夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「ザ・ギフト」:しっかりとした脚本、自然でメリハリの効いた説得力ある演出と俳優のパフォーマンスによる、完成度の高いサスペンス

「ザ・ギフト」(原題: The Gift)は、2015年公開のアメリカのサイコ・スリラー映画です。ジョエル・エドガートン監督・脚本・出演・製作、ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホールら出演で、平穏な毎日を過ごしていた若い夫婦が、夫の旧友との再会を機に…

「エリックを探して」:マンチェスターを舞台に、人生どん底の中年郵便配達員がサッカーのカリスマに導かれて立ち直る姿をコミカルに描く

「エリックを探して」(原題: Looking for Eric)は、2009年公開のイギリス・フランス合作のコメディ&ドラマ映画です。元サッカー選手のエリック・カントナが企画を持ち込み、ケン・ローチ監督、ポール・ラヴァーティ脚本、エリック・カントナ製作総指揮、…

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」:失業や冷酷な企業システムが日常にもたらす非人間的側面をリアルに描き、人間としての怒りを問う

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」(原題: La Loi du marché、英題: The Measure of a Man)は、2015年公開のフランスのドラマ映画です。ステファヌ・ブリゼ監督・共同脚本、ヴァンサン・ランドンら出演で、勤務先をリストラされ、やっとの思いで再就職にこ…

「アイ・ウェイウェイは謝らない」:中国の言論統制と戦う一人の芸術家、活動家を通して、様々なことを問いかける優れたドキュメンタリー

「アイ・ウェイウェイは謝らない」(原題:Ai Weiwei: Never Sorry)は、2012年の公開のアメリカのドキュメンタリー映画です。アリソン・クレイマン監督が、中国を代表する現代芸術家として存在感を発揮する一方、自国に対して痛烈な批判を繰り返すことでも…

「ソーセージ・パーティー」:個性的な食材キャラ、乱交あり、宗教、人種、中東ネタあり、下ネタ満載、こだわりのR指定爆笑CGアニメ

「ソーセージ・パーティー」(原題:Sausage Party)は、2016年公開のアメリカの3DCGアニメーション映画です。コンラッド・ヴァーノン/グレッグ・ティアナン監督、セス・ローゲン共同脚本、セス・ローゲン、クリステン・ウィグ、ジョナ・ヒルら声の出演で、…

「マンハッタン」:ほろ苦いニューヨーカーの恋愛模様を美しいモノクロ映像で描く、ウディ・アレンの代表的ロマンティック・コメディ

「マンハッタン」(原題:Manhattan)は、1979年公開のアメリカのロマンティック・コメディ&ドラマ映画です。ウディ・アレン監督・共同脚本・主演、ダイアン・キートン、マリエル・ヘミングウェイ、メリル・ストリープら出演で、ニューヨーク、マンハッタン…

「ハドソン川の奇跡」:リアリティへのこだわり、事実を適確に押さえた感動的展開、ベテラン俳優の確実で質の高いパフォーマンスが際立つ

「ハドソン川の奇跡」(原題: Sully)は、2016年公開のアメリカのヒューマン・ドラマ映画です。2009年に起こったUSエアウェイズ1549便不時着水事故に関する自伝、チェスリー・サレンバーガーの「機長、究極の決断」を原作に、クリント・イーストウッド監督、…

「人生は小説よりも奇なり」:ニューヨークを舞台に、成熟したゲイ・カップルと家族、友人の世代を超えた悲喜こもごもを散文詩的に描く

「人生は小説よりも奇なり」(原題:Love is Strange)は、2014年公開のフランス・アメリカ合作のドラマ映画です。アイラ・サックス監督、ジョン・リスゴー、アルフレッド・モリーナ、マリサ・トメイら出演で、念願の同性婚を果たしたカップルの悲喜こもごも…

「22ジャンプストリート」:主役のバディほか多彩な登場人物が笑いを放ち、予告編にもギャグ満載、前作に劣らぬアクション・コメディ

「22 ジャンプ・ストリート」(原題:22 Jump Street)は、2014年公開のアクション・コメディ映画です。ジョニーデップ主演のテレビドラマ・シリーズ「21 Jump Stree」を原作に、2012年に公開され大ヒットとなったアクション・コメディ「21ジャンプストリー…

「さざなみ」:50年以上前の夫の恋人の遺体発見を契機に、45年の夫婦の絆が揺らぐ様を二人の老俳優が生々しく演じた、示唆に富む作品

「さざなみ」(原題:45 Years)は、2015年公開のイギリスのドラマ映画です。デイヴィッド・コンスタンティンの短編小説「In Another Country」を原作に、アンドリュー・ヘイ監督・脚本、シャーロット・ランプリング、トム・コートネイら出演で、 50年以上前…

