夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ブルージャスミン」:欲しかったのは富と愛・・・

ブルージャスミン」(原題:Blue Jasmine)は、2013年公開のアメリカのドラマ映画です。ウディ・アレン監督・脚本、ケイト・ブランシェットサリー・ホーキンスアレック・ボールドウィンら出演で、裕福な暮らしをするマンハッタンのソーシャライトの女性が貧しい生活へと転落していく姿を、名曲「ブルームーン*1に乗せて描いています。第86回アカデミー賞で、脚本賞ウディ・アレン)、主演女優賞(ケイト・ブランシェット)、サリー・ホーキンス助演女優賞)にノミネートされ、主演女優賞を受賞した作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
出演:ケイト・ブランシェット(ジャネット・“ジャスミン”・フランシス)
   サリー・ホーキンス(ジンジャー 、ジャスミンの妹)
   アレック・ボールドウィン(ハル・フランシス、ジャスミンの亡夫、実は詐欺師)
   ピーター・サースガード(ドワイト・ウェストレイク、 ジャスミンの婚約者)
   ルイスC.K. (アル 、ジンジャーの浮気相手)
   ボビー・カナヴェイル(チリ 、ジンジャーの婚約者)
   アンドリュー・ダイス・クレイ(オーギー、ジンジャーの前夫)
   マイケル・スタールバーグ(フリッカー医師 、 歯科医)
   タミー・ブランチャード(ジェーン - ジャスミンの友人)
   マックス・カセラ(エディ 、 チリの友人)
   アルデン・エーレンライク(ダニー・フランシス 、ジャスミンの義理の息子)
   ほか

あらすじ 

ニューヨークのセレブとしてもてはやされていたジャスミンケイト・ブランシェット)は、実業家のハル(アレック・ボールドウィン)との結婚生活が破綻、家庭も資産も失います。彼女はサンフランシスコへ向かい、質素なアパートに住むシングルマザーの妹ジャンジャー(サリー・ホーキンス)の元に身を寄せます。過去から逃れられず、抗うつ薬とウォッカを手放せないジャスミンは、再び華やかな世界へ舞い戻ろうと画策しますが、慣れない仕事に神経をすり減らします。精神的なバランスを崩し八方塞がりの中、エリート外交官のドワイト(ピーター・サースガード)と出会ったジャスミンは、彼を以前のような幸せを与えてくれる存在と見込み、プライドと現実逃避から嘘を重ねていきます・・・。

レビュー・解説

いかにもウディ・アレンらしいプロットの脚本に、ケイト・ブランシェットの強烈なパフォーマンスが乗り、非常にパワフルな作品に仕上がっています。

 

いかにもウディ・アレンらしいプロットの脚本ですが、映画のトーンは完全にケイト・ブランシェットのものになっています。彼女は強い女性を演じることが多いのですが、「ブルージャスミン」では大きな問題を抱え、現実逃避する、どこかしら精神的弱さのあるソーシャライトを演じています。この難しい役を彼女はまさに完璧にこなし、2014年度のアカデミー主演女優賞を獲得しましたが、ケイト・ブランシェットのファンには、ベストの映画のひとつではないかと思います。

 

ウッディ・アレン監督は、俳優に指示する際に登場人物の背景設定や役作りを行いません。ケイト・ブランシェットサリー・ホーキンスは二人で姉妹の関係についてその背景を作り上げたといいます。シナリオ上も、観客にとっても漠然としている二人の過去ですが、二人だけはどんな過去について話しているかはっきりとわかっていました。また、出演者の中で全体のシナリオを持っているのは、この二人だけでした。

 

ケイト・ブランシェットはオーストラリア人、サリーホーキンスはイギリス人ですが、本作はウッディ・アレン監督がアメリカ人を主役にした脚本にアメリカ人以外の俳優二人を起用した初めての作品です。恐らく、この二人は徹底的に役作りを研究した上で、自由に演じるのではなく、ストイックに演じています。それが、映画に彼女らのトーンをもたらし、ケイト・ブランシェットにオスカーをもたらしただけではなく、共演のサリー・ホーキンス助演女優賞ノミネートをもたらしています。

 

ケイト・ブランシェットから演技に対する反応も大きく、伝説の大女優ソフィア・ローレンは、その回顧録「Yesterday, Today & Tomorrow: My Life」の中で、ケイト・ブランシェットから演技のインスピレーションを得たと、次のように語っています。

 私は最近、『ブルージャスミン』のラスト・シーンに衝撃を受けました。ケイト・ブランシェットは私がかつて見た事のない表情を浮かべています。その表情は私の中に入り込み、新しい植物を育て、花を咲かせるべく、私の中に横たわっています。(ソフィア・ローレン

 

なお、本作にはブラッドリー・クーパー出演の話もありましたが、残念ながらスケジュールが合わず実現しませんでした。彼が加わっているいると、より熱く、刺激的になっていたかもしれません。

 

ケイト・ブランシェット(ジャネット・“ジャスミン”・フランシス)

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サリー・ホーキンス(ジンジャー 、ジャスミンの妹)

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アレック・ボールドウィン(ハル・フランシス、ジャスミンの亡夫、実は詐欺師)

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ピーター・サースガード(右、ドワイト・ウェストレイク、 ジャスミンの婚約者)

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サウンドトラック

 Blue Jasmine Soundtrack CD(Amazon

1.Back O' Town Blues
2.Blues My Naughty Sweetie Gives To Me
3.Blue Moon
4.Speakeasy Blues
5.A Good Man Is Hard To Find
6.Great White Way
7.Aunt Hagar's Blues
8.The Vision
9.House Party
10.Yacht Club
11.Out On The Town
12.Average Joe
13.Human Static
14.Miami Sunset Bar
15.Ipanema Breeze
16.Welcome To The Night
17. My Baby Sends Me (aka My Daddy Rocks Me)
18.Love Theme
19.West End Blues
20.Black Snake Blues

 

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関連作品 

ウディ・アレンの作品、人物像を描いたドキュメンタリーのDVD(Amazon

「映画と恋とウディ・アレン」(2011年)

 

ウィディ・アレン監督作品

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ケイト・ブランシェット出演作品のDVD(Amazon

  「エリザベス」(1998年)

  「理想の結婚」(1999年)

  「リプリー」(1999年)

  「ロード・オブ・ザ・リング」三部作(2001年-2003年)

  「アビエイター」(2004年)

  「あるスキャンダルの覚え書き」(2006年)

   「シンデレラ」(2015年)

  「キャロル」(2015年)

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