夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「イコライザー」:役者が揃った勧善懲悪クライム・アクション大作

イコライザー」(原題:The Equalizer)は、2014年公開のアメリカのクライム・アクション・スリラー映画です。1984年から1989年にかけてアメリカで放映されたテレビ・ドラマ・シリーズ「ザ・シークレット・ハンター」を映画化したものです。正体を隠してひっそりと暮らす一人の男が、偶然出会った娼婦の少女の過酷な境遇に心動かされ、極悪非道なロシアン・マフィアに戦いを挑むさまをR-指定で描いています。

 

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監督: アントワーン・フークア

脚本: リチャード・ウェンク

原作: キャラクター創造

    マイケル・スローン

    リチャード・リンドハイム

出演: デンゼル・ワシントン(ロバート・マッコール)

    マートン・ソーカス(テディ)

    クロエ・グレース・モレッツ(テリー/アリーナ)

    ヘイリー・ベネット(マンディ)

    ビル・プルマン(ブライアン・プラマー)

    メリッサ・レオ(スーザン・プラマー)

    ジョニー・スコアーティス(ラルフィ)

    ウラジミール・クリッチ(ウラジミール・プーシキン

 

ボストンのホームセンターで働く真面目な従業員ロバート・マッコールは、一見、穏やかな中年男性。不眠症のマッコールが行きつけのカフェで読書をしていると、娼婦の少女テリーから声をかけられます。他愛もなく本の話をするうちに、二人にはいつしか友情が芽生えていきます。テリーがロシアン・マフィアから酷い仕打ちを受けていることを知り、マッコールはロシアン・マフィアのアジトで5人の悪党を一瞬のうちに片付けてしまいます。これに対してロシアン・マフィアが黙っているはずもなく、マフィアはテディと呼ばれる凄腕の殺し屋を送り込み、マッコールの命を狙います・・・。

 

タイトルの「イコライザー」は公平を実行する者という意味で、特に犯罪の被害者が受ける理不尽さに対し、役に立たない司法や警察などに代わって裁きを下すヒーローを表しています。

 

脚本には、当初、ロバート・マッコールの人物的背景がなく、主演のデンゼル・ワシントンも参加して、強迫神経症を含めた人物的背景作りが行われました。デンゼル・ワシントンは、日々の肉体トレーニングに加えて、役作りの為に強迫神経症患者数人へのインタビューを行いました。スキンヘッド、きれい好き、几帳面、時間を気にするといったロバートの性格が作り込まれています。ロバート・マッコールは当初、ラッセル・クロウが演ずる予定でしたが、日程が合わなくなり辞退しました。他に、ジェラルド・バトラーが候補に挙っていました。

 

娼婦役のテリーは、当初、24歳という設定でしたが、クロエ・グレース・モレッツのプレゼンテーションに、アントワーン・フークア監督が心を動かされ、設定を変更しました。

 

ロバートがテリーに「老人と海」について話すシーンです。ロシアン・マフィアと戦う事になる、ロバートの哲学が暗示されています。

Teri/Alina: He ever have got it? The fish.

Robert McCall: Oh. Yeah, Yes, Yeah, he did.

Teri/Alina: It's a happy ending.

Robert McCall:Well, not exactly. Old man tied the fish to the side of the boat, had to row back to shore, fish bled in the water, sharks came and ate the whole fish till there was nothing left.

Teri/Alina: That's just kind of a waste, isn't it?

Robert McCall: Depends upon how you look at it. The old man met his adversary when he thought that part of his life was over. He saw himself in the fish. Came to... Came to respect it the more it fought.

Teri/Alina: Why didn't he just let the fish go? Robert McCall: The old man's gotta be the old man. Fish gotta be the fish. Got to be who you are in this world, no matter what.

テリー/アリーナ「魚は釣れたの?」

ロバート「ああ、彼は釣ったよ」

テリー/アリーナ「じゃあハッピーエンドね」

ロバート「いや、そうでもないんだ。彼は釣った魚を船にくくりつけて港まで運んだが、途中で魚をサメに喰われてしまうんだ」

テリー/アリーナ「じゃあ無駄骨ってわけ」

ロバート「そうとも言えない、彼は闘うべき相手と出会えたんだ」

テリー/アリーナ「何故、逃がさなかったの?」

ロバート「老人は老人、魚は魚だ。何であれ、自分であることが大切だ」

 

次には、セルバンテスの「ドン・キホーテ」を読んでいることが示唆されます。世の中の不正を正すためにひとり旅に出るドン・キホーテは、単身、ロシアン・マフィアに戦いを挑むロバートを暗示しています。

Teri/Alina: What's your new one about?

Robert McCall: Oh, it's about a guy who thinks he's a knight in shining armor. The only thing is, he lives in a world where knights don't exist anymore.

テリー/アリーナ「今度は、何を読んでるの」

ロバート「自分を輝く鎧を着た騎士だと思い込んでいる男の話だ。もう騎士などいない時代なのにね」

 

歌手に憧れるテリー(アリーナ)を励ますロバート。

Robert: Wow. Alina the singer.

Teri/Alina: You and I know what I really am.

Robert: I think you can be anything you wanna be.

Teri/Alina: Maybe in your world,

Robert. Doesn't happen that way in mine. Robert: Change your world.

ロバート「歌手アリーナか」

テリー/アリーナ「現実は違うけど」

ロバート「君はなりたいものになれるんだ」

テリー/アリーナ「あなたの世界ではね。私のじゃ無理」

ロバート「世界を変えるんだ」

 

娼婦の少女テリー(アリーナ)を演じるクロエ・グレース・モレッツ 

 

この後、テリー(アリーナ)はロシアン・マフィアに半殺しにされ、ロバートは責任を感じます。この映画のみどころは、何と言っても、クローズアップを多用したロバートの瞬殺シーンです。ロバートは瞬殺にかかる時間を腕時計で測ります。

 

ロバートの瞬殺のシーン

 

マフィアが送り込んできたテディと呼ばれる凄腕の殺し屋を演じるマートン・ソーカスの悪役ぶりが素晴らしいです。デンゼル・ワシントンに負けない存在感を示します。

 

マートン・ソーカスの悪役ぶり

 

二時間を超える勧善懲悪大作ですが、ロバートの人物描写やテディの悪役ぶりなど、大いに楽しめ作品です。ソニー・ピクチャーズのR−指定映画では、スクリーニング・テストで最もポジティブな評価を得ています。

 

テリーと出会う、ロバート行きつけの食堂(グーグルマップ

 

ボストンのシンボル、レナード・P・ザキム・バンカーヒル記念橋(グーグル・マップ)

 

ロバートが愛用する腕時計 SUUNTO CORE ALL BLACK

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