「クスクス粒の秘密」:チュニジア系フランス人大家族の日常と、世代を超えて受け継がれる移民のエネルギーをスリリングな展開で描く

「クスクス粒の秘密」(原題:La graine et le mulet、別題:Couscous、英題:The Secret of the Grain)は2007年公開の、フランス・チュニジア合作のドラマ映画です。アブデラティフ・ケシシュ監督・脚本、アビブ・ブファーレ、アフシア・エルジら出演で、…

「AMY エイミー」:才能と成功の皮肉な関係、酒と薬物への依存、27歳の天才的女性歌手の素顔と死の背景が浮かび上がるドキュメンタリー

「AMY エイミー」(原題:Amy)は、2015年公開のイギリス・アメリカ合作のドキュメンタリー映画です。カリスマ性と抜群の歌唱力でファンを魅了し、多くのミュージシャンから愛され、2008年のグラミー賞で5部門受賞を成し遂げるなど輝かしいキャリアを誇る一…

「から騒ぎ」:表情豊かなセリフや掛け合いなどシェイクスピア劇の魅力と、スペクタクルな映画の魅力を融合したロマンティック・コメディ

「から騒ぎ」(原題: Much Ado About Nothing)は、1993年公開のアメリカ・イギリス合作のコメディ映画です。シェイクスピアの戯曲「空騒ぎ」を原作に、ケネス・ブラナー監督・脚本、エマ・トンプソン、デンゼル・ワシントンら出演で、中世のイタリアを舞台…

「帰ってきたヒトラー」:ドイツのタブーに挑戦、現代に蘇るヒトラーを描き、不満解決に利用しようとする社会を風刺する禁断のコメディ

「帰ってきたヒトラー」(原題:Er ist wieder da )は、2015年公開のドイツのコメディ映画です。ティムール・ヴェルメシュのベストセラー小説「帰ってきたヒットラー」を原作に、デヴィット・ヴェント監督・脚本、オリヴァー・マスッチ、実在の政治家や有名…

「ファンタスティック Mr.FOX」:ウェス・アンダーソン監督がストップモーション初挑戦、風変わりで優しい彼の世界を完璧なまでに実現

「ファンタスティック Mr.FOX」(原題:Fantastic Mr. Fox)は、2009年公開のアメリカのストップモーション・アニメ映画です。ロアルド・ダールの児童文学「すばらしき父さん狐」を原作に、ウィス・アンダーソン監督がストップモーションに初挑戦、ウェス・…

「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」:貴族の邸宅と居並ぶ名車、アクション、ロマンスを交え、尊厳死を洒脱に描くコメディ

「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」(原題:De surprise、英題:The Surprise)は、2015年公開のオランダのロマンティック・コメディ映画です。マイク・ファン・ディム監督・脚本、イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ、ジョルジナ・フェル…

「月の輝く夜に」:ニューヨークのイタリア系アメリカ人の情熱的恋愛模様をオスカー級俳優が熱演する、ロマンティック・コメディの名作

「月の輝く夜に」(原題:Moonstruck)は、1987年公開のアメリカのロマンティック・コメディ映画です。ノーマン・ジュイソン監督、ジョン・パトリック・シャンレイ脚本、シェール、ニコラス・ケイジ、オリンピア・デュカキスら出演で、ニューヨークを舞台に…

「シング・ストリート 未来へのうた」:80年代ブリティッシュ・サウンドとフレッシュなキャスティングが心地よい、半自伝的青春音楽映画

「シング・ストリート 未来へのうた」(原題: Sing Street)は、2016年公開のアイルランドのコメディ&ドラマ映画です。ジョン・カーニー監督・脚本・制作、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボイントン、ジャック・レイナーら出演で、1985年の…

刺激的な生き様をリアルに追う、アート系ドキュメンタリーのランキング・ベスト10+α

戦争など社会問題を扱うことの多いドキュメンタリーですが、アーティストを追ったドキュメンタリーも少なくありません。世界には有名無名のアーティストがたくさんおり、そこには思わぬドラマや生き様が隠されていたりします。 50年以上にわたってニューヨー…

「小悪魔はなぜモテる?!」:今やオスカー級の女優となったエマ・ストーンの魅力をフルに楽しめるハイスクール・ロマンティック・コメディ

「小悪魔はなぜモテる?!」(原題: Easy A)は、2010年公開のアメリカの青春コメディ映画です。ナサニエル・ホーソーンの「緋文字」をモチーフに、ウィル・グラック監督、バート・V・ロイヤル脚本、エマ・ストーンら出演で、ちょっとしたウソからふしだらな噂…

