「バッド・チューニング」(原題: DAZED AND CONFUSED)は、1993年公開のアメリカの青春コメディ映画です。1970年代のテキサスを舞台に、10代の若者たちのセックス、ドラッグ、ロックンロールな青春の日々を描き、アメリカで大ヒットを記録しました。日本では劇場未公開ですが、ソフトで視聴可能です。
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目次
スタッフ・キャスト
監督:リチャード・リンクレイター
脚本:リチャード・リンクレイター
出演:ジェイソン・ロンドン(ピンク)
ウィリー・ウィッギンス(ミッチ)
ミシェル・バーク(ジョディー)
ジョーイ・ローレン・アダムス(サイモン)
ロリー・コクレーン(スレーター)
マシュー・マコノヒー(ウッダーソン)
ほか
あらすじ
1976年のテキサス、田舎の高校には先輩から新入生への洗礼の儀式が受け継がれていました。新入生は必死に逃げつつ高校生活に期待し、伝統の儀式を行う上級生は自分たちの未来に不安も抱いています。夏休み初日、新入生に恒例の儀式があったその日の夜、学生たちは歓迎パーティの計画します。ビールやドラッグでボーッとしたり、女の子を誘惑したり、されたり、フットボールを続けるかどうか先輩たちにも悩みはあったり、当然、恋愛のトラブルもあったりする中、ロックン・ロール、アルコールにドラッグと青春を謳歌する若者たちのめまぐるしい一夜は白んでいきます・・・。
レビュー・解説
リチャード・リンクレイター監督の初期の作品ですが、名作「アメリカン・グラフィティ」ばりの青春群像劇で、監督の才能を窺い知ることができます。「アメリカン・グラフィティ」は高校卒業の夜を描いていましたが、「バッド・チューニング」は新入生の高校生活への憧れと不安、先輩たちの悩みが錯綜する一夜をコミカルに描いています。
ここで珍しいのが新入生の歓迎の儀式、男子向けの尻たたきはおよそ想像できますが、女子向けの儀式もしっかりとあり、これだけでもこの映画を観る価値がありそうです。 個性的な登場人物も多く、出演者はこの映画の後も現在まで順調にキャリアを積んでいる人がほとんどですが、ベン・アフレック、マシュー・マコノヒー、ミラ・ジョボビッチ、レニー・ゼルウィガーと言った、後の大スターが端役で出ていることに驚いてしまいます。
ベン・アフレックは尻叩き隊の隊長役ですが、新入生の母親にショットガンを突きつけられたり、新入生に逆襲されたり。撮影時は20歳くらいです。
ベン・アフレック〜「バッド・チューニング」
マシュー・マコノヒーは、社会人になっても高校生とつるんでいる、ちょっとキモいマッチョです。撮影時は22歳前後で、彼の初めてのセリフ付きの役でした。
マシュー・マコノヒー〜「バッド・チューニング」
ミラ・ジョボビッチは上級生役で、撮影時17歳前後。共演のショーン・アンドリューと撮影を抜け出し、ラス・べガスで結婚しようとしましたが、ミラ・ジョボビッチの母に取り消されました。
ミラ・ジョボビッチ〜「バッド・チューニング」
同じくレニー・ゼルウィガーは新入生を「歓迎」する上級生のグループの一員で、撮影時は23歳前後です。彼女はまだ駆け出しで、出番の多い上級生役のオーディションを受けましたが、セリフ無し、クレジット無しのマイナーな役で採用となりました。
レニー・ゼルウィガー〜「バッド・チューニング」
今、観ると、こうしたビッグ・スター達が売れる前の青春時代とオーバーラップし、そういう時代もあったんだろうと、二重に懐かしい気分になります。
動画クリップ(YouTube)
新入生歓迎の儀式〜「バッド・チューニング」
DARLA: We seniors, we tried, we gave you all a chance but since you little prick-teases, can't follow instructions. We're just going to have to try something else won't we. Seniors. You love us, smile. You love us.
DARLA: Suffer.
SIMONE: Welcome to high school honey.
SHAVONNE: Propose to Mr. Dawson.
FRESHMAN GIRL: Will you marry me?
DON: I don't know. What's in it for me?
FRESHMAN GIRL: Anything you want.
DON: Anything?
FRESHMAN GIRL: Anything.
DON: Go like this. (opens his mouth suggestively) Do you spit or swallow? FRESHMAN GIRL: Whatever you, like.
DON: Whatever I like? I would definitely marry you.
SLATER: It's so degrading man.
SHAVONNE: You're an asshole.
DON: Yes I am. SLATER: It's terrible.
DON: Ah-haa.
SIMONE: I just want you guys to know that I feel for you now. I did it when I was a freshman, and you guys'll do it when you're seniors. Now fry like bacon you little freshman figgies. Fry, fry.
TONY: Oh, hello there.
JODI: I would like for you to propose to Tony. On your knees.
MIKE: Oh God. SABRINA: Will you marry me?
TONY: What am I supposed to say here?
MIKE: I don't know.
TONY: What'll you do for me huh?
SABRINA: Anything you want.
TONY: Imagine the possibilities.
TONY: No seriously you can stand up. What's your name?
SABRINA: Sabrina.
TONY: Hi I'm Tony, Anthony actually.
SABRINA: Sorry.
TONY: This is Mike.
TONY: We were just discussing the utter stupidity of these initiation rituals and were kind of wondering why someone like you would subject yourself to the losing end of it all.
JODI: Are we having social hour over here? I'm supposed to be being a bitch. Back to the pit.
ダーラ:チャンスを与えてあげたのに、きみたち、命令に従わないから、何か別の方法をとるしかないわね、上級生たち!私たちを愛しているでしょ、にっこり笑って。
ダーラ:災難ね。
シモーン:ハイスクールへようこそ。
シャヴォーン:ドーソン先輩にプロポーズなさい。
新入生:結婚してください。
ドン:知らん、何かいいことあるのか?
新入生:何でもします。
ドン:何でもだな。
新入生:はい。
ドン:じゃあ、やれ。
ドン:飲み込むかい?
新入生:何でもします。
ドン:何でもだな。結婚してやる。
スレーター:卑劣だ。
シャヴォーン:嫌なやつ。
ドン:そうだよ。
スレーター:あまりに下品だ。
ドン:アハー。
シモーン:私も新入生の時、やらされた。上級生になったら、すればいいの。ベーコン焼き、焼いて!
トニー:ハロー。
ジョディ:トニーにプロポーズして。ひざまついて。
マイク:なんだって。
サブリナ:結婚してください。
トニー:なんて言えばいいんだ。
マイク:知らん。
トニー:僕に何してくれるんだ?
サブリナ:何でも。
トニー:なんたる可能性!真面目な話、立って。名前は?
サブリナ:サブリナ。
トニー:トニーだ。本名はアンソニー。
サブリナ:失礼。
トニー:これマイク。
トニー:僕たち、今、この馬鹿げた儀式について、議論していたんだ。なんできみのような子が黙ってやらされているのかって。
ジョディ:倫理の授業じゃないの。私が悪者。リングに戻って。
このシーンは、当時休業中のアメリカーナ劇場の駐車場で撮影されました。劇中にも、「(儀式には)学校だけではなく、街全体が協力して、駐車場も使える」というセリフが出てきます。現在は、市の図書館の分館になっていますが、看板や外観には当時のまま残っているものがあります。
撮影地(グーグルマップ)
新入生歓迎の儀式が撮影された駐車場
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関連作品
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「恋人までの距離」(1995年)
「スクール・オブ・ロック」(2003年)
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