「きみがぼくを見つけた日」(原題:The Time Traveler's Wife)は、2009年公開のアメリカのSFファンタジー/ドラマ/ロマンス映画です。オードリー・ニッフェネガーの同名小説を映画化したもので、自分の意思とは関係なくタイムトラベルしてしまうヘンリーとその妻クレアが、互いの時間軸が合わない為に起こる様々な試練に翻弄されながらも、絆を深めていく切ない運命をロマンティックに描いています。
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目次
スタッフ・キャスト
監督:ロベルト・シュヴェンケ
脚本:ブルース・ジョエル・ルービン
原作:オードリー・ニッフェッガー「きみがぼくを見つけた日」
出演:レイチェル・マクアダムス(クレア )
エリック・バナ(ヘンリー)
ブルックリン・プルー (幼少時のクレア)
ほか
あらすじ
雪の日に母が運転するワゴン車に乗っていた6歳のヘンリーは、スリップ事故の衝撃を受けた時、自分に何が起こったのか理解できませんでした。車外に立ちつくす幼いヘンリーの目の前に1人の青年が現れ、いずれ理解できるときが来るだろうと告げ消えていきます。28歳のヘンリーが図書館で初めて出会った20歳のクレアは、とても親しげにヘンリー話しかけます。クレアは、何の前触れもなく、突然、過去や未来へ飛ばされてしまう30代のヘンリーと6歳の時に偶然出会って以来、時空を超えて何回となくやって来るヘンリーに見守られるように成長しました。クレアが大人になるにつれて、2人の絆は恋へと発展していきます・・・。
レビュー・解説
タイムトラベラーと結婚するという興味深い設定のこの映画は、一途なクレアとそれを受止める優しいヘンリーが印象に残る作品です。一途なクレアはひたむきな性格で、大好きなヘンリーと会うと為に全力で走ります。大人になってもそのひたむきさは変わりません。
ヘンリーと出会う場所に走るクレア(6歳)〜「きみがぼくを見つけた日」
ヘンリーと出会う場所に走るクレア(大人)〜「きみがぼくを見つけた日」
一途な恋が成就し結婚したものの、ヘンリーと会えるのは彼がタイムスリップしてくる時のみという寂しい現実にクレアは直面します。
結婚式の後、指輪を残してタイムスリップするヘンリー〜「きみがぼくを見つけた日」
流産など度重なる紆余曲折の末、クレアの機転で娘アルバが生まれます。アルバはポジティブ、楽観的で、ヘンリーを上回るタイムトラベルの能力を持っています。アルバは、なかなか逢えないクレアとヘンリーの心の支えになります。
ヘンリーを上回るタイムトラベル能力を持つ娘アルバ〜「きみがぼくを見つけた日」
そして最後の試練が訪れます。
最後の試練〜「きみがぼくを見つけた日」
タイムトラベラーとのすれ違う生活を不満に思ったクレアも、タイムスリップしてくる夫との逢瀬に幸せを見いだすようになります。
逢瀬〜「きみがぼくを見つけた日」
Clare: Henry.
Clare: Where are you from?
Henry: I'm 39. Alba's just a baby. We're in the house. We're happy.
Clare: Why didn't you tell me you were coming? I would've been here waiting.
Henry: I didn't want you to wait. I don't want you to spend your life waiting.
Clare: Hmm....
Clare: I love you.
Henry: I can't stay.
Clare: I know.クレア:ヘンリー。
クレア:いつのあなたなの?
ヘンリー:39歳。アルバはまだ赤ちゃんだ。僕らは家で幸せにしている。
クレア:言ってくれれば待っていたのに。
ヘンリー:それは困る。きみに待つ人生を送ってほしくない。
クレア:うーん。
クレア:愛しているわ。
ヘンリー: 消えてしまう。
クレア: わかってるわ。
Alba: Sometimes I think he's in the trees... deciding when to come out and surprise me.
Clare: I used to think that when I was a little girl.That he was always here, even when he wasn't.
Alba: I guess he is, isn't he?アルバ:時々、パパは木立の中に隠れていると思うの。いつ出てきて私を驚かそうかと考えながら。
クレア:私も子供の頃、そう思ったわ。彼はいつもここにいるんだって、例えいなくても。
アルバ:私はいると思うわ、そうでしょ。
タイムトラベラーと結婚した一途なクレアが抱える問題は切なくもあります。愛する人が常にそばにいてくれないのは哀しいですが、一方で子供ができれば妻の関心は子供に移り、子供が大きくなった頃には「亭主、元気で留守がいい」という妻も少なくありません。むしろのたまの逢瀬で、お互いに会いたいと思っている方が、新鮮な夫婦関係を維持できると考えることもできそうですが・・・。
一途なクレアを、レイチェル・マクアダムスが良く演じ、自分の意思とは関係なくタイムスリップしてしまうヘンリーの陰のある優しさを演じるエリック・バナと好対照をなしています。レイチェル・マクアダムスは、「ミッドナイト・イン・パリ」(2011年)、「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」(2013年)でも、タイム・トラベラーの恋人役を演じています。監督も違い、三部作でも何でもないのですが、「ミッドナイト〜」では恋人を理解せずに婚約破棄、「アバウト・タイム〜」では結婚後に夫がタイムトラベルを封印します。ちょっといい話かもしれませんね。
2004年、レイチェル・アダムスは、リンゼイ・ローハン、アマンダ・サイフリッドとともに、「ミーン・ガールズ」を主演、「きみに読む物語」で主役を務め、一躍、注目を集め、2005年には、「ウェディング・クラッシャーズ」など、何本かの映画で商業的成功を収めましたが、2006年、2007年と休業しました。トーマス・ベズーチャ監督は、インタビューで次の様に語っています。
彼女は時の人となり、引く手あまただったが、彼女がやる仕事を選んだのは、同じ年代で同じ地位にいる業界の人たちより賢かった。彼女は明確な意図を持って、ハリウッドを避けた。彼女には大スターになるチャンスがあったが、彼女は心の中では性格俳優なのだ。
同じのインタビューの中で、レイチェル・マクアダムスは次の様に語っています。
私は映画に出る為に、映画に出る事はしないわ。私には情熱が必要なの。同時に、私は我を忘れて仕事をするわ。だから、自分の生活に戻りたいの。
彼女はこの間、「ミッション・インポッシブル 3」、「007 カジノ・ロワイヤル」、「プラダを着た悪魔」、「ゲット・スマート」などの大作を辞退しました。
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関連作品
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