「キスキス、バンバン」（原題: Kiss Kiss Bang Bang）は、2005年公開のアメリカのサスペンス＆アクション/コメディ映画です。ひょんなことから映画俳優になるチャンスをつかんだ泥棒が怪事件に巻き込まれる姿を、ハリウッドを舞台にコミカルに描いています。
目次
スタッフ・キャスト
監督：シェーン・ブラック
脚本：シェーン・ブラック
原作：ブレット・ハリデイ
出演：ロバート・ダウニー・Jr（ハリー・ロックハート）
ヴァル・キルマー（ペリー・バン・シュライク）
ミシェル・モナハン（ハーモニー・ファイス・レイン）
ハーラン・デクスター（コービン・バーンセン）
ほか
あらすじ
ニューヨークで活動するしがない泥棒のハリー・ロックハート（ロバート・ダウニー・Jr.）が警察に追われて、ハリウッドの探偵映画のオーディション会場に飛び込みます。オーディションに合格して探偵役のスクリーンテストを受けることになったハリーは、ハリウッドの有力者であるハーラン・デクスター（コービン・バーンセン）の紹介で、ロサンゼルスで本物の探偵であるペリーと行動を共にすることになります。現われたのは、見た目がタフでこわもてのいかにもハリウッド・セレブ御用達のイケメンながら、通称「ゲイ・ペリー」こと同性愛者のペリー・バン・シュライク（ヴァル・キルマー）。ペリーは足手まといになりそうなハリーに苛立ちを覚えますが、ハリーは探偵らしい所作を身に着けようと、必死に彼について回ります。その一方で、ハリーはずっと憧れていた幼なじみのハーモニー・フェイレーン（ミシェル・モナハン）と再会を果たします。彼女は女優を目指してハリウッドにやって来たものの、開花する時期を逃して焦る日々を送っていました。励ますハリーにハーモニーはキュートな微笑を返しますが、ペリーと共に尾行していた美女が目の前で死体となって発見されたのを皮切りに、ハリーの周囲が騒がしくなり始めます。3時間で3つの死体が発見され、前後して、ハーモニーの妹も不可解な自殺を遂げます・・・。
レビュー・解説
LA 的ライフ・スタイルへの風刺とネオ・ノアール的トーンが特徴的な、楽しめるサスペンス＆アクション、ロマンティック・コメディです。ロバート・ダウニー・Jr、ヴァル・キルマー、ミシェル・モナハンらのパフォーマンスも見逃せません。
脚本のシェーン・ブラックは、アメリカの俳優、脚本家、映画監督で、初めて脚本を手掛けた「リーサル・ウェポン」（1987年）が世界的ヒット作となり、一気に人気作家となります。「ロング・キス・グッドナイト」（1996年）では、当時世界最高の脚本料を得たと言われています。本作が監督デビュー作ですが、様々な要素をうまく取り込んだ特徴的で魅力的な作品に仕上がっています。
主演のロバート・ダウニー・Jr.は、2008年公開の「アイアン・マン」で動かぬ名声を手に入れますが、本作で既にトニー・スターク的キャラクターをかいま見ることができます。もともと、ロバート・ダウニー・Jr. はメソッド演技法で役柄を追求し演技派俳優としての評価を得ましたが、極度のストレスから個性派（性格）俳優に転じています。
ヴァル・キルマーは、ハリウッド・アクション映画初のオープン・ゲイという難しい役割ですが、押さえた演技でうまくロバート・ダウニー・Jr.を引き立てています。ロバート・ダウニー・Jr. は子供の頃から薬物依存に苦しみ、2003年にようやく薬物を絶つことができましたが、ヴァル・キルマーはそんな彼の努力への支持を表す為に、撮影期間中を禁酒で通しました。彼の人柄が感じられるようなエピソードです。
ハーモニーを演じるミシェル・モナハンは、実年齢の差が11年もあるにも関わらず、ロバート・ダウニー・Jr.扮するハリーと幼なじみで売れない女優を見事に演じています。2001年に映画デビュー、端役の多かった彼女ですが、本作の活躍以降、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」（2007年）、「ミッション: 8ミニッツ」（2011年）などで大役を演じています。また、「M:i:III」（2006年）ではトム・クルーズ演ずるイーサン・ハントの妻ジュリアを演じています。
ネオ・ノアール的な美しい映像
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