夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「地獄の黙示録」:戦争の愚かさを強烈に風刺しながら、傷ついた男の心の闇を描く壮大な叙事詩的大作名画は、メイキングも地獄だった

地獄の黙示録」(原題:Apocalypse Now )は、1979年公開のアメリカの戦争映画です。ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作に、舞台をベトナム戦争に移して翻案した叙事詩的映画で、フランシス・フォード・コッポラ監督、マーロン・ブランドロバート・デュヴァルマーティン・シーンデニス・ホッパーら出演で、1960年代のベトナム戦争下、1人のアメリカ軍将校暗殺を命じられた大尉が4人の兵士と共にジャングルの奥深くで目撃する戦争の狂気を描いています。1979年度のカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得、アカデミー賞では作品賞を含む8部門でノミネートされ、撮影賞と音響賞を受賞した作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:ジョン・ミリアス/フランシス・フォード・コッポラ
   マイケル・ハー(ナレーション)
原作:ジョゼフ・コンラッド「闇の奥」
出演:マーロン・ブランド(ウォルター・E・カーツ大佐)
   ロバート・デュヴァル(ビル・キルゴア中佐)
   マーティン・シーン(ベンジャミン・L・ウィラード大尉)
   フレデリック・フォレスト(ジェイ・“シェフ”・ヒックス)
   サム・ボトムズ(ランス・B・ジョンソン)
   ラリー・フィッシュバーン(タイロン・クリーン・ミラー)
   アルバート・ホール(ジョージ・チーフ・フィリップス)
   ハリソン・フォード(ルーカス大佐)
   G・D・スプラドリン(コーマン将軍 )
   デニス・ホッパー(報道写真家)
   クリスチャン・マルカン(ユーベル・ド・マレー)
   オーロール・クレマン(ロクサーヌ・サロー)
   ジェリー・ジーズマー(CIAエージェント)
   トム・メイソン(配給係の軍曹)
   シンシア・ウッド(キャリー)
   コリーン・キャンプ(テリー)
   ジェリー・ロス(ジョニー)
   ハーブ・ライス(ローチ)
   ロン・マックイーン(負傷兵)
   スコット・グレン(コルビー大尉)
   ほか

あらすじ

ベトナム戦争後期、茹だるような暑さのサイゴンの夏。ブラインドの降りたホテルの一室で、アメリカ陸軍空挺将校、505大隊、173空挺隊所属、特殊行動班員のウィラード大尉(マーティン・シーン)は自虐的に酒を飲んでいます。妻と離婚してまで戦場に戻ってきた彼は、MACV-SOGの一員として、CIAによる要人暗殺の秘密作戦に従事してきた経験が豊富です。そんな彼にナ・トランの情報指令本部への出頭命令があり、第5特殊部隊の作戦将校である元グリーンベレー隊長のウォルター・E・カーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺指令が下されます。

カーツ大佐はウェストポイント士官学校を主席で卒業し、空挺隊員として朝鮮戦争に参加、数々の叙勲歴を持つ、軍が誇るべき人物でしたが、現地人部隊を組織するという目的でナン川上流の奥地に潜入してから、彼の行動は軍が統制できない異常な方向へと進んでいました。情報によると彼はジャングルの奥地で原地人を支配し、軍とは全く連絡を絶ち、自らの王国を築いている、といいます。アメリカ軍の恥である錯乱者カーツ大佐は抹殺しなければならない、というのが軍の考えでした。

この密命を受けたウィラードは、4人の兵士、クリーン(ローレンス・フィッシュバーン)、ランス(サム・ボトムス)、シェフ(フレデリック・ホレスト)、チーフ(アルバート・ホール)とともに、河川哨戒艇に乗り込み、乗組員に目的地を知らせぬまま大河を遡行します。ウィラードは、まず、危険区域通過の護衛を依頼すべく、空軍騎兵隊第一中隊の指揮官キルゴア中佐(ロバート・デュヴァル)を訪ねます。ナパーム弾の匂いの中で目覚めることに歓びさえ感じているキルゴアは、花形サーファーであるランスを見ると、彼とともにサーフィンをする為、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を鳴り響かせながらヘリで編隊飛行をし、数千発のナパーム弾でベトコンの前哨基地を襲撃します。

