夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「もしも昨日が選べたら」:万能リモコンで人生を操り、手に入れるもの

「もしも昨日が選べたら」 (原題: Click) は、2006年公開のアメリカのSFファンタジー・コメディ映画です。家庭より仕事を優先させる男が、ひょんなことから人生をコントロールできる万能リモコンを手に入れ、そのリモコンに振り回されるさまを描くハートウォーミングなコメディです。

 

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監督: フランク・コラチ
出演: アダム・サンドラー(マイケル・ニューマン)
    ケイト・ベッキンセイル(ドナ・ニューマン)
    クリストファー・ウォーケン(モーティ)
    ほか

 

【あらすじ】

建築士のマイケル・ニューマン(アダム・サンドラー)は、美しい妻ドナ(ケイト・ベッキンセイル)と2人の子どもたちの為に懸命に働く日々を過ごしていたが、仕事優先で家族を顧みる余裕がありませんでした。ある日ホームセンターで、怪しげな従業員モーティ(クリストファー・ウォーケン)から人生を早送りや巻き戻しできる不思議なリモコンを手に入れ、妻との口論を早送りしたり、犬の吠え声を消音したりと、人生を思い通りに操作し始めるマイケルでしたが・・・。

 

現実の生活をリモコンで操作するというのは、面白いアイディアです。妻のドナに口うるさく言われるシーンでマイケルがポーズかけてしまいますが、この気持ち、よくわかります。マイケルは、仕事に目一杯、手一杯で、妻の話を聞いている余裕がありませんでした。が、こうした安易な早送りが、後々、災いとなります。妻役にはドリュー・バリモアも候補に挙がっていましたが、辞退しました。ドリュー・バリモアだと、より現実感が増すような気がします。美しいケイト・ベッキンセイルでまだ、救われているのかもしれません(それでも十分に痛いですが)。

 

ドナにポーズをかけてしまったマイク〜「もしも昨日が選べたら」

Donna: So I talked to the kids.
Michael: Oh, yeah? They're very understanding about not going camping this weekend.
Michael: Great.
Donna: They could have a sleepover instead.
Michael: That's a great idea. Thank you, thank you. Thanks for being so cool about this too. Donna: Can I ask you something?
Michael: Yes. Donna: After you do all this work and become a big player at your company... do you think you're gonna have more time for us... or are things just gonna get even more out of control?
Michael: Wait. When I get to that place and become a boss... a millionaire, a big shot, the first thing I'm gonna do... is hire a bunch of idiots just like me to do all my work. So then you, me and the kids can do whatever the hell we want. You just gotta give me some time. Don't give me that look. I'm just saying, give me some support. All right? I love you. Go to sleep.
Donna: Just think about it, Michael.

ドナ:子供達に話したわ。二人とも、今週末のキャンプは我慢すると言ってくれたわ。
マイケル:いいね。
ドナ:代わりにお泊まり会をすることにした。
マイケル:いいアイディアだ。本当にありがとう。君が冷静でいてくれて助かった。
ドナ:ねえ、ひとつ聞いていい?
マイケル:いいよ。
ドナ:こうやって、仕事に精を出していつか大出世したら、家族と過ごせる時間が増えるの?それとも、もっと忙しくなるだけ?
マイケル:ちょっと、待てよ。もし、重役クラスの大物になって、大金持ちになれたとしたら、まず最初に下っ端を大勢雇って、仕事を全部まかせる。そうすりゃ、君も子供達と楽しく過ごせるようになる。今が我慢のしどころさ。そんな顔をするなよ。とにかく、今は応援してほしいんだ。いいね、愛してるよ。お休み。
ドナ:良く考えてマイケル。

 

仕事か、家族かという問題は誰でも遭遇すると思いますが、一概にどちらかという問題ではなさそうです。稼がずに生活することはできませんし、家族をないがしろにすると、自分にとっても不本意な結果になりかねません。

 

