夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」:しゃべるアライグマや樹木のヒューマノイドが登場、暖かみあるSFアクション&アドべンチャー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(原題:Guardians of the Galaxy)は、2014年公開のアメリカのSFアクション&アドベンチャー映画です。マーベル・コミックの「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」を原作に、ジェームズ・ガン監督、クリス・プラットゾーイ・サルダナら出演で、5人組の宇宙のはみ出し者「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が、強大な力を持つパワー・ストーン「オーブ」の力で宇宙を滅ぼそうとする悪党やお尋ね者たちと繰り広げる戦いを描いています。第87回アカデミー賞で、ベスト・メイクアップ&ヘアスタイリング賞と視覚効果賞にノミネートされた作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:ジェームズ・ガン
脚本:ジェームズ・ガン/ニコール・パールマン
原作:ダン・アブネット/アンディ・ランニング
出演:クリス・プラット(ピーター・クイル/スター・ロード、ガーディアンズ)
   ゾーイ・サルダナ(ガモーラ、サノスによって訓練された暗殺者)
   デイヴ・バウティスタ(ドラックス、家族の敵を討つためロナンを探す戦士)
   ヴィン・ディーゼル(グルート、ロケットの相棒である木のヒューマノイド
   ブラッドリー・クーパー(ロケット、遺伝子改造されたアライグマ、賞金稼ぎ)
   リー・ペイス(ロナン・ジ・アキューザー、狂信的クリー人、ザンダー星を狙う)
   マイケル・ルーカー(ヨンドゥ・ウドンタ、窃盗団の首領、クイルの育ての親)
   カレン・ギラン(ネビュラ、サノスの養女、ガモーラと姉妹同然、ロナンの部下)
   ジャイモン・フンスー(コラス、ハンター、ロナンの部下)
   ジョン・C・ライリー(ローマン・デイ、ノバ帝国軍警察の衛生兵)
   グレン・クローズ(ノバ・プライム・イラニ・ラエル、ノバ帝国軍警察トップ)
   ベニチオ・デル・トロ(タニリーア・ティヴァン/コレクター、珍しい物を収集)
   ほか

あらすじ

  • 1988年、母親を亡くした幼いピーター・クイル(クリス・プラット)はヨンドゥ・ウドンタ(マイケル・ルーカー)率いる宇宙海賊ラヴェジャーズによって拉致されます。それから26年後、惑星モラグでトレジャー・ハンターに成長したクイルがオーブを盗み出そうとしたところ、同じくそれを狙うクリー人のロナン(リー・ペイス)の部下コラス(ジャイモン・フンスー)と遭遇します。クイルはオーブを持って逃亡しますが、横取りを知ったヨンドゥは彼を捕らえる為に懸賞金を掛け、ロナンはオーブ強奪の為に暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)を派遣します。
  • クイルがノバ帝国の首都惑星ザンダーでオーブを売ろうとした時、ガモーラが襲いかかり、揉み合う2人に遺伝子改造されたアライグマのロケット(声:ブラッドリー・クーパー)とその相棒の樹木型ヒューマノイドのグルート(声:ヴィン・ディーゼル)の賞金稼ぎペアが加わります。派手な戦いを繰り広げた4人はノバ軍警察に逮捕され、銀河一危険なキルン刑務所に投獄されます。ロナンに家族を殺されたドラックス(デイヴ・バウティスタ)は、ロナンと協力関係にあったガモーラを殺そうとしますが、クイルは彼女を生かしておけばロナンがやって来ると言い思いとどまらせます。ロナンを裏切りつもりのガモーラは、惑星を破壊するオーブの力をロナンに使わせたくないと言います。ガモーラにオーブの買い手がいることを知り、5人はガモーラとともにキルンから脱走します。
  • ロナンはガモーラの養父でタイタン人のサノスと会い、彼女の裏切りとオーブについて議論します。クイルのグループは彼の宇宙船ミラノ号で、オーブに大金を払う「コレクター」と呼ばれる男に会う為、宇宙の果てのノーウェアへ到着します。酔ったドラックスがロナンを呼び寄せてしまう間、他の4人はコレクターのタニリーア・ティヴァン(ベニチオ・デル・トロ)と会います。ティヴァンは、オーブがそれを使う強者以外の全てを破壊するパワーを持つインフィニティ・ストーンであることを明かします。その直後、ティヴァンの使用人がストーンに触れ、ティヴァンのアーカイブを飲み込む大爆発を引き起こしてしまいます。
  • ノーウェアに到着したロナンはドラックスを倒し、逃げる者たちをロナンの部下とガモーラの姉妹のネビュラ(カレン・ギラン)が追跡します。ネビュラがガモーラの船を破壊すると彼女は生身で宇宙空間に放り出され、ロナン軍はオーブを持ち去ります。クイルは自分を追ってきたヨンドゥを呼び寄せ、宇宙空間に出ます。外したヘルメットをガモーラに装着して延命し、2人はヨンドゥの船に回収されます。ロケット、ドラックス、グルートは2人を救出するためにヨンドゥの船を破壊すると脅迫しますが、クイルがオーブを取り戻すとヨンドゥを説得し、停戦に持ち込みます。グループは、インフィニティ・ストーンで銀河を破壊しようとするロナンを、決死の覚悟で止める必要があると考えます。
  • ロナンの旗艦ダーク・アスター号では、ストーンの力を自分で使うことに決めたロナンが自身のコズミックハンマーに埋め込みます。ロナンはサノスに連絡し、ザンダーを滅ぼした後は彼を殺すと宣言、内心、サノスを恨んでいたネビュラと手を組みます。ザンダー星上空で、ダーク・アスター号は、ラヴェジャーズ、ノバ軍警察、クイルのグループと戦闘を開始します・・・。

