当初の脚本にはなく、たまたまエキストラに双子を見かけたのがきっかけで、ローラが双子の子供をもつ夢を見、その後、5組の双子が登場するように脚本が書き換えられた。双子そのものに重要な意味はないが、反復するアクセントとして詩的な効果を生んでいる。

絶妙なキャスティング

主演を想定して脚本をアテ書きすることが多いジャームッシュ監督ですが、珍しいことに本作の主演はアテ書きではありません。ジャームッシュ監督はアダム・ドライバーのインタビューを見て彼のオープンさと誠実さが気に入りました。アダム・ドライバーは軍で勤務した経験がある一方でジュリアード音楽院で学んだ経験もあり、バスを運転をする労働者でありながら繊細な詩人というパターソン役にぴったりでした。アダム・ドライバーと話をしたジャームッシュ監督は、彼は大人しいがユーモアのセンスがあり、観察力に優れ、分析よりも直感で行動し、場への対応力があるのを見て取ります。ある意味、パターソンはジャームッシュ監督の分身ですが、自身のスタイルやビジョンとの共通点をアダム・ドライバーに見出したジャームッシュ監督は、彼とのコラボを決めました。

 

アダム・ドライバー(パターソン、バス運転手)

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アダム・ドライバー(1983年〜)は、サンディエゴ出身のアメリカの俳優。TVドラマシリーズ「GIRLS/ガールズ」に主人公の恋人役で出演、2013年〜2015年にエミー賞にノミネートをされる。「リンカーン」(2012年)、「フランシス・ハ」(2012年)、、「奇跡の2000マイル」(2013年)、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(2013年)、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」(2014年)、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015年)、「沈黙 -サイレンス-」(2016年)、「ミッドナイト・スペシャル」(2016年)と高評価の映画に出演し続けている。観察力、対応力に優れ、役になりきって演じるが、自分が出演した映画を観ることはないと言う、分析よりも直感を重視する俳優。本作出演の為にバス・ドバイバーのライセンスを取得している。 

 

相手役のゴルシフテ・ファラハニは、ジャームッシュ監督のパートナーのサラ・ドライバーの提案によるものですが、ジャームッシュ監督の好きな女優でもありました。ペルシャ人だから起用したわけではありませんが、パターソンの妻がアメリカ人なのはありきたりすぎて面白くないと思っていた彼は、彼女に合わせて脚本を書き換え、家でかかっている音楽やインテリアに彼女の文化をちらりと反映しています。

 

ゴルシフテ・ファラハニ(ローラ、パターソンの妻)

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ゴルシフテ・ファラハ(1983年〜)はテヘラン出身のイランの女優、音楽家、歌手。「彼女が消えた浜辺」(2009年)、「The Patience Stone」(2012年、日本未公開)、「EDEN/エデン」(2014年)などに出演している。イランの俳優はイランの映画以外に出演してはならないという不文律を破り、「ワールド・オブ・ライズ」(2008年)でレオナルド・ディカプリオと共演した。この為に争議となり、「彼女が消えた浜辺」が最後のイラン映画出演とり、現在はパリに居住して活動している。なかなかの演技派女優。本作では初心者風にギター演奏と歌を披露しているが、役柄の多才さと彼女自身の多才さが見事にオーバー・ラップしている。

 

アダム・ドライバーの経歴に合わせてパターソンに軍務の経験があることもさり気なく脚本に織り込んでおり、二人が戦地で知り合った可能性を匂わせています。但し、本作は基本的に現在を描くもので、二人の過去に関する示唆はそれだけです。

 

軍にいた頃のパターソンとローラの両親の写真

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対照的なキャラクターとアール・ブリュット

パターソンは内省的で、積極的に新たな行動を起こすよりは、毎日の決まったルーティンを漂うのを好み、日々のディテールや微妙な変化、人々のやりとりの観察からといったものから詩を生み出します。一方、妻のローラは社交的で活発、毎日を忙しく過ごし、

  • デザイン
  • ペインティング
  • 創作料理
  • ギター演奏
  • カップケーキの製造販売

と、様々なことに次々と挑戦していきます。

 

様々なことに次々に挑戦するローラ

 

繊細で微妙であるが故にともすれば単調になりがちな本作に、実はローラの存在が強烈なコントラストを生み出し、お互いを際立たせています。また、自発的で個性的な創意は二人に共通するものですが、外交的で活発な彼女は、穏やかで内省的なパターソンに代わって、何かを創作せずにはいられないアール・ブリュット(因習に囚われない自発的で個性的な創意)の精神をわかりやすく体現しており、ローラが好む強烈なモノクロのパターン柄は二人の強い創作意欲の象徴と言えます。

 

ローラが好む強烈なモノクロのパターン柄は強い創作意欲の象徴

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ネリー(マーヴィン、イングリッシュ・ブルドッグ、二人の愛犬)

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最初の脚本ではジャックラッセルだったが、「背の高いアダム・ドライバーを引っ張るには、9kgのジャックラッセルより、18kgのブルドッグの方が面白い」という 犬のトレーナーの提案を受けて起用された。これが当たり役で、スタントも吠える声もすべてこなし、第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドッグ賞を受賞する大活躍。残念なことに撮影後にガンが発覚、亡くなってしまった。

 

バリー・シャバカ・ヘンリー(右、ドク、バーのオーナー)

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バリー・シャバカ・ヘンリー(1954年〜)は、ニューオーリンズ出身のアメリカの俳優。1988年に端役で映画デビュー、1991年あたりから本格的に活動し、キャリアを重ねる。「ターミナル」(2004年)で入国管理局の警備員を演じて注目を集め、その後も「コラテラル」(2004年)や「消されたヘッドライン」(2009年)などの話題作に出演、アフリカ系アメリカ人の脇役俳優として着実に地位を築き上げている。

 

リズワン・マンジ(ドニー、バス車庫長)

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リズワン・マンジ(1974年〜)は、トロント出身の俳優。両親は共にインド系。「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(2007年)、「ドン・ジョン」(2013年)、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)などに出演している。本作では口を開けば愚痴という役柄だが、なかなかいい味を出している。

 

ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(左、エヴェレット、恋に悩む男)

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ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(1980年)は、ダラス出身のアメリカの俳優。。2007年頃からテレビに出演、2010年に映画デビュー、2014年にブロードウェイ・デビュー。一時は俳優を辞めることも考えたが、2015年頃から役に恵まれるようになる。

 

クリフ・スミス(メソッド・マン、コインランドリーのラッパー)

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クリフ・スミス(1971年)は、メソッド・マンのステージ・ネームで知られる アメリカのラッパー、レコードプロデューサー、俳優。東海岸のヒップホップ集団ウータン・クランのメンバーとして知られる。同じくウータン・クランのメンバーであるRZAが「ゴースト・ドッグ」(1999年)に、RZAとGZAが「コーヒー&シガレッツ」(2003年)に出演するなど、ジム・ジャームッシュウータン・クランの関係は深い。

 

スターリング・ジェリンズ(詩を書く少女)

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スターリング・ジェリンズ(2004年〜)は、ニューヨーク出身のアメリカの子役俳優。「死霊館」(2013年)、「死霊館 エンフィールド事件」(2016年)などに出演している。作中、彼女が朗読する自作の詩は、ジャームッシュ監督が書いたもの。

Water Falls

Water falls from the bright air
It falls like hair
Falling across a young girl's shoulders
Water falls
Making pools in the asphalt
Dirty mirrors with clouds and buildings inside
It falls on the roof of my house
it falls on my mother, and on my hair
Most people call it rain
水が落ちる

明るい空から水が落ちる
髪の毛のように落ちる
少女の型にかかるように
水が落ちる
アスファルトに水たまりを作り
汚れた水が雲とビルを映し出す
私の家の屋根の上にも落ちる
私の母にも、私の髪の上にも
人はそれを雨と呼ぶ

 

カーラ・ヘイワードと(右)とジャレッド・ギルマン(左、アナーキストの学生たち)

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カーラ・ヘイワード(1998年〜)はマサチューセッツ州出身のアメリカの女優、ジャレッド・ギルマン(1998年〜)はニュージャージー出身の俳優。二人は「ムーンライズ・キングダム」(2012年)で主役を務め、駆け落ちする少年少女を演じて注目を浴びた。12歳で駆け落ちを図った少年少女が、大学生になってアナーキスト活動に身を投じているようでもあり、二人揃っての粋なキャスティングである。

 

永瀬正敏(左、日本からやって来た詩人)

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永瀬正敏(1966年)は、宮崎市出身の日本の俳優。ジム・ジャームッシュ監督の「ミステリー・トレイン」(1989年)や フリドリック・トール・フリドリクソン「コールド・フィーバー」(1995年)で欧米に知られる。パターソンで見た滝に日本を感じたジャームッシュ監督が、日本の詩人役で長瀬の出演を想定し、脚本をアテ書きした。

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