家族より仕事を選んだ男の末路〜「もしも昨日が選べたら」

Morty: Michael.Those machines are keeping you alive.
Michael: I gotta talk to my boy.
Morty: Michael, stop.
Michael: No.
Morty: Michael, it doesn't have to end now.
Michael: Ben! Ben! Ben! Ben!
Ben: Dad? Dad? Dad, what are you doing? Are you okay? Oh, my God. Help! Help! Dad! Dad! Help!
Michael: Ben, Ben. Family. Family. Family.
Ben: What?
Michael: [dying] Family, family... Family comes first.
Ben: [crying] Family comes first.
Michael: Honey... honeymoon
Ben: [still crying] Honeymoon [to his wife; still crying]
Ben: I love you.
Michael: Samantha... I didn't make it to 200 but I love you.
Samantha: I love you, Daddy.
Michael: Bill, Bill, Bill.
Michael: [weakly gives Bill the finger and laughs] No no, no no, I'm sorry.
Michael: [Give the Okay sign]
Morty: Michael. The note you wrote her, it's in your pocket.
Donna: [sees the note - it reads 'Will you still love me in the morning?' ]
Donna: Forever and ever, babe.
Morty: It's time to go.
モーティ:マイケル、あの機会のおかげで君は生きているんだぞ。
マイケル:息子と話さなきゃ。
モーティ:マイケル、戻れ。
マイケル:いやだ。
モーティ:マイケル、わざわざ死に急ぐな。
マイケル:ベン、ベン、ベン、ベン。 ベン:パパ、パパ、パパ。何してるの?大丈夫?誰か、助けて。誰か。
マイケル:家族、家族、家族。
ベン:何。 マイケル:家族が一番大事だ。
ベン:わかった、家族が一番大事。
マイケル:ハネムーンに行くんだ。
ベン:わかった、ハネムーン。(妻に向かって)愛してるよ。
マイケル:サマンサ、200歳まで生きられないけど、愛してるよ。
サマンサ:私もよ。
マイケル:ビル、ビル、ビル。
マイケル:(ファック・ユー・サインを出す)
マイケル:悪かった。
マイケル:(オーケー・サインを出す。)
マイケル:(ドナに向かって)悪かった。
モーティ:君の書いたメモがポケットに入っている。
ドナ:(メモを見る。「明日の朝も愛してくれる?」と書いてある。)
ドナ:いつまでにも永遠にね。

 

因にマイケルとドナは既に離婚しており、マイケルは死ぬ間際になってそれまで認めていなかったビル(ドナの新しいパートナー)を認めざるを得なくなりました。マイケルとドナが出会った時に、ドナがマイケルに「明日の朝も愛してくれる?」と聞いて、マイケルが「いつまでにも永遠にね。」と答えているのですが、死ぬ間際になってドナと逆の会話をしても既に時遅しです。フィクションとは言え、とても人ごととは思えませんね(笑)

 

一般にアメリカ人は日本人より家族を大切にすると言われますが、日本でもより家族を大切にするにするようになってきました。とは言え、仕事か、家族かという問題は以前として悩ましく、また、対応も人に様々でしょう。仕事に尽くしても報われないかもしれないし、家族に尽くしても幸せになれないかもしれません。はっきりしているのは、仕事に熱中するあまり家族を想う心の余裕を失うことは良い結果を招かないことでしょうか。モーティからマイケルに宛てたモーティの手紙です。

Like I Said, "Good Guys Need A Break". I know you'll do the right thing this time. Love Morty. P.S. Your Wife's Rockin' Body Still Drives Me Crazy.

前にも言った様に、善人には休息が必要だ。今度こそ、正しいことをしてkくれると思う。親愛なるモーティより。追伸:未だに君の奥さんのいけてるボディに夢中だ。

 

アダム・サンドラーはコメディアン出身でヒット作も多いのですが、「パンチドランク・ラブ」、「再会の街」など、静かな雰囲気の役柄を静かに演じた作品の評価も高いです。

 

「アンダー・ワールド」シリーズで有名になったケイト・ベッキンセールですが、シリーズ以外で主役を演じた作品では「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀」が高い評価を得ています。製作会社が完成直後に破産、一般公開はされずお蔵入りとなってしまいましたが、プレミア試写の段階では好意的な批評を多く受けただけに、ちょっと不幸な作品と言えるかもしれません。日本でも2012年にDVDが発売されていますので、一見に値すると思います。

 

アダム・サンドラーの出演作のDVD(Amazon

  「パンチドランク・ラブ」(2002年)

  「50回目のファースト・キス」(2004年)

  「再会の街で」(2007年)

  「素敵な人生の終わり方」(2009年)

 

ケイト・ベッキンセイル出演作品のDVD(Amazon

  「から騒ぎ」(1993年)

  「ジェーン・オースティンのエマ」(1996年)

   「アビエイター」(2004年)

  「アンダーワールド」シリーズ(2003年〜2012年)

  「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀」(2008年)

 

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