レビュー・解説

しゃべるアライグマや樹木のヒューマノイドなどナチュラルな要素、カセットテープや70年代のポップスなどレトロな要素を取り込むなど、常識にとらわれず、スペクタクルなSFバトル・アクションでありながら、5人のはみ出し者が宇宙を守るという、ユーモアに溢れた、暖かみのある冒険談です。

 

ガーディアンズの5人組

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2017年の5月に、シリーズ第二作目の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」が公開されましたが、本作は2014年公開の第一作です。これは、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品ですが、

  • 主人公がスーパーヒーローではなく、はみ出し者や悪党の集まり
  • 地球ではなく宇宙が舞台
  • ポップでレトロな色使い
  • コメディ色が強く、アクションよりもキャラクター同士の関係を重視

と、これまでに比べてかなり個性的です。

 

そして何よりもこの作品を強烈に印象づけるのが、しゃべるアライグマのロケットです。この映画唯一の主役というわけではないのですが、ガン監督がこの映画を制作する気になった最大の理由がロケットだと言います。

最初に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の説明を受けた時、正直に言って(しゃべるアライグマは)いいアイディアとは思えませんでした。不思議キャラのアライグマが喋るのは奇妙だと思ったのです。「アベンジャーズ」の真っ只中にバグズ・バーニーが登場するようなものです。うまく行くとは思えませんでした。

コミックの「ガーディアンズ」はとても好きでしたが、それがマーベル・シネマティック・ユニバースの世界観にフィットするとは思えませんでした。私は家に帰る途中に、「ちょっと考えて見よう。もし、しゃべるアライグマがいるとしたら、それはどんなだろう?どのように現れるだろう?」と考えました。答えはとても悲しいものでしたが、私にとって「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」全体のベースとなりました。

(ロケットは)実験でバラバラにされては縫合された小動物で、人工頭脳を埋め込まれた、半分機械で半分アライグマです。彼に似たものなんていません。ひねくれた、みすぼらしい、怒れる生き物なのです。彼の様に生きることは、たやすいことではありません。(ジェームズ・ガン監督)

 

ブラッドリー・クーパー(ロケット、遺伝子改造されたアライグマ、賞金稼ぎ/傭兵)

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ブラッドリー・クーパーが声を担当するという贅沢なキャスティング。クーパーのギャラは「ハングオーバー! 消えた花婿と史上最悪の二日酔い」(2009年)と「世界にひとつのプレイブック」(2012年)を合わせたギャラのより多いという力の入れよう。

 

ガン監督は、「ムービー43」(2013年)という悪名高い(?)コメディのアンソロジー映画集に参加しており、「ビーゼル」というタイトルで漫画のキャラクターの猫が、アニメ、実写入り乱れて主人と恋人の仲を邪魔をするという短編を制作しています。なかなか面白い作品です。この作品で動物ネタが得意と評価され、本作の監督に抜擢されたのかもしれません。いずれにせよ、ガン監督らは期待に応えるべく徹底的にアライグマを研究しています。

実際のアライグマについてたくさん調べ、実際にアライグマを飼いました。アライグマの写真を撮り、アライグマと遊び、アライグマを餌付けし、アライグマの行動を覚え込みました。アライグマのロケットは映画の核心で、アベンジャーズの途中に登場する単なる漫画のキャラクターのバグズ・バーニーではないのです。ロケットは、現実世界の小さな傷ついた孤独な獣なのです。この宇宙に彼に似たものは存在しません。ロケットは、実験的に作られた出来損ないの戦闘マシーンなのです。(ジェームズ・ガン監督)

 

このラクーンを引き立てているのが、樹木のヒューマノイドのグルートです。「私はグルート」というセリフしか言わないこのキャラクターは、口が達者なラクーンのツッコミに対して、いわばボケ的な存在ですが、木々が生物を育むようにグルートは優しくラクーンを守ります。