キルゴアの元を発った彼らは、カーツ大佐の王国へと哨戒艇を進めます。河岸に上陸するたびにウィラードに手渡される機密書類には、カーツの詳細な履歴と全行動が記されており、読めば読む程ウィラードには、軍から聞いたのとは別の人物であるカーツが浮び上ってきます。補給基地では、ジャングルに突如としてプレイメイトのステージが出現するかと思えば、最前線では指揮官抜きで兵士たちが戦い続けているのを目のあたりにします。哨戒艇の若い乗組員たちは、麻薬に溺れ、正気を失っていき、ウィラード自身もカーツの王国に近づくにつれて心の平衡が保てなくなります。

王国に近づいたころ、クリーンが死に、チーフも死にます。やがて王国に着いたウィラードは、アメリカ人のカメラマン(デニス・ホッパー)に会い、彼から王国で、「神」と呼ばれているカーツの真の姿を聞かされます。カーツは狂人なのか、それとも偉大な指導者なのか、ウィラードにもわからないまま、遂にカーツとの対面の日がやってきます・・・。

レビュー・解説

ベトナム戦争を舞台に、戦争の愚かさを強烈に風刺しながら、傷ついた男の心の闇を描く、フランシス・フォード・コッポラ監督の歴史に残る壮大美麗な叙事詩的戦争映画です。

 

ベトナム戦争を舞台にしていますが、イギリスの小説家、ジョゼフ・コンラッドの代表作「闇の奥」(原題:Heart Of Darkness)を原作としてます。1899年に発表されたこの小説は、ジョゼフ・コンラッド自身の経験に基づいており、住民に対する搾取政策で国際的非難を受けたベルギー国王レオポルド2世の「私有地」、コンゴ自由国のあるコンゴ川一帯を舞台に、本部の指示に背き、奥地で崇拝者や現地人から神のように慕われる男、クルツを追う物語です。「闇の奥」というタイトルはアフリカ奥地の闇という意味ですが、人間の心の闇、西欧文明の闇をも意味すると考えられています。

 

1970年代初頭にジョージ・ルーカスジョン・ミリアスの原案で映画化を企画しますが、ベトナム戦争の最中であり、企画は通りませんでした。後にルーカスが「スター・ウォーズ」を製作することになり、映画化の権利はフランシス・フォード・コッポラに譲り渡されました。「これまでにない戦争を体験を通して、戦争を体験した人と同様に観客から大きな反応を引き出したかった」と語るフランシス・フォード・コッポラ監督は、ベトナム戦争を舞台に翻案された「地獄の黙示録」で人の心に潜む闇とアメリカや帝国主義的先進諸国が第三世界与えた衝撃を、写実的というよりはむしろ風刺的、象徴的に描いています。

 

有名なワーグナーの「ワルキューレの騎行*1PAで流しながらヘリでベトコン前哨基地を攻撃するシーンや、プレイメイトが現地の兵士を慰問するシーンなど、物語の前半では現実世界を強烈に風刺します。特に「ワルキューレの騎行」のシーンは圧巻で、サーフィンをするという些細な目的の為にヘリの大部隊でベトコン前哨基地を攻撃するシーンは帝国主義的な植民地政策への強烈な風刺となっています。さらに、ヒトラーが傾倒したというワーグナーの楽曲を持ってきたのも偶然ではないでしょう。この攻撃を指揮するキルゴア大佐のセリフも、戦争におけるヒロイズムを強烈に風刺しています。

Kilgore: I love the smell of napalm in the morning. You know, one time we had a hill bombed, for 12 hours. When it was all over, I walked up. We didn't find one of 'em, not one stinkin' dink body. The smell, you know that gasoline smell, the whole hill. Smelled like... victory. Someday this war's gonna end...

