夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

閑話休題:映画は一粒で二度美味しい(または映画記事の裏事情)

ソトさんの記事「映画レビューの書き方。」

 

sotoblog.hatenablog.com

 

に倣って、当ブログの舞台裏を少し書いてみます。

 

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目次

映画は一粒で二度美味しい

書き続けている間に、徐々に現在のフォーマットになって来てのですが、方針と言えるものがあったとすれば、「要はこの映画はこういうことなんだと纏める」くらいでした。これは今でも形として残っていて、「レビュー・解説」の項の最初の二、三行に書き込み、タイトルと連動するようにしています。が、恐らく私のブログを特徴づけているのはそこではなく、

  • 俳優は誰だろう、どんな作品に出ているのだろう?
  • 監督は誰だろう、どんな作品を作っているんだろう?
  • 原作者は誰だろう、どんな作品を書いているのだろう?
  • どんな時代背景や地理的背景があるのだろう?
  • 制作動機は何だろう、何を伝えたいのだろう?
  • どこで撮影されたのだろう?
  • ・・・

という「広がり」の中で書いていることではないかと思います。実はこれらはブログを書く方針というよりは、映画を観るといろいろ知りたくなるという、私の映画の楽しみ方そのものです。つまり、映画は一粒で二度美味しいとばかりに、見ている最中と見た後で二度楽しんでおり、その足跡を記したのが当ブログということになります。

 アーモンドグリコAmazon

広がる楽しみ(或いは記事の書き方)

そんなわけで、映画を見た後に「要はこの作品はこういうことに違いない」と二、三行に書き出し、次に監督、脚本家、原作者、俳優といった周辺情報を調べていきます。キャストの解説や「関連作品」の項目は、その足跡です。また、監督のインタビュー記事は必ず読むようにしています。映画の鑑賞の仕方は様々で、何が正解ということはないかと思いますが、制作意図を知ることは作品を知る上でとても重要だと思っています。ですので、日本語のインタビュー記事がなければ、英文のインタビュー記事、時にはフランス語など、英語以外の記事をグーグル翻訳して読むこともあります。全く語らない監督もいますが、その場合は他の作品などから類推したりすることもあります。

 

もうひとつの極めつけの楽しみが、グーグル・マップによる撮影地めぐりです。大なり小なりネットには撮影地に関する情報が散在していますので、これらを手掛かりに撮影地を捜していくのですが、謎解き的な要素もあり、嵌まってしまいます。撮影地をスポットできれば、どんな場所で、どんなアングルから、どんな距離で撮ったか手に取るようにわかるので、まるでロケ撮影に居合わせたような気分になります。たまによそよそしさ感じる映画があったとしても、実際の風景の中で撮影地をスポッティングしていると映画を追体験しているような気分になり、作品との距離がぐっと縮まります。玉に瑕なのが、夢中になるとあっという間に時間が過ぎてしまうこと。「この映画の撮影地巡りはここまで」という思い切らないと、いつまでも続けてしまいます。

 

撮影地のスポッティングは楽しい 

 

私の場合、以上のような広がりや追体験を経て記事を書いているわけですが、「要はこの映画はこういうことなんだ」という最初の二、三行に記事をぶら下げるイメージで構成しています。最初に書いた「要は・・・」の内容が大きく変わることはありませんが、ぶら下がる記事に馴染むように表現をマッチングさせることは良くあります。

限られた時間で映画を見る為の裏技

余談になりますが、2007年に初代 iPod touch を入手した私は、テレビのアナログ放送の映画を録画、mp4にエンコードして、通勤電車の中で見たりしていました。この頃に映画を細切れに観る技を習得しました。日常生活で映画を観る為に連続した2時間を確保するのは意外に大変ですが、この技を習得すれば、まとまった時間を取れなくても映画を見ることができるようになります。あまり一般的な観方ではありませんし、一気に見ないと気持ち悪いという方が多いかと思いますが、そもそも連続テレビドラマなどは間を開けてみているわけですので、やってできないことはないことはありません。もともと短期記憶が強くない私は、一気に観たところですべてを事細かに覚えているわけではありません。かと言って多少、間を開けて観たところでさして忘れているわけでもないので、全く気になりません。場合によっては、自分のペースで見られるので楽だったりします。後は頭を切り替えるだけです。尚、この技の習得は実に簡単で、頭のネジを緩めれば誰でもできると思います。 

 カチンコ(Amazon

細切れに撮って編集する映画制作の苦労に比べれば、細切れに鑑賞するのは大した苦労ではない。

新作のレビューを早くお読みになりたい方へ

劇場では見ない、細切れに観るなど、決して模範的な映画ファンではない私ですが、そんな私がまっとうな映画ブロガーとして尊敬するのが、「モンキー的映画のススメ」のモンキーさんです。

 

www.monkey1119.com

 

モンキーさんは、

  • 新作映画の予習を欠かさず
  • 劇場公開されるや否や、いの一番に見に行き
  • わかりやくすく、ユーモア溢れるレビュー記事をすぐさまアップ、
  • 新作を観るか観ないか迷った時は、彼のブログを参考にすると良いと言われる

人気ブロガーです。彼も「広がり」の中でレビュー記事を書いており、わかりやくすくすらすら読めるからと言って、必ずしも簡単に書けているわけではないと思います。そして何よりも、自宅でマイペースで楽しんでいる私とは異なり、時間の制約の中で、いの一番に劇場に駆けつけ、新作を鑑賞、リアルタイムにレビュー記事をアップし続けるのは並々ならぬことで、頭が下がる思いです。劇場公開されたばかりの新作のレビューをお読みになりたい方は、是非、モンキーさんの記事を参考にしていただければと思います。