夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「マダム・イン・ニューヨーク」:慎ましやかなインド女性がニューヨークで英語を学びながら自信を取り戻す姿を描くヒューマン・コメディ

「マダム・イン・ニューヨーク」(原題:English Vinglish)は2012年公開のインドのコメディ映画です。ガウリ・シンデー監督・脚本、シュリデヴィら出演で、英語が苦手で夫や娘にコンプレックスを抱くインド人女性が、ニューヨークを訪れ、英会話学校に通い…

「歌声にのった少年」:パレスチナの暮らしと想い、人の心を一つにするアラブ歌謡の魅力が込められた、実話に基づくサクセス・ストーリー

「歌声にのった少年」(原題:Ya Tayr El Tayer、英題:The Idol)は、2015年公開のパレスチナのドラマ映画です。アメリカで人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のエジプト版に出場、2013年の「アラブ・アイドル」に輝き、スーパースターになっ…

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」:豪華キャストが凄すぎる、訳あり熟年がインドで第二の人生に悪戦苦闘する群像劇コメディ

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(原題:The Best Exotic Marigold Hotel)は、2012年公開のイギリス・アメリカ・アラブ首長国連邦合作のコメディ&ドラマ映画です。2004年発表のデボラ・モガーの小説「These Foolish Things」を原作に、ジョン・…

「ミス・シェパードをお手本に」:敷地内で車上生活する老女と劇作家の奇妙な関係を、深く洞察しつつコミカルに描く英国風味の傑作会話劇

「ミス・シェパードをお手本に」(原題:The Lady in the Van)は、2015年公開のイギリスのコメディ&ドラマ映画です。劇作家アラン・ベネットが彼の自宅前のバンで15年間暮らしていたミス・シェパードを回想した「The Lady in the Van」を原作に、ニコラス…

「パリ、恋人たちの2日間」:フランス版ウディ・アレンと評された、ジュリー・デルピー監督、脚本、主演の傑作ロマンティック・コメディ

「パリ、恋人たちの2日間」(原題:2 Days in Paris)は、2007年公開のフランス・ドイツ合作のロマンティック・コメディ映画です。女優ジュリー・デルピーが監督、脚本、主演など、一人六役を務め、アダム・ゴールドバーグ、ダニエル・ブリュール、アレクシ…

「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」:大学の先輩や仲間との希望に満ちた新生活の始まりをヴィヴィッドに描く秀作

「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」(原題:Everybody Wants Some!!)は、2016年公開のアメリカのコメディ映画です。リチャード・リンクレイター監督が自身の記憶を色濃く反映した「バッド・チューニング」(1993年)、「6才のボク…

「少女の髪どめ」:移民に関わる本質的問題がしっかりと織り込まれた、貧しいイラン人少年とアフガン難民の少女の淡くも感動的な恋物語

「少女の髪どめ」(原題:باران 、英題:Baran)は2001年公開のイランのドラマ映画です。マジッド・マジディ監督・脚本、ホセイン・アベディニ、モハマド・アミル・ナジ、ザーラ・バーラミら出演で、周辺部に多くのアフガン難民が住むテヘランを舞台に、建設…

「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」:アラフォー元祖拗らせ女子をレネー・ゼルウィガーが好演するシリーズ最新作

「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」(原題:Bridget Jones's Baby)は、2016年公開のイギリス・アメリカ・フランス合作のロマンティック・コメディ映画です。シャロン・マグワイア監督、レネー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パト…

「デリカテッセン」:ホラー/SF/ユーモアを融合、独特の美的感覚とユーモアで人心が荒廃したアパルトマンを描き出したダーク・コメディ

「デリカテッセン」(原題:Delicatessen)は、1991年公開のフランスのダーク・コメディ映画です。監督・脚本はこれが長篇デビューとなるジャン=ピエール・ジュネとマルク・キャロ、ジル・アドリアン共同脚本、ドミニク・ピノン、マリー・ロール・ドゥニャ…

河出書房新社「ウディ・アレン」:作家・俳優・映画監督として活躍、世界映画史を代表する知性の様々な側面を浮き彫りにする

「ウディ・アレン」(副題:振り返りながら前進する)は、芝山幹郎×渡部幻の対談や、おおもり・さわこ、井上一馬らの論考、川本三郎、片岡義男らのエッセイなど、再録を含む20人以上の対談、エッセイ、コラム、作品評、論考から、作家・俳優・映画監督として…

「レッドタートル ある島の物語」:無人島を舞台に人間と自然のかかわりを繊細で美しい映像と音楽で描いた、神話的アニメーション映画

「レッドタートル ある島の物語」(原題:The Red Turtle、仏題:La Tortue rouge)は、2016年公開の日本・フランス・ベルギー合作のアニメーション映画です。スタジオジブリ初の国外との共同製作による作品であり、オランダ出身のアニメ作家、マイケル・デ…

「女神は二度微笑む」:熱気渦巻くコルカタを舞台に国家情報局や無差別テロが絡む本格的サスペンスを、美しい妊婦を主人公に描く印度映画

「女神は二度微笑む」(原題:Kahaani )は、2012年公開のインドのヒンディー語によるミステリー&サスペンス映画です。スジョイ・ゴーシュ監督・脚本、ヴィディヤー・バラン、パラムブラト・チャテルジー、ナワーズッディーン・シッディーキーら出演で、失…

「グッバイ、サマー」:現実と夢の記憶を再構成、少年のファンタジックな冒険と友情をノスタルジックにほろ苦く描き出した自伝的青春映画

「グッバイ、サマー」( 原題:Microbe et Gasoil、英題:Microbe and Gasoline)は、2015年公開のフランスの自伝的青春コメディ映画です。「自らが体験したことを元に冒険したかった」というミシェル・ゴンドリーの監督・脚本、アンジュ・ダルジャン、テオ…