「ドリームガールズ」は、2006年公開のアメリカのミュージカル映画です。歴史的なヒットを記録したブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」を原作とし、黒人のレコード・レーベル、モータウンの伝説的な黒人女性グループ「スプリームス」のメンバー、ダイアナ・ロス、メアリー・ウィルソン、フローレンス・バラードをモデルに、ビル・コンドン監督・脚本、ジェイミー・フォックス、ビヨンセ・ノウルズ、エディ・マーフィ、ジェニファー・ハドソンら出演で、女性コーラス・グループ「ドリームガールズ」の波乱の道のりを感動的に描いています。原作のブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」は、スプリームスのメアリー・ウィルソンの自伝「Dreamgirl: My Life As a Supreme」がベストセラーになり、「ドリームガールズ」として上演されたものです。
目次
スタッフ・キャスト
- ジェイミー・フォックス(カーティス・テイラー・ジュニア)
モータウン・レコードの創設者、ベリー・ゴーディ・ ジュニアがモデル。レインボー・レコードがモータウンに相当。 - ビヨンセ・ノウルズ(ディーナ・ジョーンズ)
ソロ歌手でもある、シュープリームスのメンバー、ダイアナ・ ロスがモデル。シュープリームスは劇中のザ・ドリームズに相当。 - エディ・マーフィ(ジェームス「サンダー」アーリー)
リトル・リチャード、ジェームス・ブラウン、サム・クック、ジャッキー・ウィルソン、ウィルソン・ピケット、マーヴィン・ゲイ等のソウ ル/R&Bシンガーからインスパイアされている。 - ジェニファー・ハドソン(エフィ・ホワイト)
シュープリームスのメンバー、ローレンス・バラードとソウル歌手のエタ・ジェイムズからインスパイアされている。 - アニカ・ノニ・ローズ(ローレル・ロビンソン)
シュープリームスのメンバー、メアリー・ウィルソンからインスパイアされている。 - キース・ロビンソン(C.C.ホワイト)
モータウンの歌手でソングライターのスモーキー・ロビンソンにインスパイアされている。
ほか。
あらすじ
1960年代のアメリカ一の車の町デトロイト。その町のライブハウスで、ディーナ、エフィ、ローレルの三人からなるヴォーカル・トリオ「ドリーメッツ」が、ライブハウスの出演を賭けてオーディションを受けていました。その三人に目をつけたのが中古車ディーラーを営み、かつジミー・「サンダー」・アーリーのプロデューサーをしていたカーティス・テイラー・ジュニアでした。ジミーの女癖の悪さから彼のバックコーラスを失い、新しいバックコーラスを探していた彼は、ドリーメッツの声を聞き、バックコーラスとして、週500ドルで彼女たちを雇います。C.C(エフィの兄)の作曲した"Cadillac Car"を聞き、これは売れると思ったカーティスは、レーベル「Rainbow Records」を立ち上げます。黒人局のみで流されたこの歌はR&Bランクで一ケタ台の順位をたたき出すなどヒットになりましたが、白人によって曲を盗まれてしまいます。カーティスはこのことから「金を使って白人局にも流してもらおう」と、持っていた中古車を全て売り払い、ディーラーの跡地を本格的なスタジオにし、「Steppin' To The Bad Side」を発売します。しかしこの頃からエフィとその他のRainbow Recordsのメンバーの中に亀裂が走り始めます・・・。
レビュー・解説
ミュージカル仕立てで歌も素晴らしいのですが、中でも中盤にエフィが歌う「And I Am Telling You I Am Not Going」が圧巻で、もの凄い迫力です。エフィ・ホワイトを演ずるジェニファー・ハドソンは「ドリームガールズ」のオーディションで782名の参加者の中から審査員の満場一致で選ばれたシンデレラガールですが、歌唱力も存在感もたっぷりで、主演のビヨンセが霞んでしまうほど・・・。 このエフィ・ホワイト役で見事、彼女はアカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
実在のフローレンスはダイアナよりも歌唱力に優れていた為、ビヨンセは忠実に事実を再現するために敢えて映画では声を抑えているという説もありますが、映画の終盤で聞かせるビヨンセの「Listen」は見事です。 また、映画の最初の方で歌われるジェニファー・ハドソンの「ムーブ」も軽いのりでいい感じですし、映画の終盤で歌われる二つの「ワン・ナイト・オンリー」(ソウルとディスコ、各々、ジェニファー・ハドソンとビヨンセ)の対比は、ソウルとディスコ双方の魅力を余すことなく、伝えてくれます。
左から、アニカ・ノニ・ローズ(ローレル・ロビンソン)、
ビヨンセ・ノウルズ(ディーナ・ジョーンズ)、
ジェニファー・ハドソン(エフィ・ホワイト)
ジェイミー・フォックス(カーティス・テイラー・ジュニア)
エディ・マーフィ(ジェームス「サンダー」アーリー)
サウンドトラック
「ドリームガールズ」オリジナル・サウンドトラックCD(Amazon)
1. ムーヴ 2. フェイク・ユア・ウェイ・トゥ・ザ・トップ 3. キャディラック・カー 4. ステッピン・トゥ・ザ・バッド・サイド 5. ラヴ・ユー・アイ・ドゥ 6. アイ・ウォント・ユー・ベイビー 7. ファミリー 8. ドリームガールズ 9. イッツ・オール・オーヴァー 10. アンド・アイ・アム・テリング・ユー ・アイム・ノット・ゴーイング 11. ホウェン・アイ・ファースト・ソウ・ユー |
12. ペイシェンス 13. アイ・アム・チェンジング 14. アイ・メント・ユー・ノー・ハーム /ジミーズ・ラップ 15. ワン・ナイト・オンリー 16. ワン・ナイト・オンリー (ディスコ ・ヴァージョン) 17. リッスン 18. ハード・トゥ・セイ・グッドバイ 19. ドリームガールズ (ファイナル) 20. ホウェン・アイ・ファースト・ソウ・ユー (デュエット) |
動画クリップ(YouTube)
And I Am Telling You I'm Not Going 〜「ドリームガールズ」
ジェニファー・ハドソンは、オーディションで782名の参加者の中から審査員の満場一致で選ばれたシンデレラガールですが、歌唱力も存在感もたっぷりで、主演のビヨンセが霞んでしまうほど。本作で見事、アカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
リッスン 〜「ドリームガールズ」
実在のフローレンスはダイアナよりも歌唱力に優れていた為、忠実に再現するために映画ではビヨンセは声を抑えているという説もあるが、終盤で迸るように聞かせるビヨンセの「Listen」は圧巻です。
ワン・ナイト・オンリー(ソウル・バージョン)〜「ドリームガールズ」
ジェニファー・ハドソンのソウル版と、ビヨンセのディスコ版がフィーチャーされている。これはジェニファー・ハドソンのソウル版で、ビヨンセのディスコ版に比べシリアスで情熱的です。
ワン・ナイト・オンリー(ディスコ・バージョン)〜「ドリームガールズ」
これはビヨンセのディスコ版。ジェニファー・ハドソンのソウル版に比べ軽く華やかで、ノリの良い仕上がりです。
ムーブ〜「ドリームガールズ」
序盤のジェニファー・ハドソンの「ムーブ」も軽いのりでいい感じ。
実際のスプリームスの映像。
関連作品
Mary Wilson "reamgirl: My Life As a Supreme"
「ゴッド・アンド・モンスター」(1998年)監督・脚本
「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004年)監督・脚本
「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」(2015年) 監督
ジェイミー・フォックス出演作品のDVD(Amazon)
「コラテラル」(2004年)
「Ray/レイ」(2004年)