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夢は洋画をかけ廻る

洋画のレビューや解釈、解説、感想、撮影地、関連作品などを掲載しています。タイトルは、松尾芭蕉最後の句と言われる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」由来です。病に伏してなお、夢が枯野をかけ廻るとは根っからの旅人だったのですね。映画はちょっとだけ他人の人生を生きてみる、いわば人生の旅のようなもの。願わくば、芭蕉のような旅の達人になりたいものです。

「NARC ナーク」:過酷なドラッグの潜伏捜査を背景に、殺伐とした現実と刑事の心理をざらりと描き出すサスペンス&ドラマ

「NARC ナーク」は、2002年公開のアメリカのクライム・サスペンス映画です。ジョー・カーナハン監督、レイ・リオッタ、ジェイソン・パトリックら出演で、危険な潜入捜査に挑む麻薬捜査官のハードな世界を描いた R指定のドラマです。タイトルの「NARC」は、麻…

20世紀の名作編:進化するロマンティック・コメディのベスト20と20世紀の名作30選

本編(20世紀の名作編)では、2000年以前に公開されたロマンティック・コメディの名作を、2000年から時代を遡りながら挙げていきます。2001年以降に公開された作品については「ランキング編」をご参照ください。 ロマンティック・コメディの歴史は古く、シェ…

「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」:犬を愛する少女と反乱を起こす犬たちをリアルかつスリングに描き、弱者の疎外を問う現代の寓話

「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」(原題:Fehér isten、英題:White God)は、2014年公開のハンガリー・ドイツ・スウェーデン合作のサスペンス&ドラマ映画です。雑種犬に重税が課せられる法律により飼い主の少女と離ればなれになった犬が、保護施設に…

ランキング編:進化するロマンティック・コメディのベスト20と20世紀の名作30選

本編(ランキング編)では、2001年以降に公開されたロマンティック・コメディのトップ20をランキング形式で挙げてます。2000年以前の名作については、「20世紀の名作編」をご参照ください。(2017年2月13日更新) 目次 進化するロマンティック・コメディ ロ…

「21ジャンプストリート」:かつての若者向けドラマをリメイク、時代を風刺しながら、警官バディが繰り広げる爆笑アクション・コメディ

「21ジャンプストリート」(原題:21 Jump Street)は、2012年公開のアメリカのアクション・コメディ映画です。1987年のジョニー・デップ主演による同名の人気テレビ・ドラマ・シリーズを原作に、フィル・ロード/クリストファー・ミラー共同監督、マイケル・…

「ルーム」:凄惨な監禁事件に触発されるも独創的。トラウマとファンタジー、緊張感と暖かさが入り交じる中、母子の関係を鋭く洞察する

「ルーム」(原題:Room)は、2015年公開のカナダ・アイルランド合作のドラマ映画です。フリッツル事件に触発されたエマ・ドナヒューの小説「部屋」を原作に、レニー・エイブラハムソン監督、ブリー・ラーソンら出演で、拉致され、監禁されたまま一児の母親…

マーティン・スコセッシ監督作品〜シチリア系移民の家に生まれ、マフィアの支配などイタリア系移民の文化の影響を強く受けた名作の数々

マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese、1942年生 )は、アメリカの映画監督、脚本家、映画プロデューサーです。シチリア系イタリア移民1世の父と移民2世の母の次男としてニューヨークに生まれ、マフィアの支配するリトル・イタリーの移民社会で育っちま…

「スーパーバッド 童貞ウォーズ」:実話に基づく高校生のお馬鹿コメディの下品さを友情や誠実さでバランス、粒揃いのキャストも魅力

「スーパーバッド 童貞ウォーズ」(原題:Superbad)は、2007年公開のアメリカのコメディ映画です。卒業を間近に控えた童貞の高校生3人組がパーティーに誘われたことを機に、それぞれ意中の女子生徒と初体験を目指して奮闘する姿を、下ネタ満載で描いていま…

「スティーブ・ジョブズ」:現代の偶像となったアップルの元CEOの人物像と葛藤を、三度の製品発表会を舞台にスリリングな会話劇で描く

「スティーブ・ジョブズ」(原題:Steve Jobs)は、2015年公開のアメリカの伝記的ドラマ映画です。原案は、アップル社の共同設立者でデジタル製品の常識を変えた男、スティーブ・ジョブズとその家族、関係者への約3年にわたるインタビューなどを基にベストセ…

