ジョナ・ヒル出演作品〜コメディからシリアスに芸域を拡大、若くしてオスカーにノミネートされた、今後も攻めを期待したくなる俳優
ジョナ・ヒル(1983年12月20日)は、カリフォルニア州ロス・アンジェルス出身の俳優・プロデューサー・脚本家・コメディアンです。サンタモニカにある高校を卒業後、ニューヨークのニュースクール大学で演技を学びます。バーで自作の一人芝居を演じていたところ、友人の父であるダスティン・ホフマンにオーディションを受けるよう勧められ、「ハッカビーズ」(2004年)で映画デビューします。その後、スティーヴ・カレルの出世作「40歳の童貞男」(2005年)やアダム・サンドラー主演の「もしも昨日が選べたら」(2006年)などのコメディ映画でキャリアを重ね、2007年には「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」や「スーパーバッド 童貞ウォーズ」(初主演)などのヒット作に立て続けに出演します。「マネーボール」(2011年)、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)ではアカデミー助演男優賞にノミネートされています。
彼は、世界的な大ヒットとなった「ハングオーバー」シリーズ(2009年〜2013年)の主役の一人(恐らくアラン・ガーナー役)を辞退、「僕の大切な人と、そのクソガキ」(2010年)に出演していますが、後者を選んだ理由について「脚本が気に入り、今まで演じたことのないタイプの役だったから」と説明しています。また、コメディ映画出身の彼は30歳を見据えてシリアスな役も演じられるようにと大幅に減量して(約20キロ)、「マネーボール」、「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012年)に出演するなど、その演技の幅を広げています。2014年6月から2015年6月までの1年間に1600万ドルの出演料を稼ぎ、フォーブス誌の世界で最も出演料の高い俳優の28位にランクされています。また、もともとは脚本家志望で、現在では脚本家としても活動しており、「21ジャンプストリート」では主演のほかに共同脚本としてクレジットされています。
出演料に関する面白いデータがあります。
タイトル | 公開年 | 出演料 |
ハッカビーズ | 2004年 | $40,000 |
スーパーバッド 童貞ウォーズ | 2007年 | $350,000 |
マネーボール | 2011年 | $2,000,000 |
21ジャンプストリート | 2012年 | $3,500,000 |
ウルフ・オブ・ウォールストリート | 2013年 | $60,000 |
22ジャンプストリート | 2014年 | $5,000,000 |
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で、ジョナ・ヒルは主人公ジョーダン・ベルフォートの右腕、ドニー・アゾフを好演、アカデミー助演男優賞にノミネートされているのですが、彼がチョイ役で出演した映画デビュー作の「ハッカビーズ」と出演料がほとんど変わりません。これは、スクリーン・アクターズ・ギルド(俳優組合)の定める最低賃金なのですが、ジョナ・ヒルは本件について、これは金を稼ぐための映画ではない、スコセッシ監督の映画に出る為なら何だってしただろう、金は「22ジャンプストリート」のような映画で稼げばいいと、語っています。
ジョナ・ヒルは、まだ30代前半、「正解で最も出演料の高い俳優」にランクされるほどの成功を収めたわけですが、今後も慢心することなく攻め続けて欲しい俳優です。
「40歳の童貞男」(2005年)
「寝取られ男のラブ♂バカンス」(2008年)
「マネーボール」(2011年)
「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012年)
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)
「ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日」(2013年)
関連記事