夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「夜の浜辺でひとり」:監督自身の不倫に触発され、ドイツと韓国を舞台に報われぬ不倫の恋に悩みキャリアから遁走する女優を叙情的に描く

「夜の浜辺でひとり」( 原題:밤의 해변에서 혼자、英題:On the Beach at Night Alone)は、2017年公開の韓国のドラマ映画です。ホン・サンス監督のミューズであり、プライベートで不倫関係にある女優キム・ミニとのコラボ作品で、不倫スキャンダルで異国…

「悲しみに、こんにちは」:両親を亡くした都会っ娘が田舎の叔父夫婦、年下の従姉妹と過ごすカタルーニャの夏を描いた自伝的人間ドラマ

「悲しみに、こんにちは」(原題:Estiu 1993、英題:Summer 1993)は、2017年公開のスペインのドラマ映画です。監督自身の幼少期の体験に基づき、カルラ・シモン監督・脚本、ライア・アルティガス、パウラ・ロブレスら出演で、病気で両親を亡くしたバルセロ…

「正しい日 間違えた日」:男女の出会いを二通りの展開で描き、認識と行動、人間関係の無限の可能性を示唆する異色のラブストーリー

「正しい日 間違えた日」(原題:지금은맞고그때는틀리다、英題:Right Now, Wrong Then)は、2015年公開の韓国のドラマ映画です。ホン・サンス監督、チョン・ジェヨン、キム・ミニら出演で、映画監督チュンスと女性美術家ヒジョンの運命的な出会いと二通り…

「ウインド・リバー」:強者生存の雪原を舞台に、傷心のハンターと女性FBI捜査官が先住民のレイプ被害に挑む社会派クライム・サスペンス

「ウインド・リバー」(原題:Wind River)は、2017年公開のアメリカのクライム・サスペンス映画です。テイラー・シェリダン監督・脚本、ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセンら出演で、アメリカ中西部ワイオミング州のアメリカ先住民の居留地で起きた…