キルゴア中佐:朝のナパーム弾の匂いはたまらん。ある丘を12時間爆撃した後、登ってみたら、すべて焼き払われ、死体ひとつなかった。ガソリンの匂いが丘一帯に立ち込め、勝利を実感した。この戦争もいつか終わる・・・。

 

中盤の指揮官なしに混沌の中で戦う最前線の兵士たちのシーンを境に、物語は戦争の核心であり、心の闇とも言える地獄、「カーツ大佐の王国」へと入り込んでいきます。一寸先が見えない霧の先に、死屍累々のカーツ大佐の王国が現れます。そこでカーツ大佐は、ウィラード大尉に胸のうちを語ります。

 

この映画ではカーツ大佐のみならず、ウィラード大尉も妻と離婚してまで危険な戦場に戻ってくる人間として描かれていますが、実は最初に見た時、カーツ大佐がジャングルの奥にこもった理由がわからず、難解だと感じた記憶があります。その後、故郷の平和な生活より、危険な戦場を選ぶ人が少なからずいることを知りました。例えば、

など、危険な戦場に戻る兵士を描いた映画は少なくありません。83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた「レストレポ 〜アフガニスタンで戦う兵士たちの記録〜」(2010年)のセバスチャン・ユンガー監督は、帰還後にPTSDに苦しみ、パニック障害アルコール中毒などになる兵士たちの姿を実際に見て、兵士たちが懐かしむのは普通の社会で生まれる友情とは異なる、仲間たちとの強い絆であり、一般社会に戻ってきて感じる疎外感が彼らを苦しめると喝破しています。

 

戦場にこだわる理由は、人それぞれで微妙に異なると思われますが、カーツ大佐もウィラード大尉も戦場で傷ついたことは想像に難くありません。軍人一家に育ったカーツ大佐をさらに追い込んだのは、戦場で学んだ「殺さなければ殺される、残虐な行為も躊躇してはならない、命取りになる」というシンプルな戦場の摂理で、その摂理を覆い隠して約束されたエリート軍人の道を進むことを彼は受け入れられなかったのでしょう。ジョン・マイラスが1969年に最初に書いた脚本「The Psychedelic Soldier」は、ベトナム戦争のバカげたシーンを連ねたものでしたが、何度も書き変えるうちに、後半にジョゼフ・コンラッドの「闇の奥」の翻案が付け加えられました。1980年代にかけてベトナム戦争の帰還兵が深刻な心理的障害を示すことがアメリカ精神医学会で研究されるようになり、心的外傷後ストレス障害PTSD)と命名されました。それを病理的側面から捉えているわけではないのですが、この映画を制作する時点でこの心の闇が関わる領域に踏み込んでいた制作者たちに驚嘆します。

 

カーツ大佐が胸のうちを語る台詞

<オチバレ>

Kurtz: I've seen horrors... horrors that you've seen. But you have no right to call me a murderer. You have a right to kill me. You have a right to do that... but you have no right to judge me. It's impossible for words to describe what is necessary to those who do not know what horror means. Horror... Horror has a face... and you must make a friend of horror. Horror and moral terror are your friends. If they are not, then they are enemies to be feared. They are truly enemies! I remember when I was with Special Forces... seems a thousand centuries ago. We went into a camp to inoculate some children. We left the camp after we had inoculated the children for polio, and this old man came running after us and he was crying. He couldn't see. We went back there, and they had come and hacked off every inoculated arm. There they were in a pile. A pile of little arms. And I remember... I... I... I cried, I wept like some grandmother. I wanted to tear my teeth out; I didn't know what I wanted to do! And I want to remember it. I never want to forget it... I never want to forget. And then I realized... like I was shot... like I was shot with a diamond... a diamond bullet right through my forehead. And I thought, my God... the genius of that! The genius! The will to do that! Perfect, genuine, complete, crystalline, pure. And then I realized they were stronger than we, because they could stand that these were not monsters, these were men... trained cadres. These men who fought with their hearts, who had families, who had children, who were filled with love... but they had the strength... the strength... to do that. If I had ten divisions of those men, our troubles here would be over very quickly. You have to have men who are moral... and at the same time who are able to utilize their primordial instincts to kill without feeling... without passion... without judgment... without judgment! Because it's judgment that defeats us.