「シチズンフォー スノーデンの暴露」:全米を揺るがした事件の決定的瞬間を即時記録、本人の言葉、表情が生々しい迫力のドキュメント

「シチズンフォー スノーデンの暴露」(原題:Citizenfour)は、2014年公開のアメリカのドキュメンタリー映画です。ローラ・ポイトラス監督、スティーヴン・ソダーバーグ製作総指揮、エドワード・スノーデン、ローラ・ポイトラス、グレン・グリーンウォルド…

ウディ・アレン監督作品〜ニューヨーク等大都市を舞台に驚異的ペースで制作し続け、スター俳優が出演を熱望する天才的不条理コメディ作家

ウディ・アレン(1935年-)は、アメリカの映画監督、脚本家、俳優、小説家、クラリネット奏者です。高校時代に新聞等にギャグの投稿を始めてから60年以上に渡り創作活動を続け、さらに1960年代半ばに映画の脚本を書き、監督を始めてから40年以上、一年に約一…

「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」:ストリートアートの舞台裏を見せながら、一部愛好家の過大評価を風刺するドキュメンタリー

「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」(原題: Exit Through the Gift Shop)は、2010年のイギリスのドキュメンタリー映画です。世界で最も有名なグラフィティ・アーティストであるイギリスの覆面芸術家、バンクシーが初めての監督を務め、ストリート…

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」:若く刺激的な世代に翻弄されながらも、中年の危機を乗り越える夫婦を、面白おかしく、ほろ苦く描く

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」(原題::While We're Young)は、2014年公開のアメリカのコメディ映画です。ノア・バームバック監督・脚本・製作、ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライバー、アマンダ・サイフリッドら出演で、ブルックリ…

「イン・ザ・ベッドルーム」:メイン州の生活を忠実に再現、優れた脚色とオスカー級の卓越した演技でロマンス、ドラマ、サスペンスを描く

「イン・ザ・ベッドルーム」(原題:In the Bedroom)は、2001年公開のアメリカのヒューマン・ドラマ&サスペンス映画です。アンドレ・デビュースの短編「Killings」を原作に、トッド・フィールド監督・共同脚本、トム・ウィルキンソン、シシー・スペイセク…

「裸足の季節」:黒海沿岸に住む5人姉妹の思春期の喜びと憂い、秘めた力と性差別への抵抗を美しい映像で描いた、女性監督ならではの作品

「裸足の季節」(原題:Mustang)は、2015年公開のトルコ・フランス・ドイツ合作のドラマ映画です。デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督・共同脚本、ギュネシ・シェンソイらの出演で、トルコの小さな村に舞台に、古い慣習と封建的思想のもと一切の外出を禁じ…

ケイト・ウィンスレット出演作品〜若くして才能を開花、大女優メリル・ストリープを追える数少ない実力派女優のひとり

ケイト・ウィンスレット(Kate Elizabeth Winslet, CBE, 1975年- )は、これまでに7度もアカデミー賞ノミネートされている、イギリス出身の実力派女優です。「愛を読むひと」(2008年)で、第81回アカデミー賞主演女優賞を受賞しています。 祖父母、両親、叔…

「リトル・チルドレン」:ボストン郊外の住宅街を舞台に大人になりきれない人々の事件を群像劇風に描く、人間味あるトーンが魅力の悲喜劇

「リトル・チルドレン」(原題: Little Children)は、2006年公開のアメリカのヒューマン・ドラマ映画です。2004年の発表されたトム・ペロッタの同名小説を原作に、トッド・フィールド監督・共同脚本、ケイト・ウィンスレット、パトリック・ウィルソンら出演…

「エクス・マキナ」:美しい女性型人工知能の視覚効果と、その秘密、意識を探る駆け引き、徐々に生気を与えていく演出が見事なSF心理劇

「エクス・マキナ」(原題: Ex Machina)は、2015年公開のイギリスのSF心理劇映画です。アレックス・ガーランド監督・脚本、アリシア・ヴィキャンデル、ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザックら出演で、人間と人工知能の関係をめぐる心理を、斬新なビ…

「マイネーム・イズ・ハーン」:9.11前後のアメリカを舞台に、異教徒の妻への愛を愚直に貫くイスラム系移民を描いた、感動的インド映画

「マイネーム・イズ・ハーン」(英題:My Name Is Khan、ヒンディ題:माइ नेम इज़ ख़ान)は、2010年公開のインドのヒューマン・ドラマ映画です。カラン・ジョーハル監督、シャー・ルク・カーン、カージョルら出演で、さまざまな差別や偏見に晒されたアスペル…

