夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「6才のボクが、大人になるまで。」:子供の成長と家族の変遷を12年かけて撮影した叙事詩的ドラマ

6才のボクが、大人になるまで。」(原題: Boyhood)は2014年公開のアメリカのヒューマン・ドラマ映画です。リチャード・リンクレイター監督・脚本による作品で、6歳の少年の成長とその家族の変遷を、主人公や両親を演じた俳優など、同じキャストとともに12年にわたって撮り続けるという斬新な手法で描いています。第64回ベルリン国際映画祭で監督賞にあたる銀熊賞を受賞、アメリカ公開時に批評家・観客の双方から絶賛された作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト 

監督:リチャード・リンクレイター脚本:リチャード・リンクレイター
出演:エラー・コルトレーン(メイソン・エヴァンス・ジュニア :本作の主人公)
   パトリシア・アークエット(オリヴィア・エヴァンス:メイソンの母親)
   ローレライ・リンクレイター(サマンサ・エヴァンス:メイソンの姉)
   イーサン・ホーク(メイソン・エヴァンス・シニア:メイソンの父親
   リビー・ヴィラーリ(キャサリン:オリヴィアの母親)
   マルコ・ペレッラ(ビル・ウェルブロック:オリヴィアの二番目の夫)
   ブラッド・ホーキンス(ジム:オリヴィアの三番目の夫)
   ジェニー・トゥーリー(アニー:メイソン・シニアの後妻)
   リチャード・アンドリュー・ジョーンズ(アニーの父親
   カレン・ジョーンズ(アニーの母親)
   ビル・ワイズ(スティーヴ・エヴァンス:メイソン・シニアの兄弟)
   ゾーイ・グラハム(シェーナ:メイソンの彼女)
   チャーリー・セクストン(ジミー:メイソン・シニアの友人、ルームメイト)
   リチャード・ロビショー(メイソンの上司)
   スティーヴン・チェスター・プリンス(テッド:オリヴィアの彼氏)
   トム・マクテイグ(ミスター・ターリントン:メイソンの写真の先生)
   マクシミリアン・マクナマラダルトン:メイソンのルームメイト)
   テイラー・ウィーヴァー(バーブダルトンの彼女)
   ジェシー・メクラー(ニコル:バーブのルームメイト)
   ほか

あらすじ

6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、父母の離婚後、姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とともに母親オリヴィア(パトリシア・アークエット)に引き取られ、テキサス州で暮らしています。キャリアアップのために大学で学ぶという母に従い、一家はヒューストンに転居しします。アラスカに旅に出ていた父親 メイソン・シニア(イーサン・ホーク)が戻り、彼らの引っ越し先に定期的にやってきては、子供達をボーリングに連れて行くなど、楽しいひとときを過ごします。大学に通っていたオリヴィアがウェルブロック教授(マルコ・ペレッラ)と付き合いはじめ、やがて2人は再婚、それぞれの子供達と一緒の生活が始めます。義父の暴力、初恋など、周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していきます。やがて母は大学で教鞭をとるようになり、オースティン近郊に移った家族には母の新しい恋人が加わります。ミュージシャンの夢をあきらめた父は保険会社に就職し、再婚してもうひとり子供をもうけます。12年の時がもたらす様々な変化の中、ビールの味もキスの味も、そして失恋の苦い味も覚えたメイソンはアート写真家という夢に向かって母親から巣立っていきます・・・。

レビュー・解説 

子供の成長とその家族の変遷を叙事詩のように描いた素晴らしい作品です。

子供が6歳から18歳になり、大学に進学して親元を離れるまでの12年間の親子関係を描き出したい。しかし、子供に起きる変化は多すぎて十分に語りつくせない。そこで、子供が経験するものすべてを盛り込むつもりで脚本を執筆した。(リチャード・リンクレイター

というだけあり、中味の濃い作品に仕上がっています。

 

リチャード・リンクレイターは「ビフォア」シリーズで、同じキャストを9年ごとの撮り、計18年かけて三部作を完成させましたが、「6才のボクが、大人になるまで。」では、リチャード・リンクレイターとスタッフが毎年集まり、その年を描く10-15分のショート・フィルムを撮影、最後にそれを一編の映画に編集しています。

 

デ・ハヴィランド法により俳優とは7年以上の出演契約が出来ないため、俳優は毎年、撮影に戻ることが義務づけられないまま、撮影が行われました。また、12年の撮影期間中にリチャード・リンクレイター監督に万一の事があった場合は、監督の仕事をイーサン・ホークが引き継ぐことになっていた、パトリシア・アークエットは役にそぐわないので整形手術はしないように言われるなどは、この作品ならではのエピソードです。

 

主人公の姉役を演じるローレライ・リンクレイターは、リチャード・リンクレイター監督の娘です。彼女は家でいつも歌ったり、踊ったりしており、映画に出たがっていたので、起用されましたが、撮影を初めて3年か4年で飽きてしまい、止めるので姉役を殺してくれと監督に頼みました。これは彼の構想にそぐわなかったので、拒否されましたが、幸い、ローレライは熱意を取り戻し、無事、12年の撮影を終えました。

 

リチャード・リンクレイター監督は、実生活でも若くして(20歳)で第一子を生んだパトリシア・アークエット以外に母親役はいないと考えていましたが、逆に12年の撮影期間は俳優の側にも大きな変化がありました。イーサン・ホークパトリシア・アークエットも、各々が離婚と再婚を経験し、新たな子供が生まれています。

 

リンクレイター監督によると、この作品のラストシーンから始まる「Everybody Wants Some」 (2016) が続編になるとのことで、完成が楽しみです。

関連作品

リチャード・リンクレイター監督作品のDVD(Amazon

  「バッド・チューニング」(1993年)

  「ビフォア・サンライズ」(1995年)

  「ウェイキング・ライフ」(2001年)

  「スクール・オブ・ロック」(2003年)

  「ビフォア・サンセット」(2004年)

  「僕と彼女とオーソン・ウェルズ」(2008年)

  「バーニー みんなが愛した殺人者 」(2011年)

  「ビフォア・ミッドナイト」(2013年)

    「6才のボクが、大人になるまで。」(2014年)

 

「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」(2016年)

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