「オール・ユー・ニード・イズ・キル」:エミリー・ブラントのビッチぶり
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(原題: Edge of Tomorrow、別題:Live Die Repeat)は、2014年公開のアメリカのSF映画です。原作は桜坂洋による日本のライトノベル「All You Need Is Kill」、監督はダグ・リーマン、出演はトム・クルーズ、エミリー・ブラントほか。英語圏で「Edge of Tomorrow」という英題で公開されましたが、日本では桜坂による原作小説のタイトルに準じた「オール・ユー・ニード・イズ・キル」という日本語のタイトルで公開されました。英語圏ではソフト発売の際に、映画公開時のキャッチコピーに準じた「Live Die Repeat」という英題に変更されています。
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目次
キャスト・スタッフ
監督:ダグ・リーマン
脚本:ダンテ・W・ハーパー/ジョビー・ハロルド/クリストファー・マッカリー/ティム
・クリング/ジェズ・バターワース/アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー
原作:桜坂洋「All You Need Is Kill」
出演:トム・クルーズ(ウィリアム・ケイジ)
エミリー・ブラント(リタ・ヴラタスキ)
ビル・パクストン(ファレウ曹長)
ブレンダン・グリーソン(ブリガム将軍)
ノア・テイラー(カーター博士)
ほか
あらすじ
近未来の地球では、侵略者の激しい攻撃に人類の軍事力では太刀打ちできなくなっていました。対侵略者の任務に就いたウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)は、戦闘によって死亡しますが、タイムループの世界にとらわれ戦闘と死を繰り返すことになります。そんな中、特殊部隊の軍人リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)と出会ったケイジは、……。
レビュー・解説
原作と異なる部分もありますが、プロット、キャスト、映像、音響、ともに申し分無く、フルに楽しめる第一級のエンターテインメント映画です。トム・クルーズが主役を務めた映画の中でもベストのひとつです。死んでも死んでも生き返るトム・クルーズは、大胆不敵なイーサン・ハントを演じたミッション・インポッシブルを彷彿とさせます。
驚いたのはエミリー・ブラント。女兵士にしては少し線が細いのではないかと思いましたが、「フル・メタル・ビッチ」役を完璧にこなしています。撮影の為に彼女が着たメタルスーツは約40キロもあったといい、そのスーツを着てアクションシーンをこなすことが分かった時は泣けてきたそうですが、考えてみれば、パワースーツを着用した近未来の接近戦では、筋力が必ずしも優位ではなくなります。集中力とか俊敏さ、演ずる場合は表情がより重要になるでしょう。
彼女は「マイ・サマー・オブ・ラブ」でも結構なビッチぶりを発揮していますが、極悪と言うわけではない、一種独特のアクがあります。トム・クルーズがどうしても彼女と共演したくて声をかけたと言われていますが、そういうところに惹かれたのかもしれませんね。本人はエクササイズがあまり好きではなく、いわゆるスポーツウーマンではないのですが、知的でスタイルが良く、内面の強さを感じさせる顔立ちのせいか、本作以外にもアクション映画出演のオッファーも少なくないようです。
エミリー・ブラントのビッチぶり
死んでも生き返るという設定は、やり直しのきくゲーム的な設定でもありますが、その分、脊髄損傷して動けなくなったり、何度も殺されてしまったり、疲れ果ててしまったりと、他の作品ではあまり見られないトム・クルーズを見る事ができます。
何度も殺されるトム・クルーズ
戦争映画につきものの鬼軍曹、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」にもご多分に漏れず出てきます。もったいぶった口調で説教していますが、下っ端の兵士の思想教育は、もっぱらこうした鬼軍曹が担っているのかもしれません。言ってる事はもっともらしいですが、死をも恐れずに戦うよう部下達を育てるのですから大変な仕事ではあります。
ファレル軍曹:まだ望みはある。戦場で手柄を立てればな。戦いはつぐないとなる。地獄の戦場が真の英雄を生む。薄汚い寄生虫野郎も戦場で戦う時だけは、皆、同格だ。
ファレル軍曹の戦訓
ファレル軍曹:キンメル、私のギャンブル観は?
キンメル二等兵:「地獄堕ち」と。
ファレル軍曹:なぜかな?
ナンス二等兵:「運命を人に委ねる行為だから」
ファレル軍曹:私は「運命」をどう定義しているかな?
全員:「兵士たるもの運命は自らが支配せよ」
ファレル軍曹:今は皮肉に思えても、やがてその正しさがわかる。
トム・クルーズが死ぬのを何度も見なければならない、大変な映画ではありますが、見終わってみると、確かにファレル軍曹が言っていることが正しいことがわかるという仕掛けになっています。
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関連作品
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ライトノベル版「All You Need Is Kill」 [ 桜坂洋 ]
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「バリー・シール/アメリカをはめた男」(2017年)
「ボーン・アイデンティティー」(2002年)
「フェア・ゲーム」(2010年)
トム・クルーズ出演作品
「マイ・サマー・オブ・ラブ」(2004年)
「プラダを着た悪魔」(2006年)
「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(2007年)
「サンシャイン・クリーニング」(2009年)
「ヴィクトリア女王 世紀の愛」(2009年)
「LOOPER/ルーパー」(2012年)
「クワイエット・プレイス」(2018年)
「メリー・ポピンズ リターンズ」(2018年)