夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「幸せのレシピ」:完璧主義の女性シェフに欠けていたものは?

幸せのレシピ」(原題: No Reservations)は、2007年公開のアメリカのロマンティック・コメディです。2001年公開のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のハリウッド版リメイクで、料理の腕は一流ですが神経質で人付き合いが下手なヒロインが、新たな人間関係の中で次第に心を解きほぐしていく姿を描いています。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:スコット・ヒックス
出演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(ケイト・アームストロング)
   アーロン・エッカート(ニック・パーマー)
   アビゲイル・ブレスリン(ゾーイ)
   ほか 

あらすじ

マンハッタンの高級レストランの女料理長ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、超一流の腕前で妥協のない仕事をする一方、人付き合いが下手で、客と喧嘩してしまうこともありました。そんなある日、たった一人の肉親だった姉が事故で亡くなり、ケイトは遺された9歳の姪ゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)を引き取ることになりました。子どもとの接し方が分からないケイトは、心を開いてくれないゾーイに戸惑い、悩みます。おまけに、仕事場には彼女の知らないうちに陽気なシェフ、ニック(アーロン・エッカート)が副料理長として雇われ、彼女の領分を侵し始めました・・・。

レビュー・解説 

ハリウッド版リメイクの「幸せのレシピ」は、オリジナルのドイツ版「マーサの幸せレシピ」に比べてより都会的でスタイリッシュな仕上がりとなっています。「ディナーラッシュ」や「マーサの幸せレシピ」のようにキッチンを描いた映画の楽しみのひとつは、まるで戦場のような繁忙時のシーンですが、「幸せのレシピ」もお約束の大忙しのキッチンのシーンが登場します。全体の印象を料理に例えると、ドイツ版「マーサの幸せレシピ」は力強い個性的な味、ハリウッド版リメイクの「幸せのレシピ」は口当たりの良い万人受けする味といった感じでしょうか。

 

キャサリン・ゼタ=ジョーンズは、前半の、成功したものの神経質な女性シェフをよく演じていますが、底を流れるエネルギーや力強さは、ドイツ版「マーサの幸せレシピ」の方が大きいような気がします。好みもあると思いますが、後半のプロットも少し異なるので、両方を見比べてみても面白いと思います。

 

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関連作品

幸せのレシピ」のオリジナル版(Amazon

  「マーサの幸せレシピ」(2002年)

 

キャサリン・ゼタ・ジョーンズの出演作のDVD(Amazon

  「マスク・オブ・ゾロ」(1998年)

  「ハイ・フィデリティ」(2000年)

トラフィック」(2000年)

  「シカゴ」(2002年)

  「ディボース・ショウ」(2003年)

  「サイド・エフェクト」(2013年)

 

料理や調理シーンを描いた映画

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幸せのレシピ (字幕版)
 
幸せのレシピ(吹替版)