夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「グッバイ・レーニン!」:東西ドイツの統合をコミカルに描く

東西ドイツの統合は20世紀の歴史的な出来事のひとつですが、それは西側諸国の観点から語られる事が多いのではないかと思います。旧東ドイツの家族の視点から統合をコミカルに描く「グッバイ・レーニン!」は、とても新鮮な気づきを与えてくれました。

 

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世の中には、イデオロギーよりも大切なものがありそうです。確固たる解決策を示している訳ではありませんが、資本主義の行き詰まりがささやかれる今、こうした視点があることにふと救われるような気がします。2003年公開のドイツ映画ですが、アナログ的な色調が古き良き時代を感じさせます。

 

主演のダニエル・ブリュールには光るものがあります。本作がデビュー作のようですが、2013年公開の「ラッシュ/プライドと友情」では見事、ニキ・ラウダ役を演じきっています。 お母さん役のカトリン・ザースは旧東ドイツ出身の女優さんですが、映画の中でも旧東ドイツの女性をうまく演じています。主人公の恋人役を可愛らしく演じたチュルパン・ハマートヴァは、ロシア連邦のカザン出身。こうしたキャスティングも、映画に独特な味を加えているかもしれません。

 

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ドイツにはオストロジーという言葉あるそうです。オストはドイツ語で東、即ち「旧東ドイツ文化へのノスタルジー」の意味です。トラバント旧東ドイツの国民車でしたが、味わいのあるデザインを見ていると、確かに消えていくのが惜しい気がします。

 

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東ドイツに紛れ込んだ怖い思いをしたアメリカの大学生が、西ドイツに帰って来てひと安心するという1985年(東西ドイツ統合前)公開のアメリカ映画「ゴッチャ!」は「グッバイ・レーニン!」と対照的とも言える作品です。見比べてみると面白いと思います。

 

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