カーツ大佐:私は恐怖を見た、君が見た恐怖を。君に私を殺人者と呼ぶ権利はない。私を殺す権利はあるが、私を裁く権利はない。恐怖を知らぬ者に、言葉だけで何が必要なのか、説いてわからせようとしても、それは不可能だ。恐怖、恐怖には顔がある。それを友とせねばならない。恐怖と、それに怯える心を友とせよ。さもないと、この二つは恐ろしい敵となる。真に恐るべき敵だ。特殊部隊にいた時のことだ。まるで何世紀も前のことの様に思える。収容所で予防接種をした。子供達にだ。ポリオの予防接種を終えて収容所を出ると、老人が泣きながら後を追ってきた。戻ってみると、予防接種した腕をベトコンが切り落とした後だった。山の様に積まれていた。子供の腕が。今でも覚えている。私は大声をあげて泣きじゃくった。まるで婆さんの様に。自分の歯をすべてむしり取りたかった。決して忘れまいと思った、忘れてはなるぬと。そして悟った。ダイヤの弾丸で撃ち抜かれたような衝撃だった。ダイヤの弾丸が額を貫通した。彼らの資質に驚愕したんだ。迷いのない強い意志だ。完璧で純粋、完全で純然たる意志だ。私は理解した。彼らは私たちより強い。化け物ではなく、同じ人間で、訓練された兵士だからだ。信念を持って戦い、妻も子もいる。愛情に溢れている。なのに暴虐的行為を、一切、ためらわらない。あの強さ。彼らのような兵士を10個師団、指揮できれば、この戦争はたちまち方がつく。真の精鋭とは、モラルがある。それでいて一方では感情がなく、何の興奮もなく、原始的な殺戮本能を発揮できる人間だ。理性的判断力も行使しない。その判断力が敗北をもたらす。

<オチバレ終わり>

撮影も地獄の黙示録だった

映画の内容同様、撮影も大変だったようです。

  • アメリカとベトナム社会主義共和国との国交が無かった為、撮影はベトナムではなくフィリピンで行われた。
  • 軍人(カーツ大佐)の暗殺という内容の為、アメリカ軍の協力が得られなかった。
  • 戦闘機やヘリコプターはフィリピン軍の協力に拠ったが、内戦や反乱のへの実戦出動で撮影のスケジュールが乱れた。
  • フィリピンを襲った台風によりセットが全壊した。
  • フィリピンにはフィルムを現像するラボがなく、コッポラは撮影をすべて終え、アメリカに帰るまで現像されたフィルムを見ることができなかった。
  • ウィラード大尉を演じる予定であったハーヴェイ・カイテルは、撮影開始2週間で降板した。
  • 新たに起用されたマーティン・シーンも、撮影途中に心臓発作で倒れた。
  • 報道写真家役のデニス・ホッパーは、麻薬中毒でセリフが覚えられず、コッポラと衝突した。
  • マーロン・ブランドは、前金を要求した上、原作の「闇の奥」はおろか、脚本も読まずに撮影に現れ、役名のカーツがアメリカ人らしくないと文句を言った(後にコッポラが、何日もかけて現場で「闇の奥」を朗読して聞かせた)。
  • ブランドが想定より40キロ以上も肥満していたため、物語の設定変更、撮影の工夫を余儀なくされた。
  • ブランドのシーンをコッポラ以外が撮影すると文句を言ったり、デニス・ホッパーとの撮影を拒否するなど、ブランドは自己中心的な主張が多く、コッポラは心労で体重を45キロも失い、倒れた。
  • トラブル対策としてストーリーも変更した為、脚本のジョン・ミリアスが不快感を露わにした。
  • 17週間の予定の撮影が16ヶ月間にも延び、撮影したフィルムは230時間余り、編集に3年近くかかった。
  • 映画の完成が遅れるに伴い、制作費も当初予定の1200万ドルが、3100万ドルに膨れ上がった。
  • 莫大な費用と期間を掛けて細部まで拘りぬいて撮影したものの、政治的な理由等で数多くのシーンが劇場公開版から削除された。
  • 1600万ドルはユナイテッド・アーティスツが全米配給権と引きかえに出資したが、残りはコッポラ自身が自宅とナパ・ヴァレーにあるワイン工場を担保に借金で負担した。
  • 度重なる困難に、コッポロはことあるごとに自殺すると宣言した。
  • コッポラは、撮影期間中に無分別にも制作助手に手を出し、妻との結婚生活に厳しい緊張をもたらした。

