「卒業白書」(原題: Risky Business)は、1983年公開のアメリカの青春映画です。監督はポール・ブリックマン、出演はトム・クルーズ、レベッカ・デモーネイほか。シカゴの高校3年生のジョエル(トム・クルーズ)が、旅行で両親不在になった間に起こす騒動を描いています。
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目次
スタッフ・キャスト
監督:ポール・ブリックマン
脚本:ポール・ブリックマン
出演:トム・クルーズ(ジョエル・グッドソン )
レベッカ・デモーネイ(ラナ )
カーティス・アームストロング(マイルズ )
ブロンソン・ピンチョット(バリー )
ラファエル・スバージ(グレン )
ジョー・パントリアーノ(グイド )
ニコラス・プライアー(ジョエルの父 )
ジャネット・キャロル(ジョエルの母 )
リチャード・メイサー(ルザフォード )
シーラ・ダニーズ(ヴィッキー )
ブルース・A・ヤング(ジャッキー)
ほか
あらすじ
大学受験を控えるシカゴの高校生ジョエル・グッドソンは「未来の企業家研究」の授業にも出席していますが、頭の中はsのセックスのことでいっぱいです。両親が旅行に出かけると、友達が彼女を連れてやって来て、部屋を貸してくれと言います。両親の留守をいいことに友人が売春婦を呼びますが、オカマだった上に断り手数料を取られてしましまいます。ジョエルの年代好みのラナという子がいると聞き、ジョエルは自ら呼んでセックスをします。お金が足りないことから問題が生じ、ラナのヒモともカーチェースをします。さらに、マリファナを楽しんでいるうちに、ラナを言葉で傷つけてしまい、親の高級車を湖に沈められてしまいます。修理代を捻出するために、ジョエルはラナと共に自宅を売春パーティの場にして一儲けを企みます・・・。
レビュー・解説
「卒業白書」はトム・クルーズが瑞々しい演技で注目を集めた出世作ですが、至る所に大スターの片鱗を伺わせるものがあります。例えば、彼がワイシャツにブリーフ姿で踊る有名なシーンは、なんとトム・クルーズの即興です。
ジョエル役にはトム・ハンクス、ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザックもオーディションを受けており、この中で選考されたトム・クルーズは、当時から才能が光っていたのではないかと思います。彼は映画公開時21歳でしたが、高校生らしく見せる為に、一旦トレーニングで脂肪を落とし、次に脂肪分の多い物を食べ、ふっくらとした幼児脂肪をつけるという役作りが行われました。確かに「卒業白書」で見るトム・クルーズはふっくらとして、若々しく見えます。
原題の「Risky Business」は、両親の留守中の不始末を穴埋めする為に、ジョエルが「ヤバい仕事」に手を出した事に由来します。面白いのは高校の経営学の授業でマネジメントゲームをやったり、大学の経営学部の面接官が来てビジネス・マインドを感じたりいていること。ジョエルが反省して「もう金輪際致しません」という展開ではなく、ビジネスに関して良い経験をしたという作りになっているのは如何にもアメリカ的です。ちなみに1983年当時の日本の高校で経営学の授業とかマネジメントの実習はあり得ない発想で、また、学術志向の大学にも企業心の育成などという視点はほとんどなく、この日米のギャップはかなり大きかったのではないかと思います。
「卒業白書」でトム・クルーズが着用していたサングラスはレイバンのウェイファラー(現在の型番でRB2140に相当)です。当時、ウェイファラーは低迷していましたが、この映画に採用された事により、売り上げが20倍になりました。
「卒業白書」で注目を集めたトム・クルーズは、三年後に公開された「トップ・ガン」が世界的に大ヒットし、トップ・スターに仲間入りしました。その後も「レイン・マン」(1988年)、ア・フュー・グッドメン(1992年)、「ザ・ファーム 法律事務所」(1993年)、「ザ・エージェント」(1996年)、「マイノリティ・リポート」(2002年)、「コラテラル」(2004年)、「ミッション・インパッシブル3」(2006年)、「ミッション・インパッシブル ゴースト・プロトコール」(2011年)、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014年)、「ミッション・インパッシブル ローグネーション」(2015年)など、数々のヒット作に出演、「ハリウッド最後の大スター」とも言われています。*3
関連作品
トム・クルーズ主演作品