夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「スパニッシュ・アパートメント」:シェア・ハウスは成長するヨーロッパの象徴

スパニッシュ・アパートメント」は、2002年公開のフランス・スペイン合作のロマンティック・コメディ&ドラマです。セドリック・クラピッシュ監督、ロマン・デュリスオドレイ・トトゥケリー・ライリー、ケヴィン・ビショップら出演で、バルセロナの経済学大学院で勉強する為にフランスを離れ、ドイツ、イギリス、イタリア、スペイン、ベルギー、デンマークとヨーロッパ中から集まった仲間達とバルセロナのシェア・ハウスで暮らす留学生が、言葉も文化も国民性も違う多様な人々の中で出会いや失恋を体験しながら成長していく一年間をな描いた、爽やかで好感が持てるコメディです。「ロシアン・ドールズ」(2005年)、「ニューヨークの巴里夫」(2013年)と続く、クラピッシュの三部作の第一作です。

 

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目次

スタッフ・キャスト

監督:セドリック・クラピッシュ
脚本:セドリック・クラピッシュ
出演:ロマン・デュリス(グザヴィエ )
   ジュディット・ゴドレーシュ(アンヌ=ソフィ)
   オドレイ・トトゥ(マルティーヌ)
   セシル・ドゥ・フランス(イザベル)
   ケリー・ライリー(ウェンディ)
   ケヴィン・ビショップ(ウィリアム)
   ほか

あらすじ

パリで暮らす卒業を来年に控えた25歳の大学生グザヴィエ(ロマン・デュリス)は、父親のコネを使って面会した役所の大物に勧めに従い、就職の内定を確実にする為にスペインのバルセロナへ留学することになります。母親に紹介されたアパートへ向かうものの、環境が悪かったため、空港で知り合った神経科医のジャン・ミッシェル(グザヴィエ・ド・ギユボン)の部屋に宿泊しつつ、アパートを探します。

グザヴィエは、イタリア人のアレッサンドロ(フェデリコ・ダナ)、ドイツ人のトビアス(バーナビー・メッチュラート)、デンマーク人のラース(クリスチャン・パグ)、イギリス人のウェンディ(ケリー・ライリー)、スペイン人のソレダ(クリスティナ・ブロンド)が、共同で暮らすアパートを見つけます。そこにグザヴィエが大学で知り合ったベルギー出身の女子学生イザベル(セシル・ド・フランス)も加わり、賑やかな生活が始まります。

パリに恋人マルティーヌ(オドレイ・トトゥ)がいるグザヴィエは、イザベルに心惹かれるますが、彼女はレズビアンです。彼はがっかりしますが、ジャン・ミッシェルの妻であるアンヌ・ソフィ(ジュディット・ゴドレーシュ)と不倫の関係を持ちます。やがてウェンディの弟ウィリアム(ケヴィン・ビショップ)がアパートにやって来て、皆の反感を買ったり、グザヴィエがマルティーヌから電話で別れ話を告げられたりするうちに、あっという間の1年が終わります。パリへ帰国したグザヴィエの心には大きな変化が起きます・・・。

レビュー・解説

スパニッシュ・アパートメント」が公開された2002年は、ちょうど欧州の統合通貨であるユーロが導入された年です。ユーロを導入した国々では、しばらくの間それまでの通貨とユーロの両方の通貨が流通するなど混乱しながらも、「欧州に一大経済圏を作ろう!」と機運が高まっている時の話です。主人公がスペインに留学したのも、ユーロの導入によりスペイン経済が伸びると見込まれていたという背景があります。ヨーロッパの各国から仲間が集まっているシェア・ハウスは、まさにそんなヨーロッパの機運を象徴するかのようです。

 

粒ぞろいのキャストが魅力的な映画です。 

  • 「アメリ」で一躍有名になった、オドレイ・トトゥ。フランスに残り遠距離恋愛になった主人公の恋人役を演じています。さすが、演技力は頭ひとつ抜き出ているような気がします。彼女はすっかりメジャーになり、その後のヒット作も多いですね。
  • ケリー・ライリーは、利発でちょっと神経質なイギリス娘を演じています。無邪気な笑顔がかわいらしい一方で、演技も的確です。3年後に公開された続編ではすっかり大人びた女性を演じていて、これまたびっくり。「プライドと偏見」、「シャーロック・ホームズ」、「フライト」など、著名な作品で幅の広い役を演じています。是非、アカデミー主演女優賞級にチャレンジして欲しいと思います。
  • ケヴィン・ビショップはイギリス娘の弟を演じましたが、イギリス気質丸出しのうるさいくらい強烈な演技です。大人になった続編では、準主役をいい感じで演じています。彼はBBCなど、テレビで活躍していますが、2011年公開の「 フランス、幸せのメソッド」に出演しています。 

 

スパニッシュ・アパートメント」には、「ロシアン・ドール」、「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」の二編の続編があります。その後の彼らがどういう人生を歩むのか描かれており、同じ監督、同じ出演者で楽しめます。シリーズで見てもと面白いと思います。

 

ロマン・デュリス

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オドレイ・トトゥ(右)

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セシル・ド・フランス(右)

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ケリー・ライリー

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ケヴィン・ビショップ(右)

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関連作品

スパニッシュ・アパートメント」の続編セドリック・クラピッシュ監督、ロマン・デュリスオドレイ・トトゥケリー・ライリーら出演) のDVD(Amazon

  「ロシアン・ドールズ」(2005年)

  「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」(2013年)

 

ロマン・デュリス出演作品のDVD(Amazon

  「真夜中のピアニスト」(2005年)

  「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者」(2010年)

  「彼は秘密の女ともだち」(2014年) 

 

オドレイ・トトゥ出演作品のDVD(Amazon

  「アメリ」(2001年)

  「堕天使のパスポート」(2002年)

  「ロング・エンゲージメント」(2004年)

  「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」(2006年)

  「グッバイ、サマー」(2015年)

 

ケリー・ライリー出演作品のDVD(Amazon

  「プライドと偏見」(2005年)

  「僕と彼女とオーソン・ウェルズ」(2009年)

  「フライト」(2012年)

  「ある神父の希望と絶望の7日間」(2015年)・・・Amazonビデオ

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