夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「THE GREY 凍える太陽」:人は生きる望みが無くても戦える!

THE GREY 凍える太陽」は、2012年公開のアメリカのスリラー映画です。監督はジョー・カーナハン、出演はリーアム・ニーソン他。制作にリドリー・スコットトニー・スコットが入っています。リーアム・ニーソン扮する射撃のプロが乗った飛行機が嵐に巻き込まれ、アラスカの山中に不時着します。運良く生き残りますが、無慈悲な自然の厳しさと、人を食い殺すオオカミの執拗な攻撃という絶望的な状況に直面します・・・。

 

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彼が出演する他の映画同様、リーアム・ニーソン扮する射撃のプロは悩みを抱え、生きる望みを失っています。最初に背景説明的なシーンはありますが、飛行機が不時着してからのプロットはシンプルです。ただただ、自然の厳しさとオオカミに襲われるだけ。

 

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THE GREY 凍える太陽」は、どこかしら哲学的な匂いがします。同じセリフが何度か繰り返されます。  

Don’t be afraid.(恐れるな。)  

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Once more into the fray.(もう一度 闘って)  

Into the last good fight I'll ever know. (最強の敵を倒せたら)  

Live and die on this day.(その日に死んで 悔いはない)  

Live and die on this day.(その日に死んで 悔いはない)  

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後の4行は、リーアム・ニーソン扮する射撃のプロの父親が残した詩です。

 

厳しい状況下では、生き延びられるかどうかもわからない。ひとつだけ明らかなのは、戦いの放棄は死を意味すること。例え生き残る望みがなくても、ひたすら戦うことが人間のレーゾン・デートール(存在証明)だ、「THE GREY 凍える太陽」からはそんなメッセージが伝わってきます。300人のスパルタ兵が100万のペルシア軍の迎え撃つという、テルモピュライの戦いを描いた映画「300(スリー・ハンドレッド)」を思い出しました。生き残る望みがなくても、人は戦えるのかもしれません。

 

エンドロールの後にワン・シーンあります。なお、映画のタイトル 「THE GREY 凍える太陽」は、ソフト発売の際に『ザ・グレイ』という邦題に改題されています。

 

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リーアム・ニーソン出演作品のDVD(Amazon

  「ダークマン」(1990年)

  「シンドラーのリスト」(1993年)

  「マイケル・コリンズ」(1996年)

  「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004年)

  「バットマン ビギンズ」(2005年)

  「THE GREY 凍える太陽」(2012年)

  「ダークナイト ライジング」(2012年)

 

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