 

ヴィン・ディーゼル(左、グルート、ロケットの相棒である木のヒューマノイド

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ヴィン・ディーゼルが声を担当するという贅沢なキャスティング。「私はグルート」というセリフしかないが、その時々のグルートの気持ちを説明する脚本がディーゼルの為に特別に用意された。

 

他に、筋骨隆々で全身赤い入れ墨だらけの強面だが、実はそれほど強いわけではないドラックスなど、魅力的なキャラクターが登場します。

 

デイヴ・バウティスタ(左、ドラックス、家族の敵を討つためロナンを探す戦士)

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デビッド・バウティスタ(1969年〜)は、バージニア出身のアメリカのプロレスラー、俳優。レスラーとして体ができているので、本作の為に肉体改造する必要は無かったが、非常に真面目な性格で、撮影期間中、ずっとスタッフとキャストのジョークのカモにされた。

 

クリス・プラット演じるピーター・クイル/スター・ロードが主役級、ゾーイ・サルダナが演じるガモーラがヒロイン級ですが、なにせ尖ったキャラが多いので、二人はまともなキャラに見えます。もっとも、本作は5人のはみ出し者や悪党の物語なので、むしろ他のキャラの魅力も引き出すよう、そつなく演じていると言った方が良いかもしれません。

 

クリス・プラット(ピーター・クイル/スター・ロード、ガーディアンズのリーダ)

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クリス・プラット(1979年〜)は、ミネソタ出身のアメリカの俳優。大学を中退してセールスマンとして働いた後、ハワイのマウイ島でホームレス生活を送る。レストランで働いていた時に女優と出会い、映画デビュー、テレビのコメディ番組で人気を得る。映画「ウォンテッド」(2008年)、「マネーボール」(2011年)、「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012年)、「her/世界でひとつの彼女」(2013年)などの話題作やアカデミー賞ノミネート作品に出演を重ね、本作の主演で、一躍スターダムにのし上がる。

 

ゾーイ・サルダナ(ガモーラ、サノスによって訓練された暗殺者)

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ゾーイ・サルダナ(1978年〜)は、ニュージャージー出身のアメリカの女優。父はドミニカ共和国、母はプエルトリコの出身。バレエ、演技の勉強を続け、バレエ・カンパニーを舞台にした映画「センターステージ」(2000年)でデビュー、「アバター」(2009年)でヒロインを演じて一躍有名になる。本作で共演のブラッドリー・クーパーと以前、交際していたが、別れている。

 

 

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他に、ガーディアンズと敵対するロナンや、幼いクイルを誘拐、親代わりに育てた窃盗団の首領ヨンドゥなど、個性的なキャラが登場します。コレクターとして登場するベニチオ・デル・トロも見逃せません。

 

リー・ペイス(ロナン・ジ・アキューザー、狂信的クリー人、ガーディアンズと敵対)

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マイケル・ルーカー(ヨンドゥ・ウドンタ、窃盗団のリーダー、クイルの父親代わり)

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ベニチオ・デル・トロ(タニリーア・ティヴァン/コレクター、動物や遺物の収集家)

出演時間は短いが、存在感が半端ない。

サウンドトラック

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:オーサム・ミックス Vol.1(Amazon

ビルボード誌のヒットチャートのトップになったアルバム。70年代のポップスを中心に構成されており、オリジナル曲を含まないサウンドトラックでは初めての快挙。グラミー賞のベスト・サウンドトラック賞にノミネートされている。

1 ウガ・チャカ
  (フックト・オン・ア・フィーリング)

2 ゴー・オール・ザ・ウェイ
3 スピリット・イン・ザ・スカイ
4 月世界の白昼夢
5 愛に狂って
6 アイム・ノット・イン・ラヴ
7 帰ってほしいの
8 カム・アンド・ゲット・ユア・ラヴ

9 チェリー・ボム
10 エスケイプ
11 ウー・チャイルド
12 エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ
  (MONO)

 

 

関連作品

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のコミック版前日談Amazon

  ダン・アブネット&アンディ・ラニング著

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード」

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の続編のDVD(Amazon

  「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス」(2017年)

 

ジェームズ・ガン監督作品のDVD(Amazon

  「スリザー」 (2006年) 監督・脚本・出演

 

クリス・プラット出演作品のDVD(Amazon

  「マネーボール」(2011年)

  「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012年)

  「her/世界でひとつの彼女」(2013年)

 

ゾーイ・サルダナ出演作品のDVD(Amazon

  「ドラムライン」(2002年)

  「スター・トレック」(2009年)

  「アバター」(2009年)

  「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(2013年)

     「スター・トレック BEYOND」(2016年)

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