夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「運命を分けたザイル」:厳美のアンデス山中で相方にザイルを切られ墜落するも、奇跡的に生還する登山家の凄絶なサバイバルと感情の交錯

「運命を分けたザイル」(原題:Touching the Void)は、2003年公開のイギリスのドキュメンタリー&実録ドラマ映画です。ジョー ・シンプソンの自伝「死のクレバス―アンデス氷壁の遭難」を原作に、ケヴィン・マクドナルド監督、ジョー・シンプソン本人、サイ…

「夏時間の庭」:時代、社会、芸術への洞察を背景に、パリ郊外の自然のに囲まれた家に集う家族を印象派の絵画のように美しく描いたドラマ

「夏時間の庭」(原題:L'Heure d'été)は、2008年公開のフランスのヒューマン・ドラマ映画です。パリ、オルセー美術館の20周年を記念して制作された作品で、オリヴィエ・アサイヤス監督・脚本、ジュリエット・ビノシュら出演で、パリ郊外の古めかしい邸宅を…

「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」:封建時代の日本を舞台に神話的規模感の叙事詩をストップモーション・アニメで描いた冒険ファンタジー

「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(原題:Kubo and the Two Strings)は、2016年公開のアメリカの3Dストップモーション・アニメーションによる冒険ファンタジー&アクション映画です。トラヴィス・ナイト監督、アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マ…

「BPM ビート・パー・ミニット」:自らの活動家経験を基に、死の恐怖と戦い懸命に生きるエイズの若者達をリアルに描いた感動的なドラマ

「BPM ビート・パー・ミニット」(原題:120 battements par minute)は、2017年公開のフランスのドラマ映画です。エイズ活動家団体「ACT UP」におけるロバン・カンピヨ監督とフィリッペ・マンジョの経験を基に、ロバン・カンピヨ監督/フィリッペ・マンジョ…