スティーブン・ソダーバーグ監督〜若くして頭角を現し、商業的成功も収めた、撮影、編集も自らこなすオールマイティな監督

スティーブン・ソダーバーグ(1963年 - )は、ジョージア州アトランタ出身のアメリカの映画監督・脚本家・プロデューサーで、「アウト・オブ・サイト」、「エリン・プロコビッチ」、「トラフィック」、「オーシャンズ」シリーズなど、数々の名作、ヒット作の…

「母よ、」:常に自分自身に満足できない女性監督が母の衰えに直面する姿を、コメディとペーソスを織り交ぜた絶妙なタッチで描くドラマ

「母よ、」は、2015年公開のイタリア・フランス合作のヒューマン・ドラマ映画です。ナンニ・モレッティ監督、マルゲリータ・ブイ、ジョン・タトゥーロら出演で、仕事も家族との関係もうまくいかず悶々とする一人の女性映画監督が、母の喪失に直面する姿をユ…

「映画と恋とウディ・アレン」:経歴と作品、創作への姿勢、俳優との関係などを、豪華で幅広い出演者で追う、内容豊富なドキュメンタリー

「映画と恋とウディ・アレン」(原題:Woody Allen: A Documentary)は、2011年公開のアメリカのドキュメンタリー映画です。映画監督、脚本家、俳優、コメディアン、ミュージシャンなど様々な顔を持ち、数多くの名作を手がけてきたウディ・アレンについて、…

「マジカル・ガール」:日本的魔法少女をフックに、男女の欲望の連鎖を多重的な螺旋構造と独自のトーンで描くフィルム・ノワール的悲喜劇

「マジカル・ガール」は、2014年公開のスペインのフィルム・ノワール風ダーク・コメディです。日本のテレビアニメ「魔法少女ユキコ」に憧れる少女をフックに、カルロス・ベルムト監督・脚本、ホセ・サクリスタン、バルバラ・レニーら出演で、4人の男女の欲望…

ジョージ・クルーニー出演作品〜背水の陣で臨んだテレビ・ドラマのオーディションから大スターに上り詰めた知的で人間味溢れる二枚目俳優

ジョージ・クルーニー(1961年5月6日 - )は、アメリカの俳優、映画監督、プロデューサー、脚本家です。俳優として4回、監督として1回、脚本家として2回、製作として1回アカデミー賞にノミネートされ、アカデミー助演男優賞、アカデミー作品賞を受賞していま…

ジョナ・ヒル出演作品〜コメディからシリアスに芸域を拡大、若くしてオスカーにノミネートされた、今後も攻めを期待したくなる俳優

ジョナ・ヒル(1983年12月20日)は、カリフォルニア州ロス・アンジェルス出身の俳優・プロデューサー・脚本家・コメディアンです。サンタモニカにある高校を卒業後、ニューヨークのニュースクール大学で演技を学びます。バーで自作の一人芝居を演じていたと…

「10 クローバーフィールド・レーン」:プロモーションでミソをつけたが、実は大部分が密室劇の、しっかりと作り込まれた筋の良い作品

「10 クローバーフィールド・レーン」(原題:10 Cloverfield Lane)は、2016年公開のアメリカのSF&サスペンス映画です。J・J・エイブラムスがプロデュースしたヒット作「クローバーフィールド/HAKAISHA」と同じ、「クローバーフィールド」の名を冠し、ダン…

「トリコロール/赤の愛」:芸術的な二重構造で博愛を描き、群像劇の様に三部作を締めくくる、キェシロフスキ監督の遺作となった完結編

「トリコロール/赤の愛」(原題:Trois Couleurs: Rouge)は1994年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の3作目で、クシシュトフ・キェシロフスキ監督・共同脚本…

「レヴェナント: 蘇えりし者」:妥協しない演出、美しく厳しい自然の映像、俳優の渾身の演技が頭抜けるも、欲を言えば脚本に挑戦が欲しい

「レヴェナント: 蘇えりし者」(原題:The Revenant)は、2015年公開のアメリカの伝記映画です。マイケル・パンクの小説「蘇った亡霊:ある復讐の物語」を原作にアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディら出…

「トリコロール/白の愛」:国境や言葉を超える愛の平等について、男性を主人公に叙事的悲喜劇のスケール感で大胆かつ象徴的に描いた名作

「トリコロール/白の愛」(原題:Trois couleurs: Blanc、ポーランド語:Trzy kolory: Biały)は、1994年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の2作目で、クシシ…

