「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(原題: The Hangover)は、2009年公開のアメリカのコメディ映画です。「ハングオーバー!」シリーズ三部作の第一作となるこの作品は、花ムコの結婚前夜を祝う為にラスベガスのホテルを訪れた男たちが、悪酔いした挙げ句に巻き起こす珍騒動を描いています。
「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(Amazon)
目次
スタッフ・キャスト
監督:トッド・フィリップス
脚本:ジョン・ルーカス/スコット・ムーア
出演:
- ブラッドリー・クーパー(フィル・ウィネック)
ダグの友人、教師、妻子持ち、遊び好きの美男子、3人の中では比較的冷静 - エド・ヘルムズ(スチュアート(スチュ)・プライス)
ダグの友人、歯科医、温厚、皮肉屋、精神的にやや脆い、恋人に反抗できない - ザック・ガリフィアナキス(アラン・ガーナー)
ダグの婚約者の弟、無職、無教養で不作法、肥満体で髭面の変人、時に天才的 - ジャスティン・バーサ(ダグ・ビリングス)
結婚する青年、フィルとスチュの友人、アランの義兄、ベガスで行方不明に - ケン・チョン(レスリー・チャウ)
ほか
あらすじ
ロサンゼルスで5時間後に結婚式なのに花婿の友だちからの電話は「もうダメだ」と言います・・・。
2日前、教師フィル(ブラッドレイ・クーパー)と歯科医スチュ(エド・ヘルムズ)の2人は、結婚を間近に控えた親友ダグ(ジャスティン・バーサ)の為に、ラスベガスでのバチェラー・パーティーを企画していました。勇んでダグと合流した二人でしたが、ダグが連れてきた彼の婚約者の弟アラン(ザック・ガリフィアナキス)は酒とギャンブル禁止のグレムリンような変人でした。一抹の不安を感じながらも、婚約者の父から借りたベンツでラスベガスに到着、フィルとスチュが身銭を切って最高級のスイートを取り、旅を盛り上げます。立ち入り禁止の屋上へ出て、アランが酒で祝杯を上げ、4人は夜のベガスに臨みます。 翌朝、スイートの床で目覚めたスチュは、なぜかニワトリが闊歩する荒れ果てた室内に唖然とします。二日酔いであちこち痛み、おまけに上顎側切歯を1本無くしていました。アランはトイレでトラに遭遇、クローゼットには見覚えのない赤ん坊が・・・。しかし、昨夜の記憶は誰にもありませんでした。そして花婿の姿も見当たらない!フィルの腕に巻かれた病院のリストバンドを手がかりに、三人は消えたダグと記憶を求めてホテルを出ようしますが、ホテルマンが持ってきた車は何故かパトカー!。病院で事情を聞くと、「結婚したと話していた」と言い、教会に向かいます。そこで、ステュがジェイド(ヘザー・グラハム)というストリッパーと電撃結婚していたことがわかります。ホテルにいた赤ん坊は、ジェイドの子供でした。三人はジェイドのアパートを訪ね、赤ん坊を返しますが、アパートに飛びこんで来た警官に逮捕され、保釈の条件として子どもたちのスタンガン講習に実験台になります。三人はベンツを取り戻しますが、そのトランクから飛び出してきた全裸の東洋人にめった打ちにされます。三人がホテルに戻ると部屋に元世界チャンピオンのマイク・タイソンがいます。トラはタイソン邸から盗んだものだった。暴れるトラを何とか返してタイソンと和解した三人は、帰りに昼間の東洋人レスリー・チャウが率いる集団に襲われます。昨夜カジノでフィルたちが間違えて持ち帰ったカバンに8万ドルの現金があったはずだというチャウに、現金と引き換えにダグを返すと言われ、三人はアランが考えたイカサマ・ブラックジャックで8万ドルを稼ぎます。しかし、約束の場所へ行くと渡されたの売人の黒人ダグと、ダグ違い。ロスアンジェルスでの結婚式まであと5時間、花婿は見つからず、万事休すです・・・。
レビュー・解説
酒の勢いとは言え、あまりに型破り。いったい何故?ということが次々と起こり、笑わされます。二日酔いで目覚めた朝、何故かホテルのスイートルームにニワトリがいる。何故か、スチュの歯が一本抜けている。これは、序の口でバスルームにはトラがいるし、クローゼットの中には人の赤ちゃんが!街に出ようと自分たちの車を回してもらうと、ホテルマンが持ってきたのはなんとパトカー!あり得ないことが次々起こるのですが、当の本人たちも記憶にないまま、二日酔いを抱えながら大真面目に解決しようする様に、また笑わされます。少しずつ自分たちがしでかした事の謎を解きながらまた笑わせるこの映画、公開時、米国映画史上で最も大きな興行成績を収めたR指定のコメディというのもうなずけます。
二日酔いの朝、スイートルームに何故かニワトリが!
歯が一本、抜けている!
バスルームに虎が!
クロゼットに赤ちゃんが!
ホテルマンが持ってきた車は、借りてきたベンツではなくパトカー!
ちなみに、部屋にニワトリがいた理由は、映画では明らかにされていませんが、酔っぱらった三人がトラのエサ用に調達したという設定のようです。エド・ヘルムズの歯が本当に抜けている様に見えてびっくりしたのですが、もともと彼にはこの歯がなく、入れていた義歯を外して撮影しています。トラはマイク・タイソン邸から盗んだことが明らかになりますが、マイク・タイソンは実生活でも9頭のトラを飼っています。バチェラー・パーティの男どもに赤ちゃんという設定には笑わされますが、赤ちゃんの撮影は大変です。撮影には三組の双子の赤ちゃんがスタンバイしました。
ブラッドリー・クーパーの出世作となった「ハングオーバー」ですが、共演のエド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ケン・チョンらが強烈な個性を放っています。エドは義歯を外しての熱演、スタンドアップ・コメディアン出身のザックは彼の演題にひっかけて「デブのキリスト」と呼ばれています。韓国系アメリカ人のケン・チョンは実生活では医師でもあるのですが、自ら提案して車のトランクから素っ裸で飛び出す熱演です。濃すぎる位のキャラですが、彼らは、ブラッドリー・クーパーとともに「ハングオーバー」シリーズ三部作を通して楽しませてくれます。
スタンドアップ・コメディアン出身のザック・ガリフィアナキス
車のトランクから素っ裸で飛び出すケン・チョン
パトカーのミニカー(フィギュア付)(Amazon)
動画クリップ(YouTube)
恐怖の二日酔いの朝
撮影地(グーグルマップ)
四人が宿泊したラスべガスのシーザーズパレス
「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(Amazon)
関連作品
「ハングオーバー」シリーズの他の作品
「ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える」のDVD(Amazon)
「ハングオーバー!!!最後の反省会 」のDVD(Amazon)
ブラッドリー・クーパーの出演作品のDVD(Amazon)
「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」(2012年)
「世界にひとつのプレイブック」(2012年)
「アメリカン・ハッスル」(2013年)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)
「アメリカン・スナイパー」(2015年)