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夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ビッグ・リボウスキ」:濃い人物描写で1990年代前半のアメリカを強烈に風刺する、コーエン兄弟制作のクライム・コメディ

アメリカ映画

ビッグ・リボウスキ」(原題: The Big Lebowski)は、1998年公開のアメリカのコメディ映画です。コーエン兄弟製作、ジェフ・ブリッジスジョン・グッドマンスティーヴ・ブシェミらの出演で、同姓同名の大金持ちと間違えられ、富豪の若妻の誘拐事件に巻き込まれた中年男の騒動を描いています。

 

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目次

スタッフ・キャスト 

監督:ジョエル・コーエン
脚本:イーサン・コーエン/ジョエル・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジス(ジェフリー「デュード」リボウスキ、無職)
   ジョン・グッドマン(ウォルター・ソブチャック、デュードの親友)
   スティーヴ・ブシェミ(セオドア・ドナルド・カラボッソス、デュードの友人)
   デヴィッド・ハドルストン(ジェフリー・リボウスキ、通称ビッグ、大富豪)
   ジュリアン・ムーア(モード・リボウスキ、ビッグ・リボウスキの先妻の娘)
   タラ・リード(バニー・リボウスキ、ビッグ・リボウスキの新妻)
   フィリップ・シーモア・ホフマン(ブラント、ビッグ・リボウスキの秘書)
   ジョン・ポリト(ダ・フィーノ、バニーの両親に雇われた私立探偵)
   ベン・ギャザラ(ジャッキー・トリホーン、ポルノ映画プロデューサ、闇金
   ピーター・ストーメア(ウーリ・コンコル、ニヒリスト集団のリーダー格)
   ジョン・タトゥーロ(ジーザス・クィンターナ、ボウリング大会準決勝の相手)
   デヴィッド・シューリス(ノックス・ハーリントン、ビデオ作家、モードの友人)
   サム・エリオット(ザ・ストレンジャー、この映画の語り部、カウボーイ風)
   ほか

あらすじ

湾岸戦争の頃のロサンゼルス。中年独身男のデュードことジェフリー・リボウスキ(ジェフ・ブリッジス)は、二人のチンピラに襲われ、部屋の敷物に小便をかけられ、妻の借金を返せと言われますが、身に覚えがありません。同姓同名の富豪ビッグ・リボウスキ(デイヴィッド・ハドルストン)と間違えられて怒りが収まらないデュードはボウリング仲間のウォルター(ジョン・グッドマン)とドニー(スティーヴ・ブシェーミ)に話します。ウォルターにけしかけられたデュードは、敷物の弁償を求めてビッグ・リボウスキを訪れますが、逆に穀潰しと罵られ、屋敷から立派な敷物をくすねて帰ります。

数日後、今度はビッグ・リボウスキが呼び出し、誘拐された妻の身代金の引渡しをデュードに頼みます。自宅に戻ったデュードは、くすねた敷物を新たな侵入者たちに奪われます。ウォルターが身代金の入ったブリーフケースの引渡しに同行すると言いだし、事件はバニーによる自作自演の狂言誘拐と主張、金の代わりに下着を入れたカバンを渡し、機関銃を乱射して大混乱になります。引渡しに失敗、気晴らしにボウリングをしている間に、大金の入ったブリーフケースがデュードの車ごと盗まれます。

警察に車と敷物の盗難届を出したデュードに、敷物を盗んだ女から電話が掛かってきます。盗んだのは、ビッグ・リボウスキの先妻の娘のモード・リボウスキ(ジュリアン・ムーア)の一味でした。デュードを自分のアトリエに呼び出したモードは、事件は彼女が管理する財団から金を引き出すために仕組まれたものだと言い、デュードに身代金の奪還を依頼します。さらに、デュードはポルノ映画界の大立者ジャッキー・トリホーン(ベン・ギャザラ)にも呼び立てられます・・・。

レビュー・解説 

犯罪を扱ったコーエン兄弟の作品の中ではコメディに強く振れた作品です。カクテルとマリファナ好きのプータロー、血の気の多いベトナム戦争の退役軍人、気弱なサーファー、前衛芸術家、サダム・フセインのパロディ・・・と、1990年代前半のアメリカの世相を強烈に風刺する濃い人物描写のオンパレードです。評価は悪くないし、コーエン兄弟のキャラクターへの愛情も感じられるのですが、当時のアメリカをある程度、理解していないと面白さがわかりにくいかもしれません。

 

また、レイモンド・チャンドラーの小説「大いなる眠り」や、ロバート・アルトマン監督の映画「ロング・グッドバイ」を踏まえた作品だという解釈もあります。バニーの両親に雇われた私立探偵がデュードを同業者と勘違いする下りがありますが、主人公が不可解な事件に巻き込まれ、怪しげな人物たちと出会い、事件の真相を探るという映画の骨組みは、チャンドラーのハードボイルド小説と類似しています。ただし、こうした解釈とは無縁に、嵌る人は嵌るようで、映画の登場人物のコスプレをしたファンが集まり、ボウリングしたり、ホワイトロシアンを飲んだりして遊ぶ「リボウスキ祭り」が全米ツアーをするほどのイベントになっています。

 

コーエン兄弟は、チャンドラーのハードボイルド小説のような構造を持つ映画を緻密に組み立て、ある時はユーモラスに、ある時はコミカルに、ある時はクライム・スリラーの様に・・・と、様々な描き方をしています。例えば、本作と同じくジェフ・ブリッジスが主演を務めた「トゥルー・グリット」では古き良きアメリカを、また「ファーゴ」では凄惨なはずの殺人事件を巧みな人物描写で、それぞれユーモラスに描いています。一方、「ノー・カントリー」は連続殺人鬼をクライム・スリラーに近い描き方をしています。脚本の緻密さや、会話の洒脱さはすべてに共通していますが、恐らく「ビッグ・リボウスキ」よりもこれらの作品の方が入門としてはわかりやすく、親しみやすいでしょう。

 

濃いキャラクターのオンパレード

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左から、ジェフ・ブリッジス(ジェフリー「デュード」リボウスキ、プータロー)

スティーヴ・ブシェミ(セオドア・ドナルド・カラボッソス、サーファー)

ジョン・グッドマン(ウォルター・ソブチャック、ベトナム戦争の退役軍人)

 

前衛芸術家を演じるジュリアン・ムーア(モード・リボウスキ)

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サダム・フセインのパロディ

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 「ビッグ・リボウスキ」のDVD(Amazon

撮影地(グーグルマップ)

デュークの住む家

 

デュークらがたむろするボーリング場のロケ地

関連作品

コーエン兄弟監督作品  

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ジェフ・ブリッジス出演作品のDVD(Amazon

  「ラスト・ショー」(1971年)

  「サンダーボルト」(1974年)

 > 「スターマン/愛・宇宙はるかに」(1984年)

  「フィッシャー・キング」(1991年)

  「フィアレス」(1993年)

「ザ・コンテンダー」(2000年)

  「アイアンマン」(2008年)

  「クレイジー・ハート」(2009年)

  「トゥルー・グリット」(2010年)

 

ジョン・グッドマン出演作品のDVD(Amazon

  「バートン・フィンク」(1991年)

  「アーティスト」(2011年)

  「アルゴ」(2012年)

  「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(2013年)

     「10 クローバーフィールド・レーン」(2016年)

 

フィリップ・シーモア・ホフマン出演作品 

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