「遠い空の向こうに」:元NASA技術者の自伝を基に、小さな炭鉱町で父に反発しながらロケット製作に挑戦する高校生を描いた感動的成功談

「遠い空の向こうに」(原題:October Sky)は、1999年公開のアメリカの伝記ドラマ映画です。 元NASAエンジニア、ホーマー・H・ヒッカム・Jr.による自伝小説「ロケットボーイズ」を原作に、ジェイク・ギレンホール、クリス・クーパーら出演で、アメリカの小…

「ヘイル、シーザー!」:1950年代のハリウッド映画撮影現場を再現、まぬけな俳優やスタジオ幹部ら映画人を豪華キャストで描くコメディ

「ヘイル、シーザー!」(原題:Hail, Caesar!)は、2016年公開のアメリカのコメディ映画です。ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督・脚本、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、レイフ・ファインズら出演で、1950年代のハリウッドを舞台に、スタ…

「MUD -マッド-」:アメリカ南部ミシシッピ川の島に隠れる謎の男、両親の結婚の破綻、初恋と失恋など、少年の冒険と成長を暖かく描く

「MUD -マッド-」(原題:Mud)は、2012年公開のアメリカのドラマ映画です。ジェフ・ニコルズ監督・脚本、マシュー・マコノヒー、タイ・シェリダン、サム・シェパード、リース・ウィザースプーンら出演で、アメリカ南部ミシシッピ川流域の消え行くライフ・ス…

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」:アメリカの住宅バブル崩壊と金融危機を予見、大金を手にした4人の男と金融業界の愚かさを描く

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(原題: The Big Short)は、2015年公開のアメリカのドラマ映画です。マイケル・ルイスのベストセラーであるノンフィクション小説「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」(2010年刊行)を原作に、アダム・マッケ…

「あの頃ペニー・レインと」:駆け出しの音楽ライターだった70年代を慈しむような、音楽映画としても評価が高い心温まる半自伝的作品

「あの頃ペニー・レインと」(原題:Almost Famous)は、2000年公開のアメリカの半自伝的コメディ&ドラマ映画です。15歳で「ローリング・ストーン」誌の記者になり、レッド・ツェッペリン、ニール・ヤングなど、数多くの伝説的ミュージシャンへのインタビュ…

「グランドフィナーレ」:豪華なキャスト、美しいロケ地、耽美的映像、大胆な構成で、イタリア映画とベテラン俳優の新たな可能性を示す

「グランドフィナーレ」(原題:Youth – La giovinezza)は、2015年公開のイタリア・フランス・イギリス・スイス合作のドラマ映画です。エリザベス女王からの依頼を断ったという有名な指揮者の実話に着想を得て、パオロ・ソレンティーノ監督・脚本、マイケル…

「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」:孤児として育ったシングルマザーの姉と里帰りした弟が田舎町で繰り広げるヒューマン・コメディ

「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」は、2000年公開のアメリカのヒューマン・コメディ&ドラマ映画です。ケネス・ロナーガン監督・脚本、マーティン・スコセッシ製作総指揮、ローラ・リニー、マーク・ラファロら出演で、幼い頃に両親が事故死、生まれ故…

「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」:アメリカが抱える問題を精力的に一方的にかつ老練に捉えるコメディ・タッチのドキュメンタリー

「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」は、2015年公開のアメリカのドキュメンタリー映画です。マイケル・ムーア監督の六年ぶりの新作で、イタリア、フランス、フィンランド、チュニジア、スロヴェニア、ポルトガルなどを訪ねてアメリカの社会経済の歪の解…

「ヒューゴの不思議な発明」:大時計や機械人形のメカとVFXを駆使、1930年代のパリを舞台に孤児の冒険と初期の映画史を豪奢に描く

「ヒューゴの不思議な発明」(原題: Hugo)は、2011年公開のアメリカのファンタジー&アドヴェンチャー映画です。ブライアン・セルズニックの小説「ユゴーの不思議な発明」を原作に、マーティン・スコセッシ監督、ベン・キングズレー、エイサ・バターフィー…

「ロブスター」:極端な設定と強烈な演出で不可思議かつスリリングに展開、社会と男女関係の心理を問う野心作

「ロブスター」(原題:The Lobster)は、2015年公開のギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリス合作のSF恋愛映画です。ヨルゴス・ランティモス監督、ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ共同脚本、コリン・ファレル、レイチェル・…

「ムーンライズ・キングダム」:12歳の少年少女の駆け落ちを、完璧な構図の中でユーモラスに描くウェス・アンダーソン監督のコメディ

「ムーンライズ・キングダム」(原題:Moonrise Kingdom)は、2012年公開のアメリカのコメディ映画です。ウェス・アンダーソン監督、ウェス・アンダーソン/ロマン・コッポラ共同脚本、ブルース・ウィリス、ビル・マーレイら出演で、駆け落ちした12歳の男女と…