「リザとキツネと恋する死者たち」:不条理舞台劇をダークファンタジーに脚色、ロマンスに憧れる健気な女性を描く和風スパイスのコメディ

「リザとキツネと恋する死者たち」は、2015年公開のハンガリーのダークファンタジー&コメディ映画です。栃木県那須に伝わる「九尾の狐」伝説をモチーフに、ウッイ・メーサロシュ・カーロイ監督、モーニカ・ヴァルシャイら出演で、彼女だけに見える幽霊の昭…

ジョン・ラセター監督/制作作品〜CGの可能性にいち早く注目、スティーヴ・ジョブズと共に今日のディズニー/ピクサーアニメを実現した男

アニメはほとんど見ることがなかったのですが、ピクサー制作の「モンスターズ・インク」(2001年)で、逆光に輝くモンスターの毛並みの質感にCGアニメの極めて高い表現力を実感、以来、CGアニメを見るようになりました。もともとアニメは簡略化したものでし…

「トリコロール/青の愛」:美しく叙情的、象徴的な演出と、主演女優の卓越した演技で、愛の喪失と再生を緻密かつダイナミックに描き出す

「トリコロール/青の愛」(原題:Trois Couleurs: Bleu)は、1993年公開のフランス・ポーランド・スイス合作のドラマ映画です。フランス国旗の青、白、赤の三色をモチーフにした「トリコロール」三部作の1作目で、クシシュトフ・キェシロフスキ監督・共同脚…

「或る終焉」:常に患者の死と向き合う終末医療の看護師を描き、ティム・ロスのイメージを変えるサスペンスフルなヒューマン・ドラマ

「或る終焉」(原題:Chronic)は、2015年公開のメキシコ・フランス合作のドラマ映画です。ミシェル・フランコ監督・脚本、ティム・ロスら出演で、終末期の患者をケアする看護師の葛藤をサスペンスフルに描いています。第68回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞…

「コックと泥棒、その妻と愛人」:ビッグネームによる衣装と料理、壮大な舞台セットと芸術的演出、俳優の熱演が光る大胆でパワフルな作品

「コックと泥棒、その妻と愛人」(原題:The Cook, the Thief, His Wife & Her Lover)は、1989年公開のイギリス・フランス合作のドラマ映画です。ピーター・グリーナウェイ監督・脚本、リシャール・ボーランジェ、マイケル・ガンボン、 ヘレン・ミレンら出…

「ファインディング・ドリー」:水中の風景が美しく、ユーモラスで感動的、そしてちょっと考えさせられる、「ニモ」の素晴らしい続編

「ファインディング・ドリー」(原題:Finding Dory)は、2016年公開のアメリカのアニメーション映画です。カクレクマノミのニモと愉快な仲間たちによる冒険を描いた「ファインディング・ニモ」(2003年)の続編として、アンドリュー・スタントン/アンガス・…

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」:殺人、流血、恐怖の都市伝説を激しい憎悪と狂気のドラマに昇華したミュージカル

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(原題:Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)は、2007年公開のイギリス・アメリカのミュージカル映画です。スティーヴン・ソンドハイム/ヒュー・ウィーラーが手掛けたブロードウェイの傑作…

ティム・バートン監督作品〜暗いゴシック調で幻想的、時にユーモラスに描く独特の世界観

ティム・バートンは、アメリカの監督、プロデューサー、芸術家、作家、アニメーターで、暗いゴシック調で幻想的、時にユーモラスに描く、独特のアーティスティックな世界観で知られています。 目次 作品の傾向 主な作品 関連記事 作品の傾向 ティム・バート…

変革の原動力?移民を描いた映画のランキング・ベスト10+α

欧米の映画には移民を描いたものは少なくありません。アメリカは移民の国であり、先住民を除けば基本的にアメリカ人は移民か移民の末裔ですが、最近では移民が増えつつある欧州やカナダの問題意識が特に高いようです。移民に関する映画の多くは文化的な軋轢…

「ブルックリン」:1950年代、移住先のアメリカと故郷アイルランド、そして二人の男性の間で心揺れる無垢な女性の成長を爽やかに描く

「ブルックリン」(英題: Brooklyn)は、2015年公開のアイルランド・イギリス・カナダ合作のドラマ映画です。コスタ賞を受賞したコルム・トビーンの同名小説を原作に、ジョン・クローリー監督、ニック・ホーンビィ脚本、シアーシャ・ローナンら出演で、1950…