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夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ディオールと私」:ディオール本社のアトリエに初めて映画カメラが入り、デザイナーとお針子がショーを完成させるまでを描く

ディオールと私」は2015年公開のフランスのドキュメンタリー映画です。フレデリック・チェン監督が、フランスの老舗ファッション・ブランド、クリスチャン・ディオールのアーティスティック・ディレクターに就任したラフ・シモンズが、自身初となるオートクチュール・コレクションを発表するまでの8週間を追い、彼とお針子たちの緊張、心配、疲労、そして歓喜の姿を映し出していきます。

 

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目次 

スタッフ・キャスト 

監督:フレドリック・チェン
出演:ラフ・シモンズ(ディオールの新任アーティスティック・ディレクター)
   ピーター・ミュリエー(ラフの右腕)
   フロレンス・シェエ(ディオールのドレス部門職長)
   モニク・バイイ(ディオールのテーラード部門職長)
   カトリーヌ・リヴィエール(オートクチュール・ディレクター)
   オリヴィエ・ヴィアロボス(広報担当)
   シドニー・トレダノ(クリスチャン・ディオールCEO)
   ほか

あらすじ

2012年、空席になっていたディオールのアーティスティック・ディレクターにラフ・シモンズが就任するとの発表は、ファッション業界を驚かせました。彼はベルギー出身、自身の名を冠した男性ブランドやジル・サンダーで活躍していましたが「ミニマリスト」として認識され、知名度も低く何よりもオートクチュール界での経験が皆無でした。彼の抜擢は、パリ・ディオールのアトリエで働く経験豊かなお針子たちにとっても新たな挑戦の始まりとなります。通常5~6ヶ月の準備期間が必要とされる中、パリ・コレクションまでに与えられた時間は異例の8週間でした。シモンズが提案する斬新なアイディアとデザインをもとに、お針子たちが寝る間も惜しんで一枚の布にディオールの魂を吹き込んでいきます。カメラは、アトリエ・フロー(ドレス部門)の活動的で陽気なフロレンス・シェエと、アトリエ・テーラー(テーラード部門)の小心者で機転が利くモニク・バイイの二人の職長に密着します。そんな中、シモンズはノルマンディー地方グランヴィルにあるクリスチャン・ディオールが幼少期に過ごした家を訪れます。ディオールの庭で「回想録を読んでも、お互いの経験の差が埋まらないためにうまく理解できない」「読むのを止めなければならなかった。妙な気分だったが最初のショーが終わるまで読むべきじゃないと思った」とシモンズは語ります。やがてパリに戻ったシモンズにはコレクション発表の場所や演出内容の決定、54着のオートクチュールの完成、マスコミ対応についてなど数多くの業務が待っていました・・・。

レビュー・解説 

初めて映画のカメラが入ったというディオール本社のアトリエの貴重な映像もさることながら、デザイナーとお針子やスタッフが一体となって様々な困難を解決しながら華やかなショーを完成させていく姿は感動的で、ファッション・ファンならずとも魅力的なドキュメンタリー映画です。

 

ラフ・シモンズ(新任のアーティスティック・ディレクター)

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ピーター・ミュリエー(ラフの右腕)

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モニク・バイイ(スーツ部門の職長)

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フロランス・シュエ(ドレス部門の職長)

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カトリーヌ・リヴィエール(オートクチュール・ディレクター)

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オリヴィエ・ヴィアロボス(広報担当)

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シドニー・トレダノ(クリスチャン・ディオールCEO)

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お針子さんたちは女性が多いですが、男性もいます。また、40年以上のキャリアを持つベテランもいます。フレドリック・チェン監督は、本作を「Dior and I」と名付けた理由について、次のように語っています。

彼ら(お針子さんたち)は制作中のドレスをベイビーと呼びます。非常に興味深いことです。私が「ディオールと私」というタイトルを付けた理由はここにあります。「ディオールと私」というのは、ディオールとラフという意味だけではありません。ディオールとモニクであり、ディオールとフロランスであり、コレクションに全身全霊を捧げた職人たち全員のことを指しているのです。

 

お針子さんたち

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本作の見どころのひとつは、抽象画家スターリング・ルビーの作品にインスパイアされたラフ・シモンズが、その色彩をドレスに再現していくプロセスです。この時に発表されたドレスのひとつを、2012年のトロント映画祭の「世界にひとつのプレイブック」のプレミアに、ジェニファー・ローレンスが着用しています。

 

スターリング・ルビーの作品

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スターリング・ルビーの作品

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生地に色彩を再現

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仕立て上がったドレス

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ジェニファー・ローレンス

(2012年トロント映画祭「世界にひとつのプレイブック」プレミア)

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ショーの準備は前日まで続きます。

 

急遽、黒い服が必要になり、白い服にスプレーを吹きかける

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夜を徹して、スパンコールをひとつひとつ生地に縫い付ける

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ラフ・シモンズの発案で、ショーの会場の壁は、一面、生花で埋め尽く、花の香りが漂います。

 

会場の壁を埋め尽くす生花

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会場の壁を埋め尽くす生花

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ショーの招待客には、モナコのシャルレーヌ公妃(グレース・ケリーの孫)、アナ・ウィンター、マリオン・コティヤールシャロン・ストーンジェニファー・ローレンス、ドナテラ・ヴェルサーチなどの顔が見えます。

 

モナコのシャルレーヌ公妃(グレース・ケリーの孫)

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アナ・ウィンター

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マリオン・コティヤール

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シャロン・ストーンジェニファー・ローレンス

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ドナテラ・ヴェルサーチと娘のアレグラ

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クリスチャン・ディオールの生家(現在は美術館になっている)

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撮影地(グーグルマップ) 

クリスチャン・ディオール本社

 

クリスチャン・ディオールの生家

関連作品 

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  「アルマーニ」(2000年)

プラダを着た悪魔」(2006年)

  「ファッションを創る男 カール・ラガーフェルド」(2007年)

  「ココ・アヴァン・シャネル」(2009年)

  「ファッションが教えてくれること」(2009年)

  「ビル・カニンガム&ニューヨーク」(2010年)

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