「デッドプール」:テンポ良く喜々として冒涜的、R指定で従来のヒーロー像を打破、X-MENスピンオフの情感豊かなアクション・コメディ

「デッドプール」(原題:Deadpool)は、2016年公開のアメリカのアクション・コメディ映画です。マーベル・コミックの同名キャラクターを基に、ティム・ミラー監督、ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリンら出演で、怪しい組織の人体実験によって不死…

「フラメンコ・フラメンコ」:フラメンコの息吹をダイナミックに描く、フラメンコを撮り続けたカルロス・サウラ監督の集大成的傑作

「フラメンコ・フラメンコ」は、2010年公開のスペインのドキュメンタリー映画です。スペイン映画界を代表する存在でもあり、フラメンコやスペインの伝統的舞踊を題材にした作品を数多く手がけた巨匠カルロス・サウラ監督が、現在のフラメンコ界を牽引する若…

「ウェイバック -脱出6500km-」:酷寒のシベリアからインドまで、装備も食料も持たずに過酷な大自然を歩く、壮大な叙事詩的スペクタクル

「ウェイバック -脱出6500km-」(原題: The Way Back)は、2010年公開のアメリカのドラマ映画です。元ポーランド兵士スラヴォミール・ラウイッツが1956年に発表した書籍「The Long Walk」(邦題:脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち)を原作に、ピー…

「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」:真面目で可笑しくて刺激的、晩婚や離婚が多い現代のロマンティック・コメディ

「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」(原題:Man Up)は、2015年公開のイギリス・フランス合作のロマンティック・コメディ映画です。ベン・パーマー監督、テス・モリス脚本、サイモン・ペッグ、レイク・ベルら出演で、ロンドンの街を舞台に…

「サウルの息子」:アウシュヴィッツで遺体を処理するユダヤ人作業員の目を通してこの世の地獄を描いた、史実に基づく生々しいドラマ

「サウルの息子」(原題:Saul fia、英題:Son of Saul)は、2015年のハンガリーのドラマ映画です。ネメシュ・ラースロー監督、ネメシュ・ラースロー/クララ・ロワイエ共同脚本、ブダペスト出身の詩人ルーリグ・ゲーザら出演で、第二次世界大戦中のアウシュ…

「しあわせな孤独」:コペンハーゲンの街を背景に、事故で揺れ動く人間の感情を女性監督ならでは感性で描く、現実感溢れる叙情的恋愛映画

「しあわせな孤独」(原題:Elsker dig for evigt、英題:Open Hearts)は2002年公開のデンマークのドラマ映画です。ドグマ95のルールに従い、スサンネ・ビア監督、ソニア・リクター、マッツ・ミケルセンら出演で、突然の不幸に見舞われた2組のカップルを主…

「アルマジロ」:ヘルメットカメラが捉えた激しい戦闘と前線に立つ若者の心理に現代の戦争が浮かび上がる、緊迫感溢れるドキュメンタリー

「アルマジロ」(原題:Armadillo)は、2010年公開のデンマークのドキュメンタリー映画です。ヤヌス・メッツ監督が、国際平和活動(PSO)の一環でデンマーク陸軍からアフガニスタン南部のアルマジロ前線基地に派遣された若い新兵たちを、7か月間に渡って密着…

「スポットライト 世紀のスクープ」:実話に基づく緻密な脚本と豪華なアンサンブル・キャストの現実的演技で、陰湿な大事件を真摯に描く

「スポットライト 世紀のスクープ」(原題:Spotlight)は、2015年公開のアメリカの伝記的社会派ドラマ映画です。トム・マッカーシー監督・共同脚本、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムスら出演で、2003年にピューリッツァー賞…

「プライベート・ライアン」:かつてないほど凄惨で生々しい戦闘シーンと人間味溢れるパフォーマンスで、名もなき兵士達を讃える反戦映画

「プライベート・ライアン」(原題:Saving Private Ryan)は、1998年公開のアメリカの戦争映画です。スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス、マット・デイモンら出演で、第二次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦を舞台に、危険を冒して一人の兵…

「あの日のように抱きしめて」:ナチスドイツが残した傷を背景にパワフルな演出演技で描かれた、メロウでスリリングなサスペンス・ドラマ

「あの日のように抱きしめて」(原題:Phoenix)は、2014年公開のドイツのサスペンス&ドラマ映画です。1961年に発表されたフランスの小説家ユベール・モンテイエの「Le Retour des Cendres」(英題:The Return from the Ashes、邦題:帰らざる肉体)をモチ…