コッポラの妻エレノア・コッポラは、後に撮影手記「ノーツ - コッポラの黙示録」を出版、また、彼女が撮影の舞台裏を撮影したビデオや録音テープにスタッフ、キャストへのインタビューを加えたドキュメンタリー映画「ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録」(原題:Hearts of Darkness: A Filmmaker's Apocalypse )が1991年公開されましたが、制作現場がいかに「戦場」のようであったかが窺える記録映画となっています。

 

こうした破天荒な舞台裏とともに、

  • 一瞬、戦争を賛美しているのかと勘違いするほどの美しい映像
  • 自然林を一瞬のうちに焼き払う、自然保護団体から強烈なクレームを受けそうな映像
  • 生贄の水牛を実際に屠殺する、動物愛護団体から強烈なクレームを受けそうな映像

など、この様な映画は2度と作ることができないだろうと思われる作品でもあります。いずれにせよ、数々の困難に直面しながらも、完璧を追求しつつ大作をまとめ上げたコッポラのパワーは驚異的です。

 

マーロン・ブランド(ウォルター・E・カーツ大佐)

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言わずと知れた大俳優。前金を要求した上、原作の「闇の奥」はおろか、脚本も読まずに撮影に現れ、想定より40キロ以上も肥満、物語の設定や撮影の工夫を余儀なくされた。自己中心的な主張が多く、コッポラは心労で倒れた。最終的に最長18分にも及ぶ即興の独白(採用は2分)を行うなど、大きな変化を見せたが、キャストで最高額のギャラをもらっている彼の出演時間は終盤のわずか15分だった。

 

ロバート・デュヴァル(ビル・キルゴア中佐)

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カーツ大佐登場の前振りとなる、重要な役割。カーツ大佐役のマーロンブランドの出演時間が少ないため、余計に目立つ存在。馬鹿げた指揮官を、サラリとリアルに演じたロバート・デュバルは、第80回アカデミー賞で、助演男優賞にノミネートされた。

 

マーティン・シーン(ベンジャミン・L・ウィラード大尉)

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チャーリー・シーンとよく似ているチャーリーの実父。水上での撮影が多かったが、実は泳ぐことできない彼は、死ぬ思いだったという。彼は撮影が終わるまでこのことをコッポラに明かさなかったが、この時代の役者魂が感じられる。撮影中に心臓発作に見舞われるという事故もあったが、一部、代役を立てながら、大役をこなした。

 

チャーリー・シーン〜「プラトーン

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この映画には出演していないが、チャーリーはマーティンによく似た実の息子。「プラトーン」で主役を務め、親子でベトナム戦争の名作の主演を務めたことになる。

 

デニス・ホッパー(報道写真家)

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役作りの為、風呂に入らないなど、真剣な面も見せたが、、麻薬中毒でセリフが覚えられず、コッポラとよく衝突した。

 

シンシア・ウッド(キャリー)

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「プレイボーイ」誌のプレイメイトの戦地慰問は実際にあった話で、1965年にプレイメイト・オブ・ザ・イヤーのジョー・コリンズが訪問、兵士に人気のある彼女は名誉GIとなった。この映画ではプレイメイト・オブ・ザ・イヤー1974のシンシア・ウッドが出演している。ミス8月役は実際の1976年8月プレイメイトであるリンダ・ビーティで、ミス5月役のコリーン・キャンプは、映画リリース後の1979年10月に「PLAYBOY」誌で写真を発表している。

 

タイトル

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この映画にはオープニング・クレジットもタイトルもない。タイトルは、映画の後半、壁に描かれた「我々のモットー:地獄の黙示録」という落書きとして現れる。タイトルの版権を主張する為に挿入されたカットと思われる(実際に映画で使用しないと版権を主張できない)。

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アメリカとベトナム社会主義共和国との国交が無かった為、撮影はフィリピンのジャングルで行われました。

 

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