夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」:フィフティーズやカントリーの名曲で描く、伝説のカリスマ歌手ジョニー・キャッシュの心の襞

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(原題:Walk the Line)は、2005年公開のアメリカの伝記映画です。ジェームズ・マンゴールド監督・脚本、ホアキン・フェニックスリース・ウィザースプーンらの出演で、ボブ・ディランをはじめ数多くのミュージシャンに多大な影響を与えたカントリー・ミュージックの伝説、ジョニー・キャッシュの波乱に満ちた半生を、彼の2度目の妻となるジューン・カーターとの10数年におよぶ愛の軌跡を描いています。ホアキンとリースは映画中の歌をすべて自分達で歌っており、リース・ウィザースプーンがアカデミー主演女優賞を受賞した作品です。

 

 「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(Amazon

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目次

スタッフ・キャスト

監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド/ギル・デニス
原作:ジョニー・キャッシュ(クレジット無し)
出演:ホアキン・フェニックスジョニー・キャッシュ
   リース・ウィザースプーン(ジューン・カーター)
   ロバート・パトリック(レイ・キャッシュ)
   ジニファー・グッドウィン(ヴィヴィアン・キャッシュ)
   ダラス・ロバーツ(サム・フィリップス
   シェルビー・リン(キャリー・キャッシュ)
   タイラー・ヒルトン(エルヴィス・プレスリー
   ウェイロン・マロイ・ペイン(ジェリー・リー・ルイス
   ほか

あらすじ

ジョニー・キャッシュホアキン・フェニックス)は、綿花栽培の小作で生計を立てる貧しい家庭に生まれました。酒に溺れ、暴力を振う父に怯える毎日でしたが、そんな彼の心の支えは優しい兄ジャックとラジオから流れてくる少女タレント、ジューン・カーターの歌声でした。ところがある日、その最愛の兄が事故で亡くなってしまいます。父はお気に入りのジャックのほうが死んだことを嘆き、そのことがさらにジョニーの心を深く傷つけます。やがて成長したジョニーは2年の軍隊経験を経て、初恋の女性ヴィヴィアン(ジニファー・グッドウィン)と結婚し、テネシー州メンフィスで訪問セールスの仕事を始めます。しかし仕事はうまく行かず、趣味のバンド演奏をまるで理解しないヴィヴィアンとの間にも溝が深まるばかりのジョニーは、ある日、街角のサン・レコードに飛び込んで強引にオーディションの約束を取りつけます。空軍時代に書いた曲を歌った彼は合格し、プロのミュージシャンとして活動を始めます。やがてツアー中、少年時代の憧れの的だったジューン・カーター(リーズ・ウィザースプーン)と共演したジョニーは、彼女への恋心を燃やし始めます。しかし、前夫との離婚の傷が癒えないジューンには、妻子のいるジョニーとの恋に向かう気力はなく、まもなく2人は仲違いしてしまいます。彼らが再び音楽活動を共にするようになったのは、6年後の1964年。この間にジューンは再婚し、ジョニーはヴィヴィアンとの関係が悪化してドラッグに逃避する日々を送っていました。まもなくジョニーは覚醒剤を密輸して逮捕され、皆からも見離されてどん底へと落ち込みます・・・。

レビュー・解説 

ボブ・ディランなど数々のアーティストに影響を与え、米音楽史上、初めてロックとカントリー双方の殿堂入りした伝説のシンガー、ジョニー・キャッシュのリアルな心の襞を、フィフティーズやカントリーの名曲の数々とともに満喫できます。陰のある男を演じさせたらピカイチのホアキン・フェニックスと、歌手、コメディアンなど多彩な顔を持つタレントでジョニーの2番目の妻になったジューン役のリース・ウィーザースプーンの、吹替なしの熱演が素晴しいです。

 

この映画の為に、二人は6ヶ月間のボイス・トレーニングを受けましたが、吹替なしで歌うプレッシャーは大きく、特にリース・ウィーザースプー実際に観客役を前にして歌うことに自信が持てず、弁護士にこの映画の契約を切りたいと相談までしています。二人ともピリピリして衝突が絶えませんでしたが、パフォーマンスにはお互いに依存する部分も合ったため、どちらか一方が辞めたら他方も辞めるという一蓮托生の密約を交わしてこの難局を乗り切ったそうです。結果、二人揃ってアカデミー賞の主演俳優賞にノミネートされるという素晴しいできばえで、リース・ウィザースプーンが主演女優賞を受賞しました。

 

リース・ウィザースプーンは、1991年に主演の子役として映画デビュー、2000年に「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』でゴールデングローブ賞主演女優賞ミュージカル・コメディ部門にノミネートされ、2001年の「キューティ・ブロンド」で知名度を上げました。本作で、アカデミー主演女優賞を受賞後、一時、低迷が続きましたが、2014年公開の「わたしに会うまでの1600キロ」で再び、アカデミー主演女優賞にノミネートされています。

 

ホアキン・フェニックスジョニー・キャッシュ、中央)

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リース・ウィザースプーン(ジューン・カーター)

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サウンドトラック

 iTunesで聴く*3 Amazon MP3で聴く*4

ウォーク・ザ・ライン〜君につづく道 オリジナル・サウンドトラック」(Amazon

  1. ゲット・リズム
  2. アイ・ウォーク・ザ・ライン
  3. ワイルドウッド・フラワー
  4. ルイス・ブギ
  5. リング・オブ・ファイアー
  6. ユーアー・マイ・ベイビー
  7. クライ・クライ・クライ
  8. フォルサム・プリズン・ブルース
  9. ザッツ・オール・ライト
  10. ジューク・ボックス・ブルース
  11. 悲しきベイブ
  12. ホーム・オブ・ザ・ブルース
  13. ミルク・カウ・ブルース
  14. アイム・ア・ロング・ウェイ・フロム・ホーム
  15. コカイン・ブルース
  16. ジャクソン
  17.  (エンハンスド)劇中未収録のライブ映像“JACKSON”他、収録。

動画クリップ(YouTube) 

  • 刑務所で行ったコンサートのシーン
  • 映画のタイトルにもなった「I Walk the Line」
     
  • 実際のジョニーとジューン(1969年、サン・クェンティン刑務所でのライブ)

 

 「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(Amazon

関連作品 

ジェームズ・マンゴールド監督・脚本作品のDVD(Amazon

  「3時10分、決断のとき」(2007年)

    「LOGAN/ローガン」(2017年)

 

ホアキン・フェニックス出演作品Amazon) 

  「バックマン家の人々」(1994年)

  「誘う女」(1995年)

  「ホテル・ルワンダ」(2004年)

  「トゥー・ラバーズ」(2008年)

  「ザ・マスター」(2012年)

  「her/世界でひとつの彼女」(2013年)

  「エヴァの告白」(2014年)

 

リース・ウィザースプーン出演作品のDVD(Amazon

  「カラー・オブ・ハート」(1998年)

  「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」(1999年)

  「MUD -マッド-」(2013年)

  「グッド・ライ いちばん優しい嘘」(2014年)

  「わたしに会うまでの1600キロ」(2014年)

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