「フィアレス」:航空機事故の現場を再現した迫力映像と、心の傷を負った生存者の深い哀しみが際立つヒューマンドラマ

「フィアレス」(原題:Fearless)は、1993年公開のアメリカのヒューマン・ドラマ映画です。1991年にラファエル・イグレシアスが発表した同名小説を原作に、ピーター・ウィアー監督、ラファエル・イグレシアス脚本、ジェフ・ブリッジス、イザベラ・ロッセリ…

「ズートピア」:偏見が巣食う動物の理想郷は人間社会そのもの。兎と狐のバディの成長をコミカルに描く、ディズニーの大ヒットアニメ

「ズートピア」(原題:Zootopia)は、2016年公開のアメリカの3D CG アニメーション映画です。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作で、動物たちが人間のように暮らす文明社会ズートピアを舞台に、警察官になりたいウサギのヒロイン、ジュデ…

「SPY/スパイ」:おばさんがスパイになったら?コメディエンヌの魅力をフルに引き出すポール・フェイグ監督の爆笑スパイ・アクション

「SPY/スパイ」(原題:Spy)は、2015年公開のアメリカのアクション・コメディ映画です。ポール・フェイグ監督、メリッサ・マッカーシー、ジェイソン・ステイサム、ジュード・ロウら出演で、CIAの内勤分析官が現場のエージェントになり、スーツケース型核爆…

「ディーパンの闘い」:内戦に敗れ、フランスに逃れたスリランカの元兵士とその偽装家族の苦難を描く、リアルで見応えのあるドラマ

「ディーパンの闘い」は2015年公開のフランスのクライム・サスペンス&ドラマ映画です。ジャック・オーディアール監督・共同脚本、アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサンら出演で、内戦下のスリランカを逃れ、偽装家族としてフラ…

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」:住み慣れた家を買い換えようとする老夫婦をモーガン・フリーマンとダイアン・キートンが好演

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(原題:5 flights Up)は、2015年公開のアメリカのドラマ映画です。ジル・シメントの全米ロングセラー小説「Heroic Measures」を原作に、リチャード・ロンクレイン監督、モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン…

「ボーダーライン」:メキシコとの国境を挟んだ麻薬戦争を描き、娯楽映画を超えてアメリカが抱える問題を問いかけるクライム・サスペンス

「ボーダーライン」(原題:Sicario)は、2015年公開のアメリカのクライム・サスペンス&アクション映画です。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンら出演で、麻薬カルテル壊滅の為にアメリカとメキシ…

「ヴィクトリア」:全編1カットの長回しで撮られた、臨場感、緊迫感溢れるスリリングなリアルタイム・サスペンス&ドラマ映画

「ヴィクトリア」(原題:Victoria)は2015年公開のドイツのサスペンス&ドラマ映画です。セバスチャン・スキッパー監督、ライア・コスタ、フレデリク・ラウら出演で、ベルリンの街角で出会ったヒロインと4人の若者の身に起きる出来事を、即興によるセリフや…

「独裁者と小さな孫」:民主化が常に正しいわけではない、悪しき革命は悪しき独裁者による政治となんら変わらない

「独裁者と小さな孫」(原題:The President)は、2014年公開のジョージア・イギリス・フランス・ドイツの合作の映画です。モフセン・マフマルバフ監督、ミシャ・ゴミアシュヴィリら出演で、クーデターにより幼い孫と共に逃亡を余儀なくされた老独裁者が、行…

「15歳のダイアリー」:性に目覚め、大人になりかけたアンバランスな少女の厳しい経験を、リリカルに透明感のあるパフォーマンスで描く

「15歳のダイアリー」(原題:Somersault)は2004年公開のオーストラリアのドラマ映画です。ケイト・ショートランド監督、アビー・コーニッシュ、サム・ワーシントンら出演で、愛を渇望する孤独な少女の心と性の彷徨いと成長を、繊細なタッチで描いたロード…

「カルテル・ランド」:一筋縄ではいかない麻薬戦争の実態を、荒々しく、生々しく、そして苦々しく描いたドキュメンタリー

「カルテル・ランド」は、2015年公開のアメリカのドキュメンタリー映画です。マシュー・ハイネマン監督、キャスリン・ビグロー制作総指揮で、麻薬カルテルの横暴から人々を守る為に、メキシコで市民による自警団を結成した一人の外科医と、麻薬カルテルの侵…

「キャロル」:パトリシア・ハイスミスの半自伝的小説に基づいた、1950年代のレズビアンのリアルで美しく完成度の高い恋愛ドラマ映画

「キャロル」(原題:Carol)は2015年公開のアメリカのドラマ映画です。パトリシア・ハイスミスが1952年に発表した小説「The Price of Salt」(後に「Carol」(邦題「キャロル」)に題名変更)を原作に、トッド・ヘインズ監督、ケイト・ブランシェット、ルー…

「地獄の黙示録」:戦争の愚かさを強烈に風刺しながら、傷ついた男の心の闇を描く壮大な叙事詩的大作名画は、メイキングも地獄だった

「地獄の黙示録」(原題:Apocalypse Now )は、1979年公開のアメリカの戦争映画です。ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作に、舞台をベトナム戦争に移して翻案した叙事詩的映画で、フランシス・フォード・コッポラ監督、マーロン・ブランド、ロバー…

「Mommy/マミー」:機能不全の家族愛を描き、人物描写、映像表現、音楽の選択にグザヴィエ・ドラン監督の瑞々しい感性が光る

「Mommy/マミー」は、2014年公開のカナダのヒューマン・ドラマ映画です。グザヴィエ・ドラン監督、アンヌ・ドルヴァル、アントワーヌ・オリヴィエ・パイロン、スザンヌ・クレマンら出演で、「発達障害児の親が経済的困窮や身体的、精神的な危機に陥った場合…

「トスカーナの贋作」:ふとしたことから夫婦を演じる男女の虚実の交錯を、イタリアの小さな街を舞台にスリリングに描くヒューマンドラマ

「トスカーナの贋作」(原題:Copie conforme)は、2010年公開のフランス、イタリア合作のドラマ映画です。イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督・脚本、ジュリエット・ビノシュら出演で、ふとしたことから夫婦を演じることになった男女の虚実交錯する恋…

「ウェンディ&ルーシー」:女性監督が描くアメリカの底辺の崖っぷちを彷徨う若い女性の孤独な戦いを、ミシェル・ウィリアムズが演ずる

「ウェンディ&ルーシー」(原題:Wendy and Lucy)は、2008年公開のアメリカのドラマ映画です。ケリー・ライヒャルト監督・脚本、ミシェル・ウィリアムズ主演で、仕事を求め、愛犬ルーシーと車でアラスカへ向かう途中、ドッグフードも底を尽き、車も故障して…

「ミラーズ・クロッシング」:スタイリッシュさが際立ち、シャープな台詞、印象的な映像、登場人物の個性が特徴的なクライム・スリラー

「ミラーズ・クロッシング」(原題: Miller's Crossing)は、1990年公開のアメリカのギャング映画です。ジョエル・コーエン/イーサン・コーエンのコーエン兄弟共同脚本・制作、ジョエル・コーエン監督で、1920年代、禁酒法時代のアメリカ東部の街を舞台に、…

「愛についてのキンゼイ・レポート」:人間の性行動に統計でメスを入れたキンゼイ博士と妻の半生を、社会風刺しつつ感情豊かに知的に描く

「愛についてのキンゼイ・レポート」(原題:Kinsey)は、2004年公開のアメリカの伝記映画です。ビル・コンドン監督・脚本、リーアム・ニーソン、ローラ・リニーらの出演で、性について語ることがタブーだった1940年代に画期的なレポートを発表した実在のキ…

「アクトレス~女たちの舞台~」:世代交代に直面、過ぎ行く時間と対峙するスター女優の葛藤を、現実と劇中劇の間でスリリングに描く

「アクトレス~女たちの舞台~」(原題:Sils Maria)は2014年公開のフランス・スイス・ドイツ合作のヒューマン・ドラマ映画です。監督・脚本オリヴィエ・アサイヤス、ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツら出演…

「レバノン」:イスラエル軍の戦車に乗り組んだ実戦経験のない若い兵士たちが直面する最前線を、徹底した個人の視点で有無を言わさず描く

「レバノン」(原題: לבנון, 英仏題: Lebanon, 独題: Levanon)は、2010年公開のイスラエル、フランス、ドイツ合作の戦争ドラマ映画です。サミュエル・マオズ監督・脚本で、マオズ自身も兵士として参加した1982年のレバノン戦争を舞台に、戦車兵の若いイスラ…

「スティーヴとロブのグルメトリップ」:スターとコメディアンが本人役で北イングランドのグルメ旅をする自虐的コメディ&ロードムービー

「スティーヴとロブのグルメトリップ」は、2011年公開のイギリスのセミドキュメンタリー形式のヒューマン・コメディ&ロードムービーです。本人役のスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンが、北イングランドの一流レストランの絶品料理を一週間かけて食べ…