トム・クルーズ:バイク、車の腕前はセミプロ級、危険なスタントを自らこなす、ハリウッド最後の大スター
トム・クルーズ(1962年〜 )は、ニューヨーク出身のアメリカの俳優、映画プロデューサーです。ウェールズ、アイルランド、イングランド、ドイツなどの血を引く両親を持ち、12歳のときに両親が離婚、経済的に苦しい生活を送ります。学生時代はレスリングに熱中しますが、怪我の為に挫折、演劇に関心を持つようになります。青春映画の端役を演じた後、「卒業白書」(1983年)の瑞々しい演技で注目され、「トップガン」(1986年)が世界的に大ヒット、以降、「ザ・ファーム 法律事務所」(1993年)、「ザ・エージェント」(1996年)、「ミッション・インパッシブル」シリーズ(2006年〜現在)、「マイノリティ・リポート」(2002年)、「コラテラル」(2004年)、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014年)など、数々のヒット作に出演しています。出演作品は、アクション大作からヒューマンドラマ、社会派作品からアート系作品と幅広く、「7月4日に生まれて」(1989年)と、「ザ・エージェント」(1996年)でアカデミー賞主演男優賞に、「マグノリア」(1999年)では助演男優賞にノミネートされています。
自身でバイクを駆けるトム・クルーズ
〜「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015年)
目次
ハリウッド最後の大スター
トム・クルーズは、30年以上にわたりコンスタントにヒットを出し続けているだけではなく、アクション大作からヒューマンドラマ、社会派作品からアート系の作品まで、出演作の幅が広く、「アイズ・ワイド・シャット」(1999年)や「バニラ・スカイ」(2001年)などの実験的な映画でも、トム・クルーズの映画として多くの観客を集めましました。また、新興宗教であるサイエントロジーの熱心な信者であることや、ケイティ・ホームズと婚約以降のメディアの振る舞いを理由に長年のパートナーであったパラマウントが契約更改しないなどの逆風もありましたが、俳優生命を断たれることなく、ヒットを出し続ける姿は、まさに何度殺されても蘇る「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のようだとも言われています。スタジオ幹部たちにとっても、トム・クルーズは、
- かつての彼のように、必ずヒットを狙える安定したスターが育たない中で、トムは依然として人気が高いうえに、過去に大ヒット作がある信頼感と続けてヒット作を出し続ける可能性があり、見た目も若く、仕事熱心である
- 若手の幹部らに会うことを重視するなど親善的で、また自ら積極的にファンに握手をする数少ないスターである
- かつては2000万ドルに上ったギャラも、出演したい作品には安値で応じるようなどギャラの交渉がフレキシブルである
- スターがどうあるべきかをよく理解しており、2005年〜2006年の一時期を除けば、公の場でスターがどう振る舞うべきか、何をすべきかをよくわかっており、プロモーションにも積極的に参加するなど、スタジオ側にも好意的である
と、依然として魅力的な存在です。コンピューター分析によると、近年、興行成績はかつてほど出演者に依存しなくなったとも言われますが、彼に続くような後進の俳優が見当たらず、トム・クルーズはハリウッドの最後の大スターと言われています。
スタントシーン(YouTube)
トム・クルーズは、どんなに危険で、難易度が高くても、基本的に自身でスタントを行うことで知られています。
- ロッククライミング〜「ミッション:インポッシブル2」(2000年)
さすがに撮影では命綱を使用し、編集時にデジタル技術で消しています。 - 眼球スレスレのナイフ〜「ミッションインポッシブル2」(2000年)
ケーブルをナイフに取り付け、万が一の場合でも眼球に刺さらないようしていますが、それでも恐いシーンです。 - ジェット・パック・ファイト〜「マイノリティーレポート」(2002年)
ワイヤワークを使って撮影しています。 - バイク・チェイス〜「ナイト&デイ」(2010年)
この作品ではスタントマンが使われていますが、要所をトム・クルーズ自身が演じることにより効果を上げています。 - ボンネットに飛び乗っての銃撃戦〜「ナイト&デイ」(2010年)
バイクから走る車のボンネットに飛び乗ります。 - 高層ビルをよじ登る〜「ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル」(2011年)
世界で最も高いビル、ブルジュハリファの壁をよじ登ります。 - カー・チェース〜「アウトロー」(2012年)
車とバイクが趣味のトム・クルーズは運転の腕前もセミ・プロ級です。 - バイク・チェイス〜「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015年)
バイクの腕前も素晴らしいです。この作品では離陸する飛行機にしがみつくというスタントも披露しています。 - エミリー・ブラントが語るトム・クルーズの楽観性を象徴するエピソード
劣悪な条件下でスタントの待機している時に「最低最悪」と訴えるエミリー・ブラントに、トム・クルーズが「これは挑戦だ」と答えた話を紹介されて苦笑い。
トム・クルーズの主な出演作品
トム・クルーズ主演のミッション・インポッシブル・シリーズ(Amazon)
「ミッション:インポッシブル」(1996年)
「ミッション:インポッシブル2」(2000年)
「ミッション:インポッシブル3」(2006年)
「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(2011年)
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015年)
「トップガン」(1986年)
「ザ・エージェント」(1996年)
「マグノリア」(1999年)
「マイノリティ・リポート」(2002年)
「コラテラル」(2004年)
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年)
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のDVD(2014年)
「バリー・シール/アメリカをはめた男」(2017年)
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