夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「アンストッパブル」:実話に基づく列車映画、大迫力の秘密

アンストッパブル」(原題:Unstoppable)は、2010年公開のアメリカのサスペンス・アクション&ドラマ映画です。2001年5月にオハイオ州で発生したCSX8888号暴走事故を題材にした、トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンの通算5回目となるコラボレーション作品で、大災害を阻止すべく立ち上がる2人の鉄道員の奮闘を、CGの使用を抑えたリアルなアクションの連続と仲間や家族との絆とともに描いた、トニー・スコットの最後の監督作品です。

 

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目次

スタッフ・キャスト 

監督:トニー・スコット
脚本:マーク・ボンバック
出演:デンゼル・ワシントン(フランク・バーンズ)
   クリス・パイン(ウィル・コルソン)
   ロザリオ・ドーソン(コニー・フーパー)
   ほか

あらすじ

  • ペンシルベニア州のフラー操車場で、アレゲニー・アンド・ウェストバージニア鉄道(略称AWVR)の最新鋭ディーゼル機関車777号(通称トリプルセブン)と767号が重連で牽引する39両編成、全長800mの貨物列車が、移動しようとしています。運転する機関士は自らポイントの切り替えを行うべく、相棒の機関士の制止を無視して単独ブレーキを掛けて運転席を離れますが、列車は無人で暴走を始めます。その報告を聞いたフラー操車場の操車場長コニー(ロザリオ・ドーソン)は、機関士たちの言葉から惰性走行が起きていると推測、貨車のブレーキ・ホースが外れているので外部から緊急停止は出来ないが、単独ブレーキを掛けている為、減速ないし停車すると考えます。
  • コニーは、通勤中の溶接工主任に777号の進路上のポイントを切り替えて側線に入れるよう指示、機関士たちに777号を後方からの追跡を命じますが、777号はポイントを通過せず、追跡していた機関士たちと出会います。不審に思ったコニーが機関士たちを問い詰めると、マスコンの出力が最大だった為に単独ブレーキが効力を失い、猛スピードで力行していることがわかります。しかもこの列車はディーゼル燃料と発火性の強い有毒化学物質を大量に積載していることが判明、暴走を続け、スタントン郊外の急カーブで脱線すれば、積載している可燃物と周辺の可燃物タンクによって大惨事になります。運行部長の指示で777号の停止作戦を実施しますが、ことごとく失敗してしまいます。
  • 同じ頃、ミンゴ操車場でベテラン機関士のフランク・バーンズ(デンゼル・ワシントン)と若い車掌のウィル・コルソン(クリス・パイン)初めて顔を合わせます。年齢も家庭環境も異なる2人の間には大きな溝があり、ぎこちない雰囲気のまま機関車1206号へと乗り込みます。やがて、2人の耳に貨物列車777号がトラブルを起こしたという情報が飛び込んできます。777号と同じ路線を走っていたフランクは、1206号を緊急待避線にすべり込ませて間一髪で衝突を回避すると、777号が牽引する貨車の最後尾車両の連結器が解除されているのを視認、1206号を逆向きに連結して後部から引っ張り強制停車させることを決意したフランクはウィルと共に777号の追跡を始めます。
  • 全米の目は、追跡を続ける1206号の行方に注がれ、テレビでその様子を見守る人々の中には、父親との関係がギクシャクしているフランクの2人の娘、そしてウィルと別居中の妻もいます。家族との絆を取り戻したいと願う一方で、鉄道マンの使命を果たそうとする2人の男には、わだかまりを乗り越えた男同士の絆が芽生えます。時間は刻々と経過、777号は高架下に多くの燃料タンクが設置される魔の急カーブに近づいて行きます・・・。

レビュー・解説

実話に基づいた話ですが、スリルに満ちた娯楽作品に仕上がっています。列車は線路の上を走るので、上下は当然のこと、左右の動きもなく、迫力は期待できないかなと思っていたら、見事に裏切られました。熟練したカメラワークと視覚効果により、走る列車と空を飛ぶヘリコプターの映像が力強く、臨場感があります。撮り方でこんなに迫力が出るとは・・・、脱帽です。文句無く、これまでに見た列車の映画でベストです。列車を題材にこれだけスリルのある映画を撮れるということは注目に値します。

 

アンストッパブル」の中で行われる暴走列車の停止作戦は、すべて実際の事故の際に立案されたものと同じです。  

  • ヘリコプターから元海兵隊の整備士をワイヤーで吊るして降下する
  • もう一台の機関車で暴走列車をで減速させて側線に誘導する
  • 列車の燃料供給停止スイッチを狙撃する
  • 可搬式脱線器を線路上に置いて脱線させる

この他に、「進路上に別の機関車を置き、追突させて停止させる」という案も実際に準備されていましたが、これは実施されませんでした。さすがアメリカ、やる事がダイナミックです。

 

デンゼル・ワシントンの演技は、いつも通り安定していて心地よいです。クリス・パインロザリオ・ドーソンもいい感じです。「アンストッパブル」はトニー・スコットデンゼル・ワシントンによる通算5回目のコラボ作品ですが、残念なことにトニー・スコットにとって最後の監督作品にもなってしまいました。トニー・スコットデンゼル・ワシントンは第6作目について話し合っており、「トニーは、僕が麻薬を積んだ潜水艦の船長を演じる映画を作りたがっていた」(デンゼル・ワシントン)とのこと。気がつけば彼らのコラボ作品5作すべて見ていた私には、思わず見たくなる第6作目の構想でした。本当に残念です。

動画クリップ(YouTube

CX8888号の暴走を伝える当時のニュース

www.youtube.com

 

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関連作品

トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンのコラボレーション作品Amazon

     「クリムゾン・タイド」のDVD(1995年)

  「マイ・ボディガード」(2004年)

  「デジャヴ」(2006年)

     「サブウェイ123激突」(2009年)

 

トニー・スコット監督作品のDVD(Amazon

  「トップガン」(1986年)

  「トルゥー・ロマンス」(1993年)

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