夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」:金、セックス、ドラッグ、人間の欲望への強烈な風刺

ウルフ・オブ・ウォールストリート」(原題:The Wolf of Wall Street)は、2013年公開のアメリカのピカレスク伝記・コメディ・ドラマ映画です。80年代から90年代のウォール街で“狼”と呼ばれた実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回顧録ウォール街狂乱日記」を原作に、20代で億万長者にのし上がり、30代で逮捕されるまでの破天荒すぎる栄光と転落の物語を、R指定(日本はR18+)で描いています。

  

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目次

スタッフ・キャスト 

監督:マーティン・スコセッシ
脚本:テレンス・ウィンター
原作:ジョーダン・ベルフォート
   「ウォール街狂乱日記 -「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」
出演:

   ほか

あらすじ

1980年代後半のウォール街。証券マンのジョーダン・ベルフォートは26歳で会社を設立、富裕層をカモにそのモラルなき巧みなセールストークで瞬く間に会社を社員700人の大企業へと成長させ、自らも年収49億円の億万長者となりました。ドラッグでキメまくり、セックスとパーティに明け暮れた彼のクレイジーな豪遊ライフは衆目を集め、いつしか「ウォール街の狼」と呼ばれて時代の寵児となりました。当然、捜査当局はそんな彼を放ってはおくわけもなく・・・。

レビュー・解説 

人間の欲望を強烈に風刺するカリカチュア(戯画)として、娯楽性の高いブラック・コメディに仕上がった3時間の超大作は、全編を通して見どころ満載で、長さを感じさせません。

 

監督のマーティン・スコセッシは、シチリア系イタリア移民の家に生まれ、マフィアの支配するイタリア移民社会で育ちました。その人格形成と作品には生い立ちが深く影響し、腐敗し矛盾した現実の中で倫理と善良さの実践ができないことの苦悩を追求する映画が多いとされます。この映画ではそうした苦悩の描写はなく、むしろ証券詐欺師の金とセックスとドラッグにまみれた人生を描くことにより、人間の欲望を強烈に風刺しています。他の映画同様、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」もほとんど即興で撮影され、彼の手がけた作品の中で、最も大きな興行成績を収めました。

 

ウォール街ではこんな遊びが〜「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 

 

レオナルド・デカプリオは、2007年に原作本の映画化権を獲得して以来、ジョーダン・ベルフォートを演じることが頭から離れませんでした。彼は、最近のウォール街の崩壊との関連のみならず、経験したことを正直に妥協せずジョーダンが書いていることに惹かれました。ジョーダン自身は、彼の無慈悲で無節操な財務処理は、「ウォール街」のゴードン・ゲッコーがモデルであると語っています。映画で描かれる放蕩と退廃について、レオナルド・デカプリオは、「カリギュラ」にインスピレーションを得たと語っています。ジョーダン・ベルフォート本人がレオナルド・デカプリオのコーチとなり、ドラッグにどのように反応したかを、教えました。全編を通して俳優生命をかけているかのようなハイテンションの熱演ぶりのレオナルド・デカプリオは、映画の予算の1/4に相当する2500万ドルの出演料を得ました。

 

ドラッグ漬けでランボルギーニ〜「ウルフ・オブ・ウォールストリート

 

ナオミがジョーダンを誘惑するシーンで、マーティン・スコセッシ監督は、マルゴット・ロビーにバスローブ姿で現れることを提案しましたが、マルゴットはこれを拒否し、全裸で現れるべきだと主張しました。彼女にとって全裸シーンは初めてでしたが、「ナオミは、肉体がいわばこの世の通貨のような女。彼女は全裸になり、テーブルの上にカードを並べなければならないのよ。」と、語っています。緊張をほぐす為に、全裸シーンの撮影前に、テキーラを三杯、飲んだそうです。

 

ママはノーパン〜「ウルフ・オブ・ウォールストリート

 

すべてリアルにやりたかったジョナ・ヒルは、金魚も本物を飲み込みたいと思いましたが、規制上、これは許されませんでした。セットには本物の金魚と、三人の金魚係が用意され、ジョナ・ヒルが本物の金魚を三秒、口に入れては、金魚係がこれを無傷で水に戻しました。この映画ではみんなが頑張っていたので、彼だけ楽をしたくなかったのです。

 

金魚飲み〜「ウルフ・オブ・ウォールストリート

 

胸を叩きながらハミングするのは、マシュー・マコノヒーの即興で、実際は彼の演技前のウォーム・アップでした。これは、後に社歌のようにアレンジされ、社員を鼓舞するシーンで使われています。 ウォーム・アップ

 

「金の歌」〜「ウルフ・オブ・ウォールストリート

 

映画では「ファック」という言葉およびその活用形が569回使われており、非ドキュメンタリー映画としては史上最多となっています。マーティン・スコセッシ監督は資金を独立系のプロダクションから得ていた為、性的な表現に自由に挑戦することができましたが、N.C.-17指定を回避する為の編集は行いました。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は R(Restricted:17歳未満の観賞は保護者の同伴が必要)で、NC-17(No one 17 and under admitted / Adults only)になると、17歳以下の観賞は全面的に禁止されます。一方で、性的描写により、上映禁止となった国が5ヶ国ありました。

 

レオナルド・ディカプリオ(ジョーダン・ベルフォート、ストラットン・オークモント社社長)

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ジョナ・ヒル(ドニー・アゾフ、ストラットン・オークモント社 副社長)

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マーゴット・ロビー(ナオミ・ベルフォート、ジョーダンの妻 、元モデル)

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マシュー・マコノヒー(マーク・ハンナ、LFロスチャイルド社、ベルフォートの上司)

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関連作品 

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マーティン・スコセッシ監督作品

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レオナルド・ディカプリオ出演作品

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ジョナ・ヒル出演作品

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