夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」:スピーディで巧妙な展開のブリティッシュ・クライム・コメディ

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(原題:Lock, Stock and Two Smoking Barrels)は1998年公開のイギリスのクライム・コメディ映画です。カード賭博で借金を抱えて一獲千金を狙う4人組の若者と多数のギャングたちが入り組んで争奪戦を繰り広げる様を、スピーディで巧妙な展開で描き、イギリスで1998年の年間興行成績1位を記録した作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト 

監督:ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー
出演:ニック・モラン(エディ)
   ジェイソン・ステイサム(ベーコン)
   ジェイソン・フレミング(トム)
   デクスター・フレッチャー(ソープ)
   スティング(JD)
   スティーヴン・マッキントッシュ(ウィンストン)
   ヴィニー・ジョーンズ(ビッグ・クリス)
   フランク・ハーパー(ドッグ)
   P・H・モリアーティ(ハリー)
   レニー・マクレーン(バリー)
   ピーター・マクニコール(リトル・クリス)
   スティーヴ・スウィーニー(プランク
   ロニー・フォックス(ミッキー)
   スティーヴン・マーカス(ニック)
   ヴェラ・デイ(タニア)
   アラン・フォード(アラン/ナレーター)
   ジェイク・エイブラハム(ディーン)
   ヴィクター・マクガイア(ゲイリー)
   ヴァス・ブラックウッド(ローリー・ブレーカー)
   ほか

あらすじ

ロンドンのイーストエンド、ヤミ商売で小金を稼ぐチンピラ4人組、リーダー格のエディ(ニック・モーラン)、トム(ジェイソン・フレミング)、ベーコン(ジェイソン・ステイサム)、ソープ(デクスター・フレッチャー)は、ポルノ王として町を牛耳るハチェット・ハリー(P・H・モリアーティ)相手にカード賭博で勝負を挑みますが、ハリーの用心棒バリー(レニー・マクレーン)の八百長にひっかかり、50万ポンドと巨額の借金を作ってしまいます。ハリーはかつて張り合ったエディの父親JD(スティング)の酒場を借金のカタに取り上げる魂胆でした。たった1週間という返済期限に困った4人でしたが、エディの隣に住む麻薬の売人ドッグ(フランク・ハーパー)とブラン(スティーヴ・スウィーニーク)が、ウィンストン(スティーヴ・マッキントッシュ)が上流階級の子弟仲間で営む大麻工場を襲う計画を話しているのを盗み聞き、ブツを横どりすることに決めます。4人は、ギリシャ人のニック(スティーヴン・マーカス)から犯行用に骨董品の2丁の散弾銃を買い取りますが、実はそれは古銃集めが趣味のハリーが右腕のバリーに命じてディーン(ジェイク・エイブラハム)&ゲイリー(ヴィクター・マクガイア)のベンツ兄弟に盗ませませたものでした。ドッグたちからまんまと大金、大麻、そしてどういうわけか交通監視員を横どりした4人は、大麻の売却を仲介人に頼みますが、仲介人が地元の麻薬王ロリー(ヴァス・ブラックウッド)に渡したブツは、実はウィンストンがロリーに渡すはずのものでした。激怒したロリーはエディのフラットを襲いますが、部屋にいたのはブツを4人に横どりされエディら四人組に復讐しようとするドッグたちでした。さらにそこにハリーに雇われたビッグ・クリス(ヴィニー・ジョーンズ)とその息子が借金回収に現れます。4人が祝杯をあげてフラットに戻ると、そこは激しい銃撃戦で死体の山、金も麻薬も銃も消えており、4人は事態がのみこめないまま町へ繰り出します。大混乱の末、当事者のギャングたちは不測の最後を遂げ、4人は命こそ助かりますが予想外の結末を迎えます・・・。

レビュー・解説 

スピーディで巧妙な展開が面白い映画ですが、イギリスらしい自虐気味のユーモアと、黄・茶・灰色系のトーンで古びた感じの映像が、このブリティッシュ・クライム・コメディに際立った味をつけています。

 

見始めてすぐ、盗品を売る露天商の顔に見覚えが・・・。なんと、ジェイソン・ステイサムです。2002年公開の「トランスポーター」を観て、彼のファンになったのですが、1998年公開のこの「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」が、彼の映画デビュー作でした。登場人物の多い群像劇で彼の出番は限られていますが、存在感があり、また、露天商の経験もあるという彼の売り口上はなかなかのものです。

 

大金を手に入れてご機嫌のベーコンを演じるジェイソン・ステイサム

〜「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」

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町を牛耳るハチェット・ハリーとかつて張り合ったというバーを営むJDを演じるスティングも、強面でなかなかいい感じです。

 

強面のJDを演じるスティング

〜「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」

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題名の「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は、慣用句の「ロック、ストック アンド バレル」(lock, stock and barell)をもじったものです。ロックは安全装置、ストックは弾倉、バレルは銃身と、いずれも銃の部分の名称で、銃はこれら三つの部分から構成されることから、「一切合財」という意味になります。

 

銃の各部名称

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題名が「トゥー・スモーキング・バレルズ」となっているのは、鍵となる盗品の銃が水平二連の銃身が二本あるタイプで、これが使用されて硝煙がたつことを意味しています。ちょっと長いですが、一切合財盗む、もっていかれるとかけた、しゃれた題名です。

撮影地(グーグルマップ) 

エディのフラット(正面、灰色)と麻薬の売人の隠れ家(隣の家、緑)

 

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関連作品 

ガイ・リッチー監督作品のDVD(Amazon

  「スナッチ」(2000年)

  「シャーロック・ホームズ」(2009年)

 

ジェイソン・ステイサム出演作品のDVD(Amazon

  「トランスポーター」(2002年)

  「バンク・ジョブ」(2008年)

   「ワイルド・スピード SKY MISSION」(2015年)

 

群像劇映画

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