夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」:売れないフォークシンガーを描いた負けない人生への讃歌

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(原題:Inside Llewyn Davis)は、2013年公開のアメリカのコメディ・ドラマ映画です。コーエン兄弟が監督・脚本・共同プロデュースを手がけたこの作品は、ボブ・ディランが憧れたという1960年代グリニッジ・ヴィレッジの中心的フォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録にインスパイアされたもので、売れないフォーク・シンガーの不遇な1週間を通して、厳しい現実の中で夢を諦めかけながらも逞しく生きるミュージシャンの姿を描いています。劇中歌は撮影中に生で録音され、映画は第86回アカデミー賞の撮影賞と録音賞にノミネート、カンヌ映画祭では審査員特別グランプリを受賞しています。 

 

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目次

スタッフ・キャスト 

監督:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演:オスカー・アイザック(ルーウィン・デイヴィス)
   キャリー・マリガンジーン・バーキー )
   ジャスティン・ティンバーレイク(ジム・バーキー )
   ジョン・グッドマン(ローランド・ターナー
   ギャレット・ヘドランド(ジョニー・ファイヴ)
    F・マーリー・エイブラハム(バド・グロスマン)
   スターク・サンズ(トロイ・ネルソン
   ジニーン・セラレス(ジョイ)
   アダム・ドライバー(アル・コーディ)
   イーサン・フィリップス(ミッチ・ゴーフェイン)
   アレックス・カルボウスキー(マーティ・グリーン)
   マックス・カセラ(パピ・コーシカート)
   クリス・エルドリッジ(マイク・ティムリン)
   ベンジャミン・パイク(若年期のボブ・ディラン
   ほか

あらすじ

1961年のニューヨークではフォーク・ミュージックが流行、若者たちがコーヒーハウスと呼ばれたライブハウスでフォーク・シンガーの歌に耳を傾けていました。グリニッジ・ヴィレッジのライブハウスで歌うフォーク・シンガーのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は、何をやってもうまく行きません。歌のパートナーは自殺してしまい、ソロアルバム「Inside Llewyn Davis」は全く売れず、一文無しで友人や知り合いの家のカウチを泊まり歩く日々でした。ついつい手を出してしまった女友達からは妊娠したことを告げられ、おまけに仕方なく預かるはめになった猫にも振り回されます。大変な毎日に追いつめられるかのように、ルーウィンはギターと猫を抱えてシカゴへと旅に出ます・・・。

レビュー・解説 

この映画の主人公は、何をやってもうまくいかず、音楽を諦めて他の仕事に就こうとするのですが、それもうまくいかず音楽に逆戻り、最後にはぼこぼこにされてしまいます。何をやってもうまくいかない様がこの映画を面白くしているのですが、好転の兆しが見えないまま終わることを「暗い」と批判する向きもあります。確かに、同じく売れないミュージシャンを描いた名作「ONCE ダブリンの街角で」のように、事態の好転を匂わして終わる方がわかりやすいかもしれません。観ている方も、なんとなく幸せな気分になるし、これはこれで良いでしょう。

 

それではこの映画が暗いかというと、決してそうではなくて、先が見えないままボコボコにされても「負けないぞ!」という終わり方をしている点が注目されます。一時、他人事の幸せに浸るのも良いのですが、「単に成功を夢見るだけではなく、成功はそうは簡単にはやって来ないことを知っている、でも戦い続けている」ような人たちは、この「負けない」主人公の方にリアリティや親近感、そして励みを自分事として感じることができます。実際、人生、特に競争の局面では、勝つ戦いより、負けない戦いを強いられることが圧倒的に多いのです。

 

主演のオスカー・アイザックは、12歳のころからギターを弾き、作曲もしており、さらにはジュリア―ド音楽院出身。「ワールド・オブ・ライズ」、「チェ 28歳の革命」、「アレクサンドリア」、「ロビン・フッド」、「エンジェルウォーズ」、「ドライヴ」、「ボーン・レガシー」などの映画に出演しており、「ルーウィン・デイヴィスの演奏シーンは、アフレコではなくライブ撮影する」とこだわるコーエン兄弟の眼鏡にかなって、初の主役抜擢となりました。

 

華麗なるギャツビー」では麗しいセレブを演じたキャリー・マリガンは、チャンスを得る為にはちゃっかり寝てしまうようなフォークソング女子を演じています。普段着で長い髪をシンプルに後ろで束ねた姿に、最初はキャリー・マリガンと気がつきませんでした。ジャスティン・ティンバーレイクも、キリッとして頑固そうなミュージシャンを良く演じています。

 

監督がインスパイアされたデイヴ・ヴァン・ロンクのLP「Inside Dave Van Ronk.」のカバー写真に猫がフィーチャーされていますが、監督はこれに気がつかず、映画に猫をフィーチャーしたのは全くの偶然でした。この偶然は素晴らしいのですが、猫のトレーナー曰く「人を喜ばせたい犬と違い、自分を喜ばせたい猫の取り扱いは大変。」撮影では猫の扱いには大変苦労し、撮影を終える頃にはスタッフ全員が猫嫌いになっていたそうです。

 

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オスカー・アイザック(ルーウィン・デイヴィス)

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キャリー・マリガンジーン・バーキー )

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ジャスティン・ティンバーレイク(中央:ジム・バーキー )

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サウンドトラック

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1. ハング・ミー、オー・ハング・ミー
2. フェア・ジー・ウェル(ディンクス・ソング)
3. ザ・ラスト・シング・オン・マイ・マインド
4. ファイヴ・ハンドレッド・マイルズ
5. プリーズ・ミスター・ケネディ
6. グリーン、グリーン・ロッキー・ロード
7. クイーン・ジェーンの死
8. ザ・ロヴィング・ギャンブラー
9. ザ・ショールズ・オブ・ヘリング
10. ジ・オールド・トライアングル
11. ザ・ストームズ・アー・オン・ジ・オーシャン
12. フェア・ジー・ウェル(ディンクス・ソング)
13. フェアウェル
14. グリーン、グリーン・ロッキー・ロード

動画クリップ(YouTube) 

 

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関連作品 

売れないミュージシャンを描いた映画のDVD(Amazon

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コーエン